読書メモ The Joy of Living 10
Part Two: The Path - Chapter 10 - Simply Resting: The First Step
仏陀の教えた瞑想は分析的、非分析的の2つに分類されるが、分析的な瞑想には教授者が必要となるため、この本では非分析的な瞑想について述べる。
対象物のない非分析的な瞑想は、あたかも仕事の長い1日を終えた後のようにリラックスして行う。思考や感情に曇らされていたとしても、仏性は常に明るく開かれた状態で存在している。あまりに普通のことと思うかもしれないが、明瞭さ、空、思いやりといったものは曇った状態にも含まれている。
瞑想では、思考、感覚、感情を追うことなく眺め、意識の中をそれらが通過してゆくのをありのままに意識する。それらの一つに集中することもなく、止めようとすることもせずに、沸き起こって消えてゆくのを観察する。
思考を追い始めてしまうと、今ここで起きていることから離れて空想、夢想、判断や記憶など、現時点での現実に関係のないシナリオにそれてしまう。瞑想の目的はこのような習慣を断ち、現時点での全ての可能性に心を開くことである。瞑想をするにあたり、その意図は非常に重要な要素となる。
初心者にとって効果的なアプローチは1日のうち、短い時間に何度も心を休めることである。最初から20分の瞑想のような壮大な目標を立てないこと。退屈したり、効果が出ないことに嫌になったりして止めてしまう原因になる。
最初は短い時間、1分、あるいは30秒でも良いから心を休める訓練を1日に何度も行うことが効果的だ。
一回につき一滴の実践をすることで、少しづつ疲労や怒り、絶望、失望の原因となる精神的・感情的な限界から自由になり、明瞭さ、智慧、勤勉、平和、思いやりの無限の源を自分の中に発見することができる。