2021/11/28
とても大きな洋館は実家で、その広い庭の一角に私の住む離れがある。全ての壁や屋根が透き通った硝子でできていて、くすんだ金色の、真鍮か何か金属で、角の柱や屋根や扉が全て縁取られている。周りは緑あふれる美しい夜の庭園で、離れはその中に暖かい灯りを透かしてふんわりと浮かび上がり美しい。部屋の中は、魔法使いの家のように古びた棚やテーブルがひしめき合って、どこもかしこも鮮やかな色をした溶液をたたえるガラス瓶や、埃っぽく分厚い洋書や、磨かれる前の貴石やらで溢れかえっている。私はこの部屋が