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AWESOME Choices Issue no.07「生命科学分野から製薬会社の開発職を経て部門人事に」というキャリア


あゆみさん

現在入社12年目、製薬会社の開発部門人事で組織風土醸成やキャリア支援、研修企画などをしています。具体的には、組織風土醸成や研修企画等です。この仕事の面白さは楽しく仕事ができるように支援して部員から感謝されたり、組織としてこうなって欲しいと思うことを形にしていくことです。学生時代は、大学(生命環境科学部)・大学院(生命科学研究科)で遺伝子発現の研究をしていました。小学校1年生、4才、1才の1男2女のワーキングリケジョマザーです。(取材時)

現在、開発部の部門人事で活躍中とのことですが、学生時代に理系の道に進もうと思った理由について教えてください

家族が全員理系ということもあり、理系以外をあまり意識したことがありませんでした。中高一貫ということもあり、ゆっくりと将来を考えており、高校進学時は理系の中でどんな仕事に就くのだろうと漠然と考えている段階でした。科目も数学や理科が好きで、国語が苦手というのもあったかなと思います。

ご家族全員が理系だったので、自然と理系の道を選ばれたという声を本当によく耳にします。余談ですが、私の父親も工学部出身で技術者、母親は高校時代は理科部に所属していたので、理系を選ぶ際には全く偏見がない環境でした。

大学・大学院の学部や専攻を選んだ理由についても教えてください

大学受験での第一希望は、保健学科の検査専攻でした。人の生命に興味関心があったためです。ですが、センター試験(現大学共通テスト)の結果が思わしくなく、初めは落ち込んでしまいましたが、高校時代に通っていた塾の生物の先生の授業が非常に面白く、生物学がとても好きだったことと、親からのアドバイスを参考に、基礎学問である生物学を詳しく学べる生命環境科学部を志望することに決めました。

初めの希望ではなかったものの、自分が生物のことが好きだったという気持ちを大切にその後のキャリアを前向きに選ばれていたんですね。

現在までに経験したお仕事を選ばれた理由について教えてください

大学で生物学を学び、想像通りとても面白く、満足した大学生生活を過ごしていました。4回生になり理系なのであれば、大学院に進学して、理系職種に就職するものと考えており、当然のこととして大学院進学を考えていました。いや、むしろ理系職種で就職しないと勿体無いとすら思っていた自分がいました。無事に大学院受験に合格し進学しましたが、生物を相手に研究に打ち込む日々に疑問を持つようになりました。次第に人と接しながら、生命のことに携わりたいという気持ちが強まり、製薬会社の開発職(研究ではなく、治験に携わる業務)を志望しました。
開発職に就職すると、予想通り楽しく、順風満帆な社会人生活が始まりました。しかし、あるプロジェクトが失敗に終わったことを境に、本当に自分がしたいことを見つけるための探求が始まりました。そして、育休中に他業界・他業種の方と知り合う中で、キャリア支援に興味を持ち、国家資格のキャリアコンサルタントを取得。その後、以前より社内で希望していた部門人事に異動することができました。

ご自身の違和感に耳を傾け、その時々でアクションを取ることで、今の仕事を手にされているということがよくわかりました。

お仕事の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

外部の人事関係のデータを提示されたときに、解釈が本当に正しいか、割合や数字に騙されていないか?と疑ってみたり、課題を見つけると、その原因を考え、効果的な解決策を検討する姿勢がつい出てしまう所かなと思います。 特に組織風土を変えていこうという場合には、もちろん課題が出てくるのですが、そんな場合でもできるだけ客観的かつ効率的に解決していくために、まず本部員のリアルな気持ちを引き出すためにアンケートを実施し、まずは現状を把握。そして、その回答をもとに課題の原因を洗い出すことで仮説を立て、複数の解決策を考え実行することで、答えのない課題に対しても進んでいきます。このマインドセットこそ、私の理系らしさが出ていると感じる瞬間です。 実際に研修の参加者アンケートを取った際には、データをどのように解釈するか、どのデータとどのデータを組み合わせることで、どのような洞察が得られるかを慎重に考え、これらの洞察を次の企画に反映することで、より効果的な研修を提供するよう努めています。 また、企画の段階で提案する際には、周囲に納得感を持ってもらうために、引用する外部データの解釈が本当に正しいかを常に意識し、見極めることができるのも、理系の視点があるからこそだなと感じます。 データを冷静に分析し、客観的な視点から仕事を進められることを自分の強みとして、さらに良い結果を出せるよう努めていきたいと考えています。

人事と言う、一見理系で培ってきたことが活かせるのかな?と思ってしまう部門ですが、客観的な視点から解決策を提案できるという強みを発揮されていることがわかりました。

ご自身にとって「理系で学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば教えてください

理系を学んだから理系の仕事をすべき、そうでないと勿体無いと学生時代考えていた私ですが、今思えば、選択肢を狭める必要はなかったかと思います。生物学が面白いのであれば、生物学を学べばいい。キャリア支援を学びたければキャリア支援を学べばいい。どの道を行っても、自分の糧になりますが、納得感を持って進むことに意義があるのかと思います。ただ、どんな分野のお仕事をしても、理系的な考えや伝え方は活きてくると、今の理系以外の仕事をしながら感じているので、やはり理系を学ぶ機会があって良かったと思います。

理系の仕事から離れてみたからこそ、理系をChoice(選択)したことで得られたスキルの価値について実感されているということが伝わってきました。

最後にこれからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします

社会人になって振り返ると、学生時代はなんと学ぶことに対して自由だったんだろうかと思い、今の私からすれば羨ましく感じます。全ての科目に対してではなく、何か1つでもいいので、「楽しい!」「それってどうなってるの?!」と好奇心を持てるものを見つけて、そのことを存分に学んで下さい。見つけられたら、あなたは勝ち組です。そこからどんどん興味を広げていって下さい。どんな内容であれ、必ず理系的な視点が必要になってきます。その時には、ぜひ理系世界を楽しんでくださいね。必ず将来の財産になりますよ。

最後に

お話を通して、自分の挫折や違和感を無視することなく、向き合い続けたからこそ、今「理系」に囚われないキャリアを選んで歩み始めたというのがよくわかりました。貴重なお話ありがとうございました。あゆみさんの更なる活躍を応援しています!
あゆみさんは、理系×人事×キャリコンを活かしたオンラインキャリア相談もされています。興味のある方は、ぜひ以下のLINEアカウントをチェックしてみてくださいね。

https://page.line.me/808vchtp

あとがき

いかがでしたか?
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