#現代詩
雑詩:『とき・かけら』
朝露のような涙
たしかに見ていたはずの夢 思い出せないけど夢の中にいたことは覚えている
朝の光 微睡む街をやさしく溶かす
シェアしない密やかなお守りがあっていい
誰もさわれないから踊れる
詩的になれない夜 灯すように叫んで
寒さや痛みを忘れるくらい包まれて
いつも揺られてばかりで飽きないね
1000年先のこと指切りした
月の裏側で待ってて こっそり落ち合おうね
いつか果てになっ
雑詩:『詩的にはなれない』
詩的にはなれない
狭間の中にいたくて 私的にはなれない
本当の空 本当の海 本当の夏
誰のものでもない ただそこにある
揺れて 触れて わたし
対流する 叫びと優しさ
誰かと一緒にいるときの寂しさ
なにもない 無の中で生まれる
詩的にはなれない 私的にはなれない
本当の空 本当の海 本当の夏
ただ風景になりたくて
ただ景色になりたくて
ただ音色になりたくて
うつろの涙 流
詩:『非実在少女の体温』
天使のいない12月
朝の来ない夜に抱かれて
できない私が、くりかえす。
遥かに仰ぎ、麗しの
見上げた空におちていく
「虹を見つけたら教えて。」
君と彼女と彼女の恋。
それは舞い散る桜のように
素晴らしき日々
夜明け前より瑠璃色な
さかしき人にみるこころ
君が望む永遠
こなたよりかなたまで
最果てのイマ
終わる世界とバースデイ
彼女たちの流儀
もしも明日が晴れならば
キスより先に恋より
詩:『眠れぬ夜さえ』
すべて夢だった
断片が通り過ぎていく
過去は本当にあったかどうか
記録をたどることはできるが
それは捏造されたものかもしれないし
確かさはどこにもない
すべて夢だった
として
差し支えないでしょう
誠に残念ながら
夢とは真実のような幻なのです
また一刻一刻
過ぎゆくと
私のいない世界で
観測できない夢が広がる
すべて だった
断片が通り過ぎて
詩:『自覚のない鳥』
あの人は私の翼が綺麗だと言ってくれたけど
眺めているだけで 撫でてはくれなかった
檻の隙間から覗く瞳は 澄み渡る水色だったから
飛べない空に恋をしてしまったのね
いつしか見上げるのをやめて 私は鳥であることを忘れた
檻の隙間を夢中で見つめ返していた時 私は何者でもなかった
本来の姿を忘れる悦楽 でもね どれだけ嘴を伸ばしても
眺めているだけで 撫でてはくれなかった
檻の中で生きてい
文以上詩未満:『星の癌』
好きになれたらよかったな
どうしてこの人じゃダメなんだろ
綺麗なの
完璧なの
でも違うの
好きになれたらよかったな
どうしてこの人じゃダメなんだろ
優しいの
嬉しいの
でも違うの
言葉
たくさんくれる
注ぎきれない程
ことば
でも違う
わがままで もどかしくて
救いようがない
オススメに従えない
右に行けと言われて左へ行く
誰かの言葉が欲しいのに
言うことを聞けないなんて
ほんっ