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日付のない即興の詩

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趣味で書いた詩のまとめ。
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記事一覧

雑詩:『静かな庭』

悲しいままで迎える朝が 私ときみをつなぎ止める

誰と抱き合っても抱きしめるのは あなたの記憶 首筋の匂い 

この先一生傷つかないでと祈る 水辺にて

ゆるされたいを着こなして 静かな庭で踊りたい

雑詩:『余光』

風になったきみ ふれるゆれる 忘れるまで 静かに

見えていたのは心に映った景色で瞳は何も示さない

一定の温度で一定の形で 失うことを気にしないふりで

降るはずのない雪 隣を歩く息遣い 白く ここがどこであっても

耳だけが教えてくれる 声にならない声 いかないでという呟き 

ありあまる感情を掘り返す 眠るひかりと終わらないふたり

『春光』

『春光』

死にゆく跡には詩の花が咲く

ゆけ どこまでも

薫風と囁き 

柔らかな時は あの日話したこと

雑詩:『苦しかった、あらゆることへ』

おまえの痛みでずっと目が覚めている、眠れない

寝たいのに寝れない気持ちは、誰とも共有できない私事

恐縮ではございますが、距離を取らせていただく次第で候

穏やかでいたいのよ、生きるにしても死ぬにしても

・  

さざなみだけが聴こえる世界 架空の海も架空の砂浜も 常に優しい

目覚めたまま迎えられる終わりはあるのだろうか

感情が存在していて欲しいと無表情で祈ってる

流れる涙に欠けた心は映

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『すべて』

『すべて』

きみがいる 世界は うつくしい

きみがいる 夜は  うつくしい

きみがいる 朝は  うつくしい

きみがいる 景色は うつくしい

きみがいる 記憶は うつくしい

きみがいる 人生は うつくしい

きみがいる 世界は うつくしい

きみがいる 日々は うつくしい

きみがいる 今日は うつくしい

きみがいる すべては うつくしい

雑詩:『とき・かけら』

雑詩:『とき・かけら』

朝露のような涙

たしかに見ていたはずの夢 思い出せないけど夢の中にいたことは覚えている

朝の光 微睡む街をやさしく溶かす

シェアしない密やかなお守りがあっていい

誰もさわれないから踊れる

詩的になれない夜 灯すように叫んで

寒さや痛みを忘れるくらい包まれて

いつも揺られてばかりで飽きないね

1000年先のこと指切りした

月の裏側で待ってて こっそり落ち合おうね

いつか果てになっ

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雑詩:『詩的にはなれない』

雑詩:『詩的にはなれない』

詩的にはなれない

狭間の中にいたくて 私的にはなれない

本当の空 本当の海 本当の夏

誰のものでもない ただそこにある

揺れて 触れて わたし

対流する 叫びと優しさ

誰かと一緒にいるときの寂しさ

なにもない 無の中で生まれる

詩的にはなれない 私的にはなれない

本当の空 本当の海 本当の夏

ただ風景になりたくて

ただ景色になりたくて

ただ音色になりたくて

うつろの涙 流

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雑詩たち

雑詩たち

思い出を箱の中に隠しました。
誰にも見られてはいけないから。
誰にも見せたくなかったから。

あの子の柔らかいところ、
知っているのは私だけでいいの。

祈っていた。二つのこと。

あなたを構成するありとあらゆる全てが
私のものになりますように。

そして、この慰め合う時間が
どうか、終わってしまいますように。

細い繋がり。蜘蛛の糸。
一瞬の輝きを閉じ込めて。秘密にしよう。
蓋を開けなければ綺麗

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『ネームレス・サマーメイデン poetry』

『ネームレス・サマーメイデン poetry』

夏の蜃気楼

はるかな水底

ゆらぐ世界

たしかに少女はそこにいた

夏の蜃気楼

はるかな水底

ゆらぐ世界

たしかに少女はそこにいた

夏の蜃気楼

きおくの狭間

けしきの流転

めぐりゆく瞬きの中に

ふと 消えてしまった

あの少女の声が

きこえる



ひそやかな静寂の中に

ふと 消えてしまった

あの少女の声が

きこえる



サマーメイデン

きみの踊り をおぼえてる

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雑詩とかけらたち

雑詩とかけらたち

夜 夜 夜
飲み干して

微睡の中で
優しい忘却に身を委ねる

どこかに落とした涙
広がる波紋をなぞって

撫でる 爪を立てる
痛みと慰めの間

揺れる 闇 に
映るのは
知らない顔

誰ですか?と聞く声は
耳に跳ね返るから
笑っちゃうね

夜 夜
潤って

明日もまた
起きたいと思えますように



孤独が寝息を立てている
すやすやと 優しく目を瞑って
 
抱き枕のように抱えて
私も一緒に眠り

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雑詩をいくつか

もし言葉を紡ぐことで
時を止めてしまえるのなら
二度と思い出せない経験できない
いつかの愛と滴をしたためたい



空から降る雨粒が
葉や地面にぶつかって鳴るの を
私たちは雨の音だって言う けれど
本当の雨の音は鼓膜に届かない

その音を知ってるのはきみだけ
聞いたふりをするのはぼくだけ



夢時雨
光舞って破砕した
何も持ってはいけないのに
ただうつくしい



笑ってしまって堪忍な

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詩:『非実在少女の体温』

詩:『非実在少女の体温』

天使のいない12月
朝の来ない夜に抱かれて
できない私が、くりかえす。

遥かに仰ぎ、麗しの
見上げた空におちていく

「虹を見つけたら教えて。」

君と彼女と彼女の恋。
それは舞い散る桜のように
素晴らしき日々

夜明け前より瑠璃色な
さかしき人にみるこころ

君が望む永遠
こなたよりかなたまで

最果てのイマ
終わる世界とバースデイ
彼女たちの流儀

もしも明日が晴れならば
キスより先に恋より

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詩:『きみが好き』

きみが好き。

まだ、きみのことが好きなのかもしれない。

それは、悲しいことだけど、

でも好きかもしれない。

まだ、きみのことが好きなのかもしれない。

それは、悲しいことだけど、

でも好きかもしれない。

好きなんだと思う。

好き。

好きなんだ。

あの時、祈っていたんだな。

週末、きみと帰る時。

きみのことが好きだったから、

ずっと祈っていたんだ。

好きだったんだ。

一生

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詩:『眠れぬ夜さえ』

すべて夢だった

断片が通り過ぎていく

過去は本当にあったかどうか
記録をたどることはできるが
それは捏造されたものかもしれないし
確かさはどこにもない

すべて夢だった
として
差し支えないでしょう

誠に残念ながら
夢とは真実のような幻なのです

また一刻一刻
過ぎゆくと
私のいない世界で
観測できない夢が広がる

すべて だった

断片が通り過ぎて