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Photo by
take_kuroki
雑詩たち
思い出を箱の中に隠しました。
誰にも見られてはいけないから。
誰にも見せたくなかったから。
あの子の柔らかいところ、
知っているのは私だけでいいの。
祈っていた。二つのこと。
あなたを構成するありとあらゆる全てが
私のものになりますように。
そして、この慰め合う時間が
どうか、終わってしまいますように。
細い繋がり。蜘蛛の糸。
一瞬の輝きを閉じ込めて。秘密にしよう。
蓋を開けなければ綺麗まま保存される、瓶詰めの記憶。
指と指を絡ませて、切れた糸を結び直して。
たしかに見つめあった。
かつて私を見つけてくれた眼差しが、
胸の奥で今も、光続けている。
・
夜中の水遊び。
日差しの欠けた砂浜。
カケラひとつ、灯る夢花火。
涼やかな鼓動が響き渡る。
燃える瞳を弄る。
葉がひらひらと落ちる。
渚。
涙が落ちるよりも早く。
・
生きたまま水泡や光、風、闇になりたい
・
欲しい言葉ほど、自分で口にしてしまって、貰い忘れる。
・
他人は鏡と言うけれど、本当に鏡にしてしまったら、自分しか見えなくなるよ。