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「なまえのない」ものに力を与える

言葉にできないモヤモヤ

最近、頭の中に言葉にできない「モヤモヤ」を感じたことはないだろうか?

何か言葉にしたいのに、うまく表現できない。
分類したいのに、ぴったりくるカテゴリが見つからない。

もしその「モヤモヤ」が悩みであるなら、
思考がまとまらず、
ストレスばかりが溜まっていくかもしれない。

たとえや比喩の効能

こういうとき役に立つ方法の一つが、「たとえ」や「比喩」だ。

例えば、体調の変化でしんどさやつらさを感じていたとする。
それを「天気のようなもの」と考えてみる。
どうにもならない変動があるのは当たり前だ。
そう思えば、理不尽さや不規則な変化も受け入れられる。

AppleがiPhoneを初めて発売した時の衝撃を覚えているだろうか?
従来の「ガラケー」とまったく異なるフォルム。
タッチパネルで直感的に操作できる新しい体験。

ホリエモンはこう解説していた。
「中身はコンピュータなのに、あれを『電話』として発売した」。
iPhoneはあまりにも新しすぎたので、
「Phone(電話)」という名前を付けて、人々に認知してもらいやすくした。
それが売れた大きな理由だったのだ、と。

新しい名前を付けてしまう

人は新しい概念にはなかなか「名前」は付けられず、
どう扱えばよいか戸惑うものだ。
さきほどの二つの例のように、
既存の言葉やたとえを使って理解しやすくする工夫もできる。

けれど、既存の言葉がしっくりこないのであれば、
自分で新しい言葉を名付けてしまうのがいいこともある。
それが、斬新な概念を生み出すことになるからだ。

これもホリエモンが関わっている本『弱者の兵法』に、
エピソードがある。

ゲームのテストとバグ報告を専門にしていた人の話だ。
「専門」というと聞こえはいいが、
ただのアルバイトで、それ以上のゲーム開発のスキルは期待できなかった。

しかし、彼はゲームはとても好きだった。
テストプレイとデバッグのレポート作成を専門とするフリーランスとして、
活動を始めると、受注の絶えない会社の社長となった。
彼の仕事には「プレイアビリティ評価」という新しい名前がついた。
誰も、そのような市場が存在するとは思っていなかった。

好きなことを突き詰めた結果、
「名前のついていなかった」ブルーオーシャンを掘り当てたのだった。

「斬新」なものの見つけ方

私たちは、知らないものに出会うと、
手元にある知識や概念で分類をしようとする。
本当はしっくりこないのに、無理にレッテルを貼り、
認識した形自体ををゆがめることも多い。
これは、脳が余計なエネルギーを使わずに物事を理解しようとする、
本能的な働きなのかもしれない。

しかし、その流れに少し逆らい、
自分のアイデアを磨いたり、本質を人に解説ができるのならば、
競争の少ない新しい分野を見つけることができるのかもしれない。
それは、差別化という点で、非常に強力な武器となる。

では、身近にそういう「斬新」なものがないだろうか?
ここで一つ、見つけ方を紹介したい。
少し理屈っぽいかもしれないが、ついてきてほしい。

具体と抽象の橋渡し

人が物事をスムーズに考えられるとき、
それは「具体例」(具体)と「共通点」(抽象)がうまく橋渡しされている時だ。
または、その前提が明確にわかっていて、
解釈を柔軟に変えられる(リフレーミング)ときだ。

例えば、文章を書くときは、
各段落の具体的な内容を考えつつ、
全体の共通の流れや読者の前提条件も意識している。

概念に「名前をつける」というのは、
その橋渡しと前提を把握するプロセスなのだ。

人の悩みも同じで、考えが進まないときは、
「共通点」(抽象)に「名前がついていない」ことが多かったり、
「これは当たり前」と思い込んでいることが多い。
個々の出来事が、
全体として、どういう土台の上でまとまっているかわからないから、
意味や対処法がわからないのだ。

だから、こう考えてみてはどうだろう。
ぱっと理解できない感覚を覚えたら、
それは自分にとって新しいものかもしれない、と。
共通点・抽象的な意味に「名前がついてな」かったら、
前提から深堀りして新しい名前を付けてみよう。

企業のビジョン

ちなみに、これは企業のビジョン構築(ブランディング)にも共通している。
商品やサービスを売るという行為は、
「その行為がどんな意味を持つのか」という概念の説明にたどり着く。

・コカ・コーラ「幸せな時間を作り出す」
・グーグル「あらゆる好奇心を瞬時に満たす」
・メルセデス・ベンツ「人生における成功の象徴となる」
・パンパース「わが子の健康で幸せな成長を望む母親の手伝いをする」

書籍『SNSで儲けようと思ってないですよね?』

おわりに

私がnoteで記事を書く意義について考えてみると、
「日常を1°変える視点をあなたに。」の
一言に収まるのではないかと思い、テーマに据えている。

あなたの視点を1°変えることができただろうか?

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