ディープインパクトとオルフェーヴルの不定期万冊 第4回 宮城谷昌光『孟夏の太陽』と塚本靑史『裂果』
今日はこの二人の比較?
オルフェーヴル「ディープ先輩、『ウマ娘』版の俺って『きれいな知伯』ですね」
ディープインパクト「知伯(智伯)、春秋時代の晋の知瑶(智瑶)かい?」
オルフェ「それに対して、正史三国志の公孫瓚とバーナード・コーンウェル版ランスロットの野郎は『汚い知伯』です」
ディープ「確かに、ランスロットを悪役として描いている話は珍しいね」
オルフェ「今回の記事は宮城谷昌光さんと塚本靑史さんお二人の趙襄子の話を紹介します」
ディープ「宮城谷さんの方は晋の趙氏のオムニバス短編集で、塚本さんのは趙襄子が主役の長編小説だね」
オルフェ「どちらも一長一短ですが、趙襄子のお姉さんが自殺する辺りの描写は宮城谷さんの方が鬼気迫るものがあると、俺は思います」
ディープ「早い時期の宮城谷さんは読みやすい作風だね。宮城谷さんは長編小説よりも短編小説の方が良いと僕は思うけど、楚漢戦争ものの『長城のかげ』もいいね」
オルフェ「俺、田横ちゃんが主人公の長編小説は宮城谷さんではなく塚本さんに書いてほしかったんですけど、その宮城谷さんが信ちゃん(韓信)を貶めるために楽毅先生や田横ちゃんを持ち上げるのって、何だかビッグダディ一家を貶めるためにエリート大家族の石田さん一家を持ち上げるようで失礼ですよ」
ディープ「うーん、そこまで言うか…?」
オルフェ「それはさておき、もしかすると『ウマ娘』版の俺の人物像は多分、知伯という人の人物像を探る鍵になると俺は思うんです。あれはバーナード・コーンウェルさんのランスロットのような卑劣さは一切ないですし、史実の知伯には予譲という忠臣がいましたから」
ディープ「つまりは、予譲の存在自体が知伯が単なる悪人ではなかった証拠になるんだね」
オルフェ「そうです! 『士は己を汁物のために死す』です!」
ディープ「オルちゃん、その誤変換はシャレにならないよ」
オルフェ「すいません」
【岡村靖幸 - OUT OF BLUE】