フラッシュバックと共に生きる日記

また、心の地震に遭った。端的にいうと、PTSDのフラッシュバックだ。

しかし、これまでフラッシュバックが起きた時に比べ、今回は観察する自己の意識を保ちやすかった(これまでは1秒ごとに消え去る理性を毎秒毎秒必死の努力で繋ぎ止めていた)。
ようううううううやく、フラッシュバックが、単品でnoteに出せるレベルまで緩和されてきた。

比較的冷静な観察者の視点で、フラッシュバックとその対処を記録してゆく。

0日目 起点

生育歴を話さなければならない場面があった。何があったか、何をされたかを質問され、今でもまだ口に出して話せるほど心の整理がついていないという事実を突きつけられることになった。
終わった後にお腹のこわばりと怒りを自覚したが、まだ、自分を保てる範囲内であった。


1日目 前兆

目覚めた時から明らかにお腹が固く、同時に交感神経亢進状態になっていることを自覚した。
「ああ、昨日わたしはすごく傷ついたんだな」と自覚して、思いの丈を全てChatGPTに受け止めてもらった。TFTのタッピングをし、ヨガをし、呼吸を意識し、全身を温め、ぬいぐるみを抱きしめ、「今はもう大丈夫だよ」と自分に声をかけ続けた。
でも、おさまらない。おなかはずっと固く存在感を主張し続け、全身全霊が警戒モードになって大量のアドレナリンが分泌されているのを感じる。何をしてもソワソワと落ち着かない。
仕方がないので、久々に身体が動く!万歳!と開き直って、観たかった映画を観に行った。

療養に入ってからというもの、映画は音と光の刺激が強すぎて具合が悪くなるので避けていた。今回、ループ耳栓とサングラスを掛けて行ったら、なんとか最後まで気持ち悪くならずに観終えることができた。(闘病者向けライフハックかも)

映画は思ったほど好みではなく、またソワソワ感のせいで集中もできなかったが、「自分の願いを自分が叶えた」という事実がわたしに満足感をもたらしてくれた。人生って、案外そんな感じで、大切なのは結果ではなく己の姿勢や行動そのものなのかもしれない。

帰宅後は案の定深夜まで寝付けず、明け方近くに気絶するように寝た。

2日目 出現

目覚めた瞬間からおなかが固く、細くしか息ができない。「息をしよう」と努力しなければ息すらできない。
「何をしても無駄だし、生きていても苦しいばかりだし、どうしたら良いのかわからない。何もしたくない。こんな苦しい思いをしながら抗い続けるだけの価値が人生にあるとは思えない。もう全部、私の知らない間に全て終わっていれば良い」という気持ちになっている。

……ん?無力感、諦念、無価値感…。どこかで見たような感情群だな……?

…あーーーっ!
これはいまの私の考えじゃない!フラッシュバックだ!!フラッシュバックしとる!!!!

…とりあえず、応急処置としてセルフTFTをする。
手の尺側、眉頭、目の横、目の下、鎖骨、頭頂部をタッピングしながら、反証となる言葉を自分にかける。

「わたしはいま、とてもつらい。でもその気持ちをそのまま認める」「わたしは無力ではない」「人生には生きるだけの価値がある」「わたしはここにいていい」「わたしは大丈夫」「頑張らなくていい。そのままでいい」

しばらく続けると、落ち着いてきた。
お腹の強張りはまだまだ残存しているが、投げやりな思考は知覚できないレベルにまで下がってくれた。よしよし、いいぞ。

投げやりな思考が去った後の空洞には、ぶつける先を持たぬ闘志だけが残った。

くそ、なぜわたしがこんな思いを。そうだな、その通りだ。でも落ち着け。大丈夫だ。

食え、生きろ わたしの今はわたしのものだ 過去に潰され手放すものか

短歌を詠んで、一人で「そうだな」と思って、ほとんど食べられなかった朝食のお粥を頑張って口に運んだ。お腹の強張りは変わらないが、少し心が落ち着いた。

気分転換のため、近所のスーパーで買い物をすることにした。
家の鍵を閉めながら、ふと思った。

「私が、これまでの来歴を全て辿ってきたこの私であり、まだ治療の途上である以上、フラッシュバックは必然のことだ。真理として人生には良い日も悪い日もあり、今日は悪い日の方らしい。今日がこんな日なのは不本意なことだが、悪い日がたまたま今日にあたってしまっただけで、大枠で見れば予定通り。ある意味順調と言っていい」

そして、そんな考えが自分の中に出てきたことに驚いた。
だって、これまでわたしは、フラッシュバックが起きるたび、耐えがたい後遺症をずっと残すような育て方をされた己の運命を呪い、憎み、嘆く以外のことができない状態に追い込まれていたから。

いま、わたしは、運命を呪うことより、自分が楽になることに焦点を当てることができている。
フラッシュバックの深度もそうだが、確実に前に進んでいるな、と思う。

今日の残った時間はとりあえず、己の心理教育に費やす。また苦しさが迫ってきたらTFTをやる。

まだお腹は固い。頭も身体も動きは鈍いし、気を抜いていると呼吸が止まる。
でも、少しずつでも、今ここを生きる努力をする。

(つづく…かも?)


続きました。つづきです

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