2023年の本ベスト約10冊 国内ミステリ
今年めっちゃ推せる作品たち
外はすっかり真冬の寒さ、いつの間にか年末ですね。今年も一年間たくさんのミステリーを読んできましたが、自分なりのベスト10を選んでみました。
まずは国内ミステリー編です。2023年に発売され、かつ80作以上の読了本から選んでいます。どうも最近刺激がないな~なんてボヤいている方には、超絶おススメの作品たちです。年末年始のお休みにどれか一冊でも手に取ってみてね!
1位 地雷グリコ/青崎有吾
2位 あなたが誰かを殺した/東野圭吾
3位 エレファントヘッド/白井智之
4位 Q/呉勝浩
5位 楽園の犬/岩井圭也
6位 鵼の碑/京極夏彦
7位 上海灯蛾/上田早夕里
8位 十戒/夕木春央
9位 可燃物/米澤穂信
10位 午後のチャイムが鳴るまでは/阿津川辰海
作品たちの紹介と総評
ミステリーランキングの〆月である9月を終えて、今年の1位は『あなたが誰かを殺した』か『エレファントヘッド』の二択かなぁと考えてました。ところが11月に発売された『地雷グリコ』を読んでみると、あまりの出来具合にビックリ。青崎先生の強いところが目一杯でている作品で、まさにこれが読みたかった!といった作品でした。
『地雷グリコ』は知的ゲーム+青春小説。ロジカルさと驚き、そして淡い人間関係が見事に描かれています。キャラ全員が可愛すぎて尊いし、文章やセリフが鬼カッコよく、何度も胸を銃でパキューンと打ち抜かれる感覚。マジでずっと読んでたいわーと思った最高の一冊です。
いまさら東野圭吾先生の作品が2位ですかと思った君!『あなたが誰かを殺した』はここ数年では、トップレベルに面白いですよ。これぞ推理小説だ!といった内容で、初めてミステリーを読んだ時のように、ワクワクドキドキが止まりません。
バケモノ感が満載なのは『エレファントヘッド』。正直、初心者にはおすすめできない。でも今までにない発想と展開に、間違いなく顎が外れます。天才と変態の脳みそを垣間見たい人は必読。
恋愛+犯罪小説の『Q』。ぜったい直木賞だろと思っていましたが、2023年下期の候補になっておらず残念… めっちゃいい話だし、躍動感あふれる終盤はあまりのクールさに惚れる、死ぬまでには読んでほしい名シーンです。
戦争小説は二作品を選出『楽園の犬』『上海灯蛾』。どちらも戦争の不条理さに憤りと切なさで胸がいっぱいになります。いまひとつ話題にならないのですが、文学賞をとってもいいレベルの傑作だと思います。
京極先生の百鬼夜行シリーズ最新作『鵼の碑』もエグかった… もはや怪物レベルの作品で、文学性と芸術性が半端ないミステリーです。簡単には課題提起してくれず、楽しく読むうちに深層にある命題にたどり着く展開は見事。
昨年ミステリー界で話題沸騰だった『方舟』シリーズの最新作『十戒』。ストーリー、謎解き、キャラクター、予想外の展開など、本作はバランスが優れていて個人的には前作よりも圧倒的に好き。
『可燃物』は本年度国内ミステリーランキングで圧巻の成績ですね。シンプルかつ切れ味鋭いミステリーで、無骨で狡猾、冷淡さすら感じる主人公も秀逸なキャラクターでした。
学園ミステリー、漫画から飛び出したようなキャラが楽しい『午後のチャイムが鳴るまでは』。いま一番ノリにノッてる本格ミステリーの阿津川先生、さすがのロジカルさと完成度でした。
2023年の最高傑作たちばかり。やっぱり国内ミステリーはキャラクターの豊富さと謎解きが奥深いですね。人と人の絆も胸アツで大好きです。来年も全力で読書とミステリーを楽しむぞ!
他にもたくさんの作品をレビューしています。お時間があるかたは、ぜひ遊びにきてね。