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【読書日記】圧倒的存在感! 女性が輝く犯罪小説3選 2025/1/12
圧倒的存在感! 女性が輝く犯罪小説3選
今週は新年始まったばかりにも関わらず、重みたっぷりの犯罪小説を楽しんだわたくし。犯罪小説は快楽の渇望、社会や秩序への反逆、圧力からの脱却といったことがテーマになるから、メインキャラクターは男性の場合が多いんですよね。
しかし女性が光り輝いてる犯罪小説もいっぱいあるんですよ! 私が推したいのは以下の三作品です。
プリンシパル/長浦京(ヤクザ親分の娘:綾女)
見た目は絶世の美女、しかしその内面はどんな屈強な男よりもヤクザらしいヤクザ。その魅力はヤクザが嫌いでありながらも、血によって育まれ、楽しみながらも能力を増大させていくところにあるんです。こわっ
業が深く、任侠の道をきっちり通す彼女の姿はまさに暴力の世界のプリンシパル。本物の悪女に出会えます。
黄色い家/川上未映子(主人公 花が出会った女性:黄美子)
誰にでも無償の愛を注ぐ慈愛に満ちていて、まるで聖母マリアのような存在黄美子。彼女の近くにいると、強い引力で離れられなくなってしまう。
黄美子のような人に出会えたら、人生がどれだけ豊かになるだろうか。人との出会いはどんな大金よりも価値があるんです。
Q/呉勝浩(主人公 侑九の姉妹:睦深と亜八)
二人のタイプはまるで違うけれど、どちらも侑九への愛情が本気で、総毛立つほどの純愛を感じさせるんです。
睦深は狡猾で計算高い女性に見えながらも、自らのすべてを犠牲にする覚悟で全身する姿に心を奪われてしまう。一方で亜八はひたすら無骨、こんな女性キャラはみたことがないっ 二人とも超カッコ良かった!
どれも★5レベルの作品ばかりなので、ぜったい読むべし。躍動する彼女たちに注目ですよ!
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新しく出会った本たち
失墜の王国/ジョー・ネスボ(早川書房 2024/12/18 発売)【今週イチ推し!】
深すぎる "愛" と "業" を描く犯罪小説。
雰囲気が漂う田舎町を舞台に、知り合い同士の粘着質な人間関係が描かれる。金、暴力、殺人など、淡々と描かれる犯罪の背景には同情の余地がなく、ただ身勝手な欲望が渦巻いています。
後半、物語が加速する中で兄弟が辿る悲惨な道は胸を締め付け、人間が暮らす環境の影響の大きさを考えさせられる一冊です。
ヴァイパーズ・ドリーム/ジェイク・ラマー(扶桑社ミステリー 2024/11/5 発売)
ハーレムの闇と光を描くピカレスクロマン。
1930〜60年代のニューヨーク、ハーレムを舞台に、都会に出た若者がギャングとして成り上がる犯罪小説。歴史の重みや社会への反抗、欲望が丁寧に描かれています。
ジャズとマリファナに包まれた夜のクラブ、黒人たちの生活と夢がリアルに再現される一方、麻薬の恐怖も鮮烈に描かれています。
告発者/ジョン・グリシャム(新潮文庫 2024/10/29 発売)
判事の不正を調べる調査官が主人公の物語。
派手な展開はないけれど、その地味さが逆にクセになる。上級国民の腐敗やマフィアとの癒着といった社会問題にも深く切り込んでいて、一歩一歩進む姿に、現実のヒーローの姿を感じます。じっくりとした勧善懲悪が好きな方におすすめです!
各作品の詳しいレビュー
各作品の詳しいレビューはブクログで記録しています。お時間があるかたは、ぜひ遊びにきてね。読んでいただき、ありがとうございました。