チャプチェは我が家の常備菜
辛くない韓国家庭料理の代表、チャプチェ。
この10年以上で日本の食卓でもメジャーになっていると思います。我が家は野菜嫌いの息子(現在4歳)が好んで野菜を食べてくれるメニューのひとつなので、ほぼ毎週作っています。
私にとってチャプチェは、正月や誕生日などの特別な時に母が作ってくれた家庭料理。「少し面倒なのよ」と口にしていた母。分かります、結構手がかかるプロセスで作っていたもんね。
この2年ほどで私なりの作り方でブラッシュアップしたので、野菜をたくさん摂取できる「楽ちん」定番メニューとなりました。
炒めないチャプチェ (レシピ)
在日韓国人の母直伝のチャプチェは全て茹でる方法です。にんじんやほうれん草、椎茸や黒キクラゲ、赤黄色のパプリカ。一つ一つを別々で茹でて、炒めたお肉(牛肉や豚肉でも、母はそぼろ式を採用していました)と一緒に大きなボウルで春雨と手で混ぜて和えます。
私もその茹でる方法でやっていましたが、これが割と面倒なんです。具材の分だけボウルを用意、茹でる、味付ける。ほぼ同じ味付けなのでボウルは使い回しができても、茹でるのは別々なので「これは時間かかりすぎて作りたくなくなっちゃうな…」と思い始めていました。
そこで、私のオリジナルとしては
「具材の野菜」
味付けが同じものは同時に茹でて味付け「春雨」
茹でてザルに揚げた直後に塩・ごま油で味付ける(味が染み込む)「お肉」
一定時間漬け込んでおく"味付けダレ"は多めの量にしておく「手順」
最後にお肉を味付けダレごとソテーして
残ったタレは春雨と和える時の味付けにする
で、割と勘違いされる作り方の「炒める」を我が家は採用していません。というのも、炒めると脂っこさが増し子どもにはちょっとキツいかなと感じているからです。
韓国春雨の「タンミョン」は少々太めです。原料がさつまいもが原料で、薬膳的には疲労困憊時のエネルギーチャージに良き食材。
タンミョンはチャプチェ以外では牛骨や牛肉系のスープにも入れます。
「手」で和えることが大事
ナムルもチャプチェも、食材と調味料を「手で和える」工程が大事なことだと思います。
小さい頃、祖母や母がさっと料理をしてナムルや浅漬けキムチなどを手で和える姿をよく見ていました。当時は家庭料理なので調理用手袋は付けておらず、唐辛子でいっぱいに赤く染まる野菜たちや茹でた新鮮な野菜を、直接もみ込んで手を動かしていました。キムチみたいに唐辛子の大量消費メニューだと、「指が痛い」と口にするのは当然で、真っピンクの定番のゴム手袋でキムチ漬けをするのは今でも一般的だと思います。
韓国では「ソンマッ(손맛:手の味)」と言って、
料理で直接食材を手で混ぜ合わせること
=愛情と手に染み込んだ隠し味を入れる、つまりはその家庭の味、おふくろの味、といった表現が存在します。手で調理することで、直接食材に触れた感触や状態、味の染み込み具合が分かることだといいます。正にその通り。手が汚れたくないのでビニール手袋をすること、衛生上の理由でビニール手袋はするものの、直接手で混ぜ合わせることは韓国家庭料理では大事なプロセスになっているのです。私の母も未だにビニール手袋を使うのはキムチ作りくらいで、他は全て手で和えたりしています。
野菜をたくさん摂れるチャプチェ
お分かりのように、チャプチェってナムルと春雨の和え物です。
炒めた牛肉が入りますが、ナムルの味付け「ごま油・塩」をベースに牛肉の漬けダレがいいアクセントになりごはんが進むのは間違いないです。
息子もチャプチェの野菜は嫌がらずに食べてくれます。
野菜の種類だけ茹でる作業はありますが、チャプチェは気軽に作れる韓国家庭料理です。野菜がたくさん摂れるので、きのこメインや季節の旬の野菜を入れてみるのも良いですね。