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[今日の薬膳茶]夏の暑さに蓮の葉茶

徳島へ移住して1年半ほど経ちました。徳島野菜はさつまいもやすだちが有名ですが、もう一つ「れんこん」もあります。そして、梅雨明け前後の6月末から7月初めにかけて咲く蓮の花。
先日、どうしても見たかった古代蓮の花を鳴門市まで見に行ってきました。

▼ 山あいを抜けたところにある島田島。山と海の景色に囲まれてます。

どうしても蓮の花を見たかったんだ

私が住む徳島市でもちらほられんこん畑を目にします。朝早く息子を幼稚園に送って帰る際に見かけたこともある蓮の花。白くて大きな蕾で、それよりも大きな蓮の葉に見劣りしないくらいダイナミックで、それは神々しさまで感じるくらいです。
「別に市内の蓮の花でもいいじゃない」
そう思う人も多いでしょう(事実、主人はどうして??と感じたよう)。
鳴門・島田島の蓮の花は “古代蓮”の「大賀ハス」の品種で、2014年にボランティアの方々が鳴門市の水田に植えたといいます。この大輪の神秘の花をどうしても見たかったのはもちろん、薬膳料理でもお茶や食材として使われる【蓮の実】や【蓮の葉】などが国産・地元産であるのか… そうです!これを確かめたかったのも大事な目的でした。

島田島でも大島田の蓮は数多く咲いていました
(この時点でAM10時過ぎ)

見事な蓮の花

当日の朝は雨模様。行く予定だったのですが、朝食を食べながら「やっぱりやめよう」と決めてました。見頃の時期を考えると、来週にすると七夕過ぎでピークを超えてしまうな…と思っていたところ、晴れ間が見えてきた!主人の「よし、行こう!」の一言で鳴門へ向かいました。

島田小学校横のれんこんハウス前の古代蓮
白い蓮が多く非常に美しかった

最初に立ち寄ったのが、島田小学校横のれんこんハウス前でした。蓮は白いものが多く、山の緑と蓮の葉の緑に囲まれてキラキラ光っているようでした。既に何組かの見学者の方々が来ており、撮影していましたよ。
その後、大島田へ行くべく車で数分進むと、かわいらしいピンク色の花がいくつも見えてきました。れんこん畑には橋が架けられていて、その周りを蓮の花と葉が揺れる光景は圧巻の一言。
「今日来てよかった!」「晴れ間が見えてよかった!」

大島田の【蓮の花】を目の前にした主人と息子
「まむしに注意」看板もありました💦

ここに到着するまで、行きたくない病のようにブツブツ文句を言っていた息子も【蓮の花】を見た途端、切り替えたのか花や葉をたくさんカメラに収めていました。

これが息子のベストショット
実に美しい蓮の花

れんこんハウスへ立ち寄る

大島田の蓮の花を見て、島田小学校横のれんこんハウスへ立ち寄りました。こちらは島田島の古代蓮の運営・管理をされているプロジェクトのスタッフさんがいるようで、観光チラシをいただいたりしました。
図々しくも私は、店頭に目的の品がないのを確かめると
「あの、【蓮の実】は扱ってないんですか?」
「【蓮の葉茶】、あったら欲しいんですけど。徳島市からやって来ました!」とオーナーであられる方に話し掛けていました。
主人と息子をそっちのけで、【蓮の実】はどうしているのか?鳴門の【蓮の葉茶】を手に入れたいと根掘り葉掘り。ご親切なオーナーの方は色々ご説明されたり見せてくださいました。【蓮の花】の横では古代米(黒米・赤米)も作られていましたよ。
色々と親切にご説明してくださったオーナーの方には、改めて心から感謝します。ありがとうございました!

生の【蓮の実】を購入しました!
皮を剥いて実を割ってみると、【蓮の芯(蓮心)】が!

「蓮の葉茶」を飲んでみる

ご自宅用だという蓮の葉茶を図々しくもいただ来ました

私自身、【蓮の実】(乾燥しているもの)は自宅にあったのですが、【蓮の葉茶】は当時所有していませんでした。それを聞いたれんこんハウスのオーナー様が、お裾分けしてくださるとおっしゃってくださり、図々しくもいただいてきてしまいました。
ほんのりとした苦々しさ、青々しさはあっても、甘さも感じられ非常に飲みやすいお茶でした。
生の【蓮の実】には、中に【蓮の芯(蓮心)】が残っていたのでそれを実と一緒にゆがき食してみました。この芯が一番苦いのですが、薬膳的にはこの苦味が「熱を冷ます」作用であり、特に芯は五臓「心」に帰経し「不眠・精神不安の解消」効能があります。

「蓮の葉」の薬膳的効能は?

蓮は花、葉、実(種子)、芯(種子の胚芽)、根っこ(れんこん)など、オールマイティーに利用されるものです。
微妙に帰経する臓器や効能は各々違っているのですが、特に五臓「心」に帰経する【蓮の実】【芯】は夏にダメージを受けやすい「心」の熱を冷ますので、暑くて眠れない、夏バテでつらいと言った時にオススメの生薬でもあります。

【蓮の葉】

別名「荷葉(かよう)」といいます。楊貴妃が体型維持を意識して愛飲していたと言われています。

AM11時近くの古代蓮
多くの蕾も見受けられました
▶︎ 蓮の葉(荷葉)の効能
【五性・五味】平性/苦
【帰経】肝脾胃
【効能】清熱解暑・止血利湿
 ・身体にこもった熱を冷ます
 ・夏バテや熱中症、暑気あたりに◎
 ・利尿作用がありむくみ解消、肥満予防にも
 ・暑さや多湿による消化不良や下痢に◎
 ・鼻血や不正出血の解消
薬膳食典「食物性味表」より

他の、実(種子)、芯(種子の胚芽)、根っこ(れんこん)についても効能をまとめてみました。

【蓮の実】(種子)

▶︎ 蓮の実(別名:蓮子・蓮肉)の効能
【五性・五味】平性/甘渋
【帰経】脾腎心
【効能】健脾止瀉・養心安神・補腎固精
 ・胃腸を元気にして食欲不振の改善
 ・慢性的な下痢や軟便の解消
 ・不眠や動悸、緊張、精神不安を感じる時に◎
 ・滋養強壮、アンチエイジングに
 ・老化や発育・生殖機能ダウンによる漏れ出しを止める
 (遺精・おりもの・不正出血など)
薬膳食典「食物性味表」より

【蓮の芯】(種子の胚芽)

▶︎ 蓮の芯(蓮心)の効能
【五性・五味】寒性/苦
【帰経】心
【効能】清心瀉火・安神
 ・熱を冷ます作用で夏バテや高熱時に有効
 ・暑さによるイライラやストレスの解消
 ・胸のざわつきや不安感、不眠、意識障害に◎
薬膳食典「食物性味表」より

【れんこん】(根っこ)

▶︎ れんこんの効能
【五性・五味】(生)寒性/甘、(熟)平性/甘
【帰経】心脾胃
【効能】
(生)生津止渇・清熱涼血・化瘀
 ・熱による口や喉の乾き、喉の痛みや空咳の解消、潤いチャージ
 ・体内や血液にこもった熱を冷ます
 ・鼻血や不正出血の解消
 ・血の巡りダウン、血液ドロドロに有効
(熟)補五臓・補肝腎
 ・虚弱な胃腸を元気にして消化機能UP
 ・食欲不振やげっぷ、お腹の張りなどを解消
 ・老化による疲労や足腰の冷え、衰えの改善
 ・滋養強壮、アンチエイジングに◎

※れんこんは「生」を加熱すると、効能は「熟」となり五性が変化します
薬膳食典「食物性味表」より
昨年夏に作った【蓮の実】ヨーグルト
ほてりが酷かったので、茹でた実をハチミツとヨーグルトと共に食べました
古代米(赤米)をいただいたので白米・粟と一緒にお粥に
トッピングは【蓮の実】と【蓮の芯】

これからの夏には蓮の葉茶を

れんこんハウスでいただいた古代蓮チラシと蓮の葉茶

"蓮”つながりで、葉だけでなく実や種子の芯、根っこなど混乱してしまいそうですが、【蓮の葉茶】は本格化している夏の暑さケアのお茶としてオススメです。五性も身体を冷やすことも、逆に温める性質でもない(=平性)ので、冷え性の方でも気軽に口にできると考えています。
また、夏にダメージを受ける五臓「心」を考慮して、何だか不安で眠れない…なんて時はどうぞ【蓮の実】や【蓮心(芯)】を思い出してみていただけると嬉しいです。

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