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[春の薬膳]イカとセロリで「肝」にアプローチ

すっかり夏のような暑さだったり、地域によっては突然の雨など季節は流れているというのに、AUREA.ナカタニは春の薬膳noteが更新できず….
今回ご紹介するレシピは、季節「春」だけにフォーカスするだけでなく、「なんとなくこんな症状あるなぁ」といった状態の時に、参考にしていただければ嬉しいです!

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イカ好きなもんで…

ついついイカ🦑をスーパーで選びがちな私は、このレシピを4月初めに作りました。イライラしたいた訳ではないのですが、何となく頭の重だるさやソワソワ落ち着かない日々、そしてAUREA.のことで頭がフル回転状態。
そういう時にはどうしても、そしてなぜか、イカ🦑を食べたくなるんです。
完全に季節柄の五臓「肝」が弱っていました。

▼ホタルイカも大好きなんです。

春にイカを食べる理由 again

ホタルイカnote記事の繰り返しになりますが、春先の「陽」という気が活発になることで五臓「肝」の気が高ぶり安くなってしまうんです。
この「肝」がダメージを受けて出る不調や症状は春先に限らず、1年を通して出ますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです。

かくいう私自身、日々気をつけて意識していても、日々の忙しない状況に流されてしまい気付いたらプチ不調。そんなことの繰り返しです。

春は陰陽五行で言うと「陽」の季節

エネルギーは身体の内側に向かっていた冬から、
春になるとどんどん外側に活発に動き出します。
その活発なエネルギーが「陽」であり、春はその「陽」と関係の深い五臓「肝」とのバランスを上手に維持していくのが大事。

というのも春の「陽」の気によって「肝」の気は高ぶりやすくなります。
それは「肝」の疏泄作用・巡りに影響が出るのです。

春の「肝」の気の高ぶりで、ストレスを感じやすくなり、イライラ、鬱々しやすくなる、ため息が多くなる、喉の詰まり感や脇腹など身体の側面が突っ張る等の症状が現れます。

そして日本の春は新年度の季節。
緊張や落ち着きの無い日々が「肝」の苦手なストレス症状を助長してしまったり、気の巡りの悪さから肩こりや頭痛などの血行不良=血の巡りの悪さ、そして胃腸の消化ダウンにもつながってしまいます。

具体的に「」がダメージを受けたり、バランスを崩したりするとこんな症状が出てきます。

  • イライラする、鬱々する、怒りっぽくなる

  • 身体の重だるさや頭痛、肩こりを感じる、ため息やゲップが多くなる

  • よく眠れない

  • 肌のカサカサ、髪のパサパサ、フラフラして貧血っぽい

  • 目がかすむ、眼精疲労がひどい

  • 脇や身体の側面が張って痛い

  • 爪が割れる

などなど。
様々ありますが、皆さんはどうですか? きっと普段から出ている症状もあるかもしれません。

▶︎「肝」の働きについて

・「気」の巡りを管理する(疏泄作用)
→ 気(自律神経、情緒など)だけでなく、血・津液(体内の血以外の水分)の巡りを整え、巡りは脾胃の消化をサポートする

・血を貯蔵し血流を調節する(蔵血作用)
→ 身体を動かしたり、頭を使う、目を使う、女性は月経時などに作用します

・精神安定を担う
→ 👆の疏泄作用同様、自律神経と関わりが深く、肝のダメージがあるとストレスを受け止めきれず、イライラやソワソワ落ち着かない、眠れないなどにつながります

・目、筋、爪とつながっている
→ 👆の蔵血作用と関係もしますが、十分な血や栄養があって正常に働きます
→ 筋は手足の痺れや痙攣、足がつる等の症状

・五志「怒」と関係する
→ 👆の疏泄作用のダメージで、怒りっぽい、イライラ、せっかち、短気になりやすい

・デトックス(解毒)
→ 老廃物や体内に不要なものを排出する 特に春は、冬に溜め込んだエネルギーや不要物を追い出すことが大事 (苦味が効果あり:春野菜の苦味は正にデトックスのためなんですね)

イカの薬膳的効能は? again

イカは春にダメージを受けやすい五臓「肝」に帰経しますが、もう一つあります。それは人の成長・発育・生殖機能を主る五臓「腎」です。加齢によるほてりや疲労感などの更年期症状、寝汗や目のかすみ、足腰のダルさなどの原因といった身体の「潤い不足」をケアできます。
「血」を補い「潤い」も補う。私自身は、特に体内がカラカラっでほてりを強く感じる時、そして髪の毛がパサつく乾燥状態の時に、イカを手に取ることが多いです。

▶︎イカの効能
【五性・五味】平性/鹹味
【帰経】肝腎
【効能】補血 滋陰 調経
・血を補うので貧血や生理不順など女性系のトラブル全般に◎
・めまいやほてり、カサカサ肌や目の疲れなどの潤い不足に◎
・動悸や精神不安、不眠の解消
・イカに多く含まれているタウリンは肝機能を改善し、疲労回復や高血圧予防、コレステロール改善の効果も

薬膳食典「食物性味表」より

イカとセロリの組み合わせ(レシピ)

「肝」にアプローチしてイカ🦑だけでなく、春先のベストな組み合わせとしてセロリを使ってマリネを作ってみました。
その当時、たまたま瀬戸内産のレモンを手に入れたので、皮をおろして黄色のビジュアルと柑橘系の香りをプラス!

イカはボイルし、たまたまあった辛味の少ない紫大根もプラス

▶︎ イカ・セロリ・大根のレモンマスタードマリネ(2〜3人分)

【用意するもの】
・イカ 1杯(ワタや軟骨を引き抜いた下処理済み)
・セロリ 1本(葉の部分は使いません)
(・大根 100gほど:無くてもOK/水っぽくなるかもしれません) 
・レモン 1/2個(皮も使うので無農薬がベスト)
・(A)オリーブオイル 大さじ2
・(A)レモン汁 大1
・(A)砂糖 小1.5(お好みではちみつでも可)
・(A)白バルサミコ酢 大1(無ければ白ワインビネガーやお酢でも可)
・(A)塩・コショウ 少々(塩は多めが良きかも)
・(A)粒マスタード 小1
※(A):マリネ液はお好みや家族により増減してください

【作り方】
1 下処理済みのイカを1センチ幅に切り、1〜2分ほど茹で冷水に浸ける
(皮はむかなくてもOK/ゲソは食べやすく1本ずつにカット)

2 セロリは筋をとり(私はピーラーでやります)、斜めに薄切りにする
(大根は無くてもOKですが、使う場合は薄い銀杏切り、又は千切りが◎)

3 (A)のマリネ液を合わせておく

4 大きめのボウルに冷めた1と2、3のマリネ液(A)を
入れて合わせる

5 冷蔵庫で30分以上寝かす
その後、器に盛りつけ、皮をおろしたレモンを振り出来上がり

セロリやレモンの薬膳的効能は?

気の巡りや「肝」ケアでセロリを使用、そして柑橘系の香りの良さを利用して巡りUPにフォーカスしました。

▶︎セロリの効能
【五性・五味】涼性/甘苦
【帰経】肝肺膀胱
【効能】平肝 清熱 袪湿 通淋 袪風 解毒
【適応】肝鬱気滞証(イライラや鬱々、怒りっぽい、ため息、脇腹など身体の側面が突っ張るなど)、めまい、目の充血、尿が出にくいトラブル、喉の詰まり感(梅核気)

「薬膳食典 食物性味表」より

▶︎レモンの効能
【五性・五味】平性/酸
【帰経】肺胃
【効能】生津 止渇 清熱 解暑 安胎 化痰 ※皮は理気
【適応】暑気あたり、口の乾き、食欲不振、疲労、つわり

「薬膳食典 食物性味表」より

マリネなので冷菜であり、またセロリは涼性のため、お腹が冷えていたり、冷え性タイプの方には残念ながらオススメできませんが、忙しくて気が上がっている感やイライラしたり、怒りっぽい状態を感じた時は食べていいサインだと思います。(その時は多食せずに)
特にレモンは、これからの暑い季節に良い「渇きを解消」する食材で、”熱を冷まし渇きを止める、そして潤いを生み出す”効能があります。また、つわりの解消や皮の理気作用(気の巡りを改善)などもあり多様なので、上手に選んで使っていきたいですね。

仕事や育児、家事などで日々忙しない時間ばかりですと、自分のことは後回しになりがち。ちょっとしたサインが症状や身体に出たら、そのサインを逃さずにその時の自分自身に向き合いながら食材をセレクトしていただきたいです。そんな時にAUREA.のレシピやイカなどを思い出してくだされば何より嬉しいです!

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