[デイリー薬膳]金針菜のきんぴら/鉄分チャージがスゴイ
「口の中が苦い」こんな経験、皆さんはありますか?
私はこの春先から口の中の苦味を感じ続ける日々で、無くなってはまた苦いの繰り返しです。
春の季節と更年期の症状が重なり、五臓「肝」の気の高ぶりでイライラやほてりが止まらない。トマト系の食事にしたり工夫をしても、春特有の忙しない落ち着かない時期は効果のせいか少なめ。その影響でなかなか眠れない日もあり、「さてどうしよう….」となった日に、パントリーに眠っていた金針菜を見つけました。
気の高ぶりを鎮めるトマト甘酒の記事はこちら☝︎
金針菜って何?
この金針菜って漢字、読めますか?「きんしんさい」って読みます。
中華食材のお店にはありますが、中々身近な食材ではないかもしれません。私も薬膳料理を学んで初めて知ったくらい。
金針菜はユリ科のカンゾウというお花の蕾です。私はいつも乾物として購入しています。多少独特な香りがあり、シャキシャキとした歯応えが少々、味にクセは無く食べやすい食材です。
「お花の蕾も食べるの?」なんて最初は思いがちでしたが、私にとって明らかに効果が出た薬膳食材の1つはこの金針菜。
当時の薬膳料理の先生も「女性の血の足りない部分やイライラ、眠れない時にはこれね」と太鼓判を押されてました。この太鼓判、私は自分の身体で実感してます。
このところ、春の時期的なものと私の更年期不調のダブルパンチでフラフラだった私は棗(なつめ)茶と合わせて金針菜のきんぴらを作りました。
寝付きが悪い、眠りが浅いとで睡眠の質は到底良くない私は朝から作った金針菜のきんぴらやスープで午後には久々に眠気に襲われ、夜はぐっすり眠れました。これ、ビックリです。
ちなみに、「口の苦さ」は体内の余分な水分が熱化した「湿熱」からだと弁証しました。金針菜は、体内の余分な熱を冷まし湿(水分)を取り除く作用もあり、この時の状態には最適でした。
(なつめは温性なため、摂りすぎないよう、湿が溜まりすぎないよう注意しました)
棗(なつめ)についてはこちら↓ご覧ください
定番!金針菜のきんぴら
この日はたまたま生の黒キクラゲがあったので、旬のスナップえんどうもあわせてきんぴらにしました。
生の黒キクラゲは徳島でよく見かけます。乾物よりもかなり大ぶりで食べ応えもバツグン。
こちらも血不足のフラフラや慢性疲労でエネルギー不足には最適な食材。金針菜といつも合わせる定番食材です。
旬のスナップえんどうはカットしても良き、閉じた蓋を開けるように割ってみても良きです。こちらはむくみ解消や疲労時のエネルギー補給に◎です。
あとは、いつものきんぴらのように炒めるだけ。
金針菜と黒キクラゲをごま油でさっと炒めてから、調味料の砂糖・みりん・醤油を入れて汁気か少なくなるまで炒めます。スナップえんどうは最後に絡めるくらいでOK。白ゴマをふって、はい!できあがりです。
金針菜の薬膳的効能は?
金針菜は、年齢や環境の変化で不調が生じやすい女性にオススメしたい食材です。
独特の香りが少し苦手という方もいるかもしれませんが、我が家ではお肉と一緒にすき焼き風にしたりスープにしたり醤油ベースレシピに合わせてます。食べやすくなりますよ。
産後のママたちに届けたい
自分のことばかりになってしまうけど、超高齢出産の末、ようやくやってきた赤ちゃん(息子)を目の前にして、親にも頼れず家のこともやりながらの育児だった私に本当に伝えたい。
「産後はなつめと金針菜だよ」
全く余裕のないかーちゃんだった私。40代の出産とはいえ、身体は大交通事故と同じ状態です。気力も体力も体内の血液や水分も放出しきったカラカラの人間でした。
どうして親に甘えられなかったんだろう(実家は自営業)、もっとたくさん頼ればよかったのかな(義理実家…小さな子どももいて仕事をされている義理両親に何と言えばよかったのだろう)、あの時こうしていればよかったかな、と今でも当時の私自身にたくさんの想いを馳せてしまいます。
友人たちに気軽に会う余裕はなかったけど、たまに遊びに来てくれる先輩ママや友人たちが「何も準備しないでよ!」「何か食べるの買っていくから」「そろそろ(生後3ヶ月が経ち)遊びに行ってもいい?」とたくさん気を遣ってくれたのを今でも思い出します。
余裕がなくなる産後のママ、誰かに頼ることなく頑張っている産後のママ、授乳と睡眠不足で常に貧血状態のママ、今まで気にならなかったパパの言動にイライラいする産後のママ。
これ全部、私でした。
AUREA.は産後薬膳レッスンを通じて、産後のママたちをサポートすることを視野に入れてます。AUREA.を通じて「金針菜」を多くの方に知ってもらいたい、そうつくづく思うのでした。