仙代表

自由な元銀行屋。1982年生まれ。 メガバンク⇒プライベートバンク⇒独立。 財産コンサル業と業務委託IFA。 金融機関の提案の話が主です。 料金設定しているものもありますが全文無料で読めます。

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銀行リテールの未来を語る②

 未来を語る上で、過去から今までのリテールの流れも見ていきたいと思います。そこで、あるリテールバンカーの一生を聞いていただけますでしょうか。  まあ、私の話なんですけど。  私はリーマンショック前にメガバンクのリテール総合職として採用され、以来リテールの支店を転々とし、一貫して個人富裕層を担当してきました。 個人富裕層とは、地主、開業医、(元)中小企業オーナー、上場企業の退職者などです。一般事業法人は造園業者や工務店など小規模の法人しか担当の経験はありませんが、資産管理会社

    • 誠実の代償

      「全国500店舗で調査して、2店舗だけだよ。君の店の中でやってたのが君だけ。なんでこんなことをした?」 次長は恐ろしく冷たいトーンで問いかけてきた。 言いたいことは山ほどあったが、私は「申し訳ありません」と答えるしかなかった。 NISAには苦い思い出がある。 儲けたとか損したとかそういう次元の話ではない。日本でNISAが始まったころ、銀行で業務推進する商材の一つとして、NISA口座の開設の件数を積み上げていた。 担い手によっては親兄弟、果ては美容室の美容師さん、居酒屋の

      • 自由への招待

         1年がかりの提案を断られた。 それもこちらが提案したスキームでメインバンクと条件競争し、敗れる形で。 担当者として目標も貼られている中で、案件失注は残念だ。せっかく頑張ったのに、自分のアイディアなのに、という気持ちが湧き上がっても来る。ついでに目標達成も黄信号だ。  だが構わない。  最初から 「ウチは借入は今までずっとM銀行に面倒見てもらってきている。相談しないわけにはいかない。ただ、お宅の条件が上回れば、お宅と取引する言い訳になる。それでも良ければ、提案して欲

        • 逃げれば一つ、進めば二つ。

           過去に戻れない以上「あの時ああしていれば…」などと、くよくようじうじと引きずるのは時間の無駄…と思う。思いはするものの、そう簡単に割り切れもしないような出来事は、生きていれば誰だって経験しているのじゃないかと思う。だって人間だもの。  私は銀行員だった。既に退職して別の事業に従事しているが、未だに時々、私の心に刺さった棘のように、ズキズキと思い出される嫌な出来事がある。‘’人事が全て‘’の銀行において、私が人事に関心を無くした出来事が。  私が銀行に入ったのは単純に仕事が

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        銀行リテールの未来を語る②

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        • キャリア
          3本
        • 疲れた時に読む話
          7本
        • リテール営業ノウハウ
          15本
        • 相続・贈与関係
          2本

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          金融リテール営業と遺言

           全文にわたって、私見を述べます。    先般、久々に公証役場で公正証書遺言作成の立ち合いをしてきました。 遺言は一般的に「ゆいごん」と読みますが、法律用語では「いごん」と読みます。公証人はじめ法律家の皆さまとやり取りしていますと「いごん」という言葉が飛び交うわけですが、お客さまと話をする時には「ゆいごん」と言ったりします。  どちらも読み方は合っているわけですが、お客さまが「ゆいごん」と言っているのに「いごん」と言い直すことも無かろう、と思うわけです。 アイスブレイク的にど

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          金融リテール営業と遺言

          海外不動産投資tips

           確定申告時期は税理士さんとのコミュニケーションが多くなります(残念ながら私の納税の話じゃないんですが(;´・ω・))。 今年聞いた話の中でインパクトがあった話は、個人の海外不動産購入の話でした。 --------------------------------------------------------------------------------------  「いやー、私の顧問先のお客さまで、買っちゃった人いましてね。利回りもあんまり高くなくて。」  へーそう

          海外不動産投資tips

          税制改正で変わる贈与(影響・対策編)

           税制改正で変わる贈与について、制度・背景については前半で述べました(下記リンクご参照)ので、後半は影響と対策について考えていきたいと思います。前回同様、税に関する相談は必ず税理士に、また本稿の中では生命保険についても触れていますが、保険は保険会社の方に、相談いただくようお願いいたします。 どんな人が影響を受けるのか  税制改正があって困る人はどんな人でしょうか? 誰に影響があるのか?というと、当然ながら今現在贈与している人、これから贈与する人全員であるわけなのですが…

          税制改正で変わる贈与(影響・対策編)

          【魂の叫び】昇格遅れたってどうってこと無え!!

           桜の開花も間近になってきましたね。もう3月ですから。 3月といえば、この時期に人事異動がある企業も多いのではないでしょうか?  つい先日です。銀行勤務時代の後輩から「昇格しました!!」とのLINEが届きました。一斉昇格から3年遅れ。在職中に、本人もかなり悩んでいたようでした(その割に一向に資格取ろうとかしてませんでしたけど)。 とにかく、おめでとうという気持ち以外ありません。  その一方で、一昨日の話です。私の質問箱にある質問が寄せられました。 「現役行員(※)です。昇格

          【魂の叫び】昇格遅れたってどうってこと無え!!

          税制改正で変わる贈与(制度・背景編)

           初めに、本稿では一般論として税制改正についての見解を述べさせていただきますが、税に関することは税理士さんに相談されてください。よろしくお願いいたします。    さて、昨年12月に与党の税制改正大綱が発表されました。様々な税理士事務所がすでにポイントのまとめをしていますが、財務省もまたポイントをまとめたものがありますので、紹介しておきます。こういうのはまず大本営発表を見て、分からなければ解説を見ればよいと思います。リンク先をご参照ください。 ※以下、添付される図はこのポイン

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          世界を救った話

          信じてもらえないかもしれないが、僕は世界を救った。 日夜世界の平和に貢献すべく奮闘し続けている話。 特定の宗教・政治団体とは一切関係ありません。 芋けんぴを買って帰ったところ 今日はいつになく電車が揺れ、眼の前のお姉様がバランスを崩し、ほぼ全体重を芋けんぴが受けることになった。 お姉様は助かった。 芋けんぴは破壊された。 今日も世界平和に貢献出来て嬉しい🥺 — 仙代表/

          世界を救った話

          固唾を飲んで見守る犬

          固唾を飲んで見守る犬だけを並べたnote。 いただいたサポートはこの子のおやつ代になっています。 ありがとうございますm(_ _)m

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          個人のお客さまの相談対応の考え方

           お世話になっております。 長らく機能が停止していた私の質問箱に、「資産額いくらから相談できるのか?」との質問が寄せられました。質問いただくこと自体が有難いのですが、相談となると更に「おおっ!!」という感じになります。  しかしながら、誰とも分からない人にDMするのも気が引けるでしょうし、大変失礼ながら…実は私も、誰とも分からない方からご相談承るのも、ちょっと怖かったりします。  ですので、通常こんな感じで考えていきますよ、というのを見ていただき、もしご関心があれば、DMなり

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          個人のお客さまの相談対応の考え方

          銀行リテールの未来を語る③

           仙です。お世話になっております。 前回私のリテール営業としての魂のnoteを、非常に多くの方に読んでいただきました。御礼申し上げます。  さて、リテールの展望編です。 リテール営業の皆さんが今後どういうキャリアを歩んでいかれるか。私はデジタルに行かないならば、手に職をつけていくことが生き残りの道だと思っていますので、手に職をつけていきたい方向けにお話ししていきたいと思います。  基本的には少子高齢化なので、日本国内のマーケットは先細りですから、それは踏まえておいた方が良い

          銀行リテールの未来を語る③

          託すという欺瞞

           個体差はあるものの、人間である限りはいつかは死ぬ。納得感の有無に関わらず、避けられない事実として。  リテール営業は人の死と向かい合わされることとセットです。こと日本においてはご高齢の方が資産を多く抱えていますから、金融資産運用であっても不動産ビジネスであっても、生命保険はまさにそれ自体がビジネスのキモになるわけですが、相続を無視しては大きな話が進んでいきません。  故に、まずは資産承継の筋道を立て、そうすると余裕資金がある程度わかりますから、それを元にどの程度リスクを負っ

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          銀行リテールの未来を語る

          仙です。お世話になっております。 近年、リテール営業を取り巻く環境は大きく変わってますよね。 銀行の店舗の統廃合は進んでおり、まだまだ減っていく予定です。ポジションも勤務地も少なくなっていますが、一段と減っていくわけですね。 例えばA支店にB支店とC支店が統合されたとします。3つの支店が1つの支店に集約されると、支店長は3人も要らないので2人支店長がいなくなります。 課長はというと、例えば1課がプロパーのA支店の課。2課がB支店、3課がC支店…という形で、ライン(課)を増や

          銀行リテールの未来を語る

          金融個人営業の案件の作り方②

           お世話になっております。仙です。財産コンサルティングをやっています…というのが長ったらしいので、FP兼IFAと名乗ることにしました。 結局、銀行勤務時代にお客様に評価されていたのはアドバイザーとしての役割だったようで、銀行を辞めても同じことをしています。『金融資産を管理して欲しい』などの需要に応える為に、業務委託IFAにもなりました。そうしないとお金預かれませんからね。  さて、金融個人営業の案件の作り方②です。前回は顧客にもステークホルダーがおり、各ステークホルダーは役

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