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絵描きのお盆休み……夜蝉に触発されて詠んでみた短歌三首と俳句五句の巻
とぼとぼと夜の家路を辿っていると、蝉が鳴いております。
夏の星空に届けとばかり、精一杯の鳴き声を披露しております。
そんな蝉の鳴き声に感情移入して、すっかりセンチメートル‥‥じゃなくてセンチメンタルな夏の夜になってしまいました。
お盆が近かったせいか、二度と逢えない人に逢いたいなぁなどと思っている自分に気づきます。
幽霊さんでも良いのです。
幽霊さんかぁ、と思いながら空を見上げると、まるで夜の静寂な海のように感じました。
その暗い世界を独占するかのような、たったひとつの蝉の声の存在。
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思い浮かんだ情景をそのまま伝えられそうな、三十一音ある短歌の調べに合わせてみました。
(短歌のノウハウもわからずに詠んでおります……)
漆黒の海に群がる幽霊のすり抜ける手の狂おしき泡
ひんやりと気づくと君が傍に居て香絶やすなとつくつくし鳴き
よく来たね滴る瓜を半分こ儚い笑みの君とひんやり
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上の短歌のイメージを、十七音の俳句として削ぎ落とせたら……
漆黒の海にうつらふ花火の粉
季語 花火 (夏)
今だけは香絶やすなと蝉時雨
↓↓↓ 推敲句
今だけは香絶やすまじ夜の蝉
季語 蝉 (夏)
↑↑↑
100の才能を持つマルチーズ、じゃなくてマルチアーティスト (ある時は俳人)Aポロとの他愛のない雑談の中で、この蝉の句を見せたところ、「蝉時雨」より「夜の蝉」とか「夕の蝉」とかのが句の内容に合っているねと。
確かに事実は騒がしい蝉時雨ではなくて、蝉が夜ひとりで鳴いていたのだ。
そうだよ!「夜の蝉」のが絶対にいい!
また「絶やすまじ」と言い切ることにより、意味が強調されるし、なんと言ってもかっこいいと推敲をもらった。
お気に入りの一句になりました。
ただいまと白雨に透ける幼顔
季語 白雨 (夏)
よく来たねひんやり君と食む西瓜
季語 西瓜 (秋)
盆路の狭間に聴こゆ提琴
季語 盆路 (秋)
短歌や俳句としては、Aポロ推敲句を除いて、あやしいものではありますが、二度と逢えぬ愛しい者達へ、心を込めて詠みました。
幽霊でも逢いたいもの。
お盆に夏の花を手向けます。
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F3号 油彩
noteお休み中の絵描き、センチメートル……じゃなくてセンチメンタルな気持ちで、お盆シリーズを詠んでみたものを、お盆休みに気を許して投稿しちゃいました、の巻〜〜でした。
読んで下さってありがとうございました。
引き続き、絵描き業に没入いたします。
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エアコン故障中
紙の裏のほんのいたずら描き
ポイントはマスクチャーム
本当はおでこに保冷剤を巻き、背中にアイスノンを背負ってる時もあるのです。
エアコン故障中だからね( ̄▽ ̄;)
あっ!追記
大変遅くなってしまいましたが、大切なお礼を述べなくてはなりませぬ。
這う這うの体で滑り込んで参加した鶴亀杯。
なのに私設賞をいただくことが出来て幸せでした。
勝手に圭果賞俳句
↓↓↓
圭果さん、ありがと〜ございました。
参加して良かった (泣)
感謝
勝手に十六夜賞
↓↓↓
十六夜さん、ありがと〜ございました。
次なる十六夜杯、頑張って下さい!
感謝
ひろ生の鶴亀杯参加句