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絵描きの万愚節2024「Elle est ici !」
四月一日は母が星になった日なのです
母の顔鏡の中に万愚節
花冷えや祈り届かぬ爪白し
鏡に映るたび、どきっとする
年々母にそっくりになっていく
この変化は止められない
毎年嫌でも止まった母の歳に近づいていく
戸惑いは隠せない
逆境の中、生まれてきたわたしの息子を誰よりも祝福してくれた母
息子を抱きしめられたのは、ほんの1年
ついに病に負けて儚くなった母
全くまだ若かった
あの日のことは鮮明に憶えている
全ての台詞も表情も服装さえもぜーんぶ憶えている
エイプリル・フール! 悪い冗談だ!って
いつ頃からか、「おかあさん行ってきます」「おかあさんただいま」と声に出して言っていた
今では、数年前に星になった「おとうさん」が加わり
県外の離れた大学生活を元気に送ってるはずの息子が加わり
家族みたいにかつて好きだった人が加わり
星になったかつて恋人だった人が加わり……
う〜む、実に五人の名前を宙に向かって一日二回呼んでいるのか……こわいな笑
毎日この人たちに「行ってきます」「ただいま」を言うのが当たり前になっている
そこには、この世もあの世も、いるもいないも関係なくて、大切な無償の家族みたいな括りがあるだけ
簡単に言えば、リアルに気軽に言える人がいなくなっちゃって寂しいのかもね笑
四月一日、わたぬき……気持ちも衣替えして、新しい絵画制作に本腰入れて取り掛かろうと思う。
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「Elle est ici !」
彼女はここに居ます!
母はショートボブで
陽にあたってはいけない病だったので
いつも帽子を目深に被っていたのでした
(まるで今のわたし笑)
四月一日の過去記事です
スキスキ♡ありがとうございます♡
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