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社員のエンゲージメントを上げる特効薬はワンオンワンしかない
2019年7月末に米国コロラド州デンバーでエンゲージメントをテーマにしたHCIのカンファレンスに参加しました。
最終日にThe Marcus Buckingham CompanyのVPであるAmy Lescheke-Kahleさんが基調講演を行い、彼女の長年にわたる人事の経験に基づき、更にデータを使い、彼女自身の結論を語りました。
「エンゲージメントの数字を上げるのは上司からの「attention」以外は効果がない」と言い切るのです。
「Attention」という言葉を和訳すると、この場合「気配り」という言葉が一番ニュアンス的に近いでしょう。上司が部下と定期的にワン・オン・ワン・ミーティングをすることだけがエンゲージメントの数値を上げる、と彼女は言い切ったのです。うーん、面白い。「色々やったけど結局エンゲージメントを上げるのはワン・オン・ワンをきちんとやること。」
このチャート見て、「私も色々人事で対策を打ってきたなぁ」と思う方も多いでしょう。Amyさんは言いました。「私も全部やりましたよ、これ。この表でBINGOになる方も一杯いますよね(笑)。でもエンゲージメントの数値は上がらなかったですよね。」とのことです。参加者は皆首を縦に振ってうなずいていました。
ワン・オン・ワンの頻度はエンゲージメントに直接インパクト
グラフ:ワン・オン・ワンを実施している頻度によってどれほどエンゲージメントが変わるか
Amyさんは自社でワン・オン・ワンを実施している頻度によってどれほどエンゲージメントが変わるかをグラフで説明してくれました。
High Attentionは週一のワン・オン・ワンを行った場合、Mediumは二週間に一度、Lowは月に一度。それぞれのエンゲージメントを測って比べてみると、ワン・オン・ワンの頻度だけでこれだけエンゲージメントが変わるのです。
これは衝撃的でした。上司が部下の話をちゃんとワン・オン・ワンで聞いてあげることがこれほどエンゲージメントに直結しているとは私も正直ビックリです。
エンゲージメントの数値に効果の無いプログラムの共通点
今までエンゲージメントを計り、対策を打ってきたのに何故エンゲージメントの数値が上がらないのでしょうか。効果の無い対策の共通点は社員一人一人への「attention」、即ち気配りが足りないからです。
年に数回アンケートを取り、データを集計し、対策を打っても個人にはなかなか響きません。結果的にエンゲージメントの数値は上がらないのです。ワン・オン・ワンは社員一人一人に気を配り、向き合う時間です。だから効果が出るのです。
94%の人が「やる気の無い」日本。皆さん、ワン・オン・ワンは必須です。
私は現在Attunedで最も効果的なワン・オン・ワンが出来るように今まで無かった社員一人一人のモチベーションに関するデータを「見える化」しています。上司が部下とワン・オン・ワンで時間を取り、更に一人一人のモチベーションに合った接し方が出来ると最高のワン・オン・ワンができます。
2017年に発表されたGallup社のデータによると日本の94%の社員が「やる気が無い」という悲しい結果が出ています。既にワン・オン・ワンを始めている日本の会社も最近少し増えてきましたが、どの会社も必ずやるべきだと今回のカンファレンスを通して確信しました。
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