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『コト消費』経済の本質は『時間』の争奪戦

 日経電子版の記事【〈ヒットのクスリ〉「番外編」ドラマ・マンガで
コンテンツ膨張 余暇争奪】は、興味深い事例を取り上げて『コト消費』の本質に気付かせてくれる、とても示唆に富んだリポートだと思いました。



 記事を読んで改めて考えると、『モノ』を売ってしまえば、後はユーザーが使おうが、しまいっ放しにしようが、ユーザーの使用時間は関係ない『モノ消費』と違って、『コト消費』は、ユーザーの使用時間そのものが売上に直結する、というのが本質だと捉えられそうです。その意味で――

 『コト消費』ビジネスは、『時間』の争奪戦である。

――と言えます。



 だとすれば、どうやってユーザーの時間を争奪すればいいのか、どうやってユーザーに時間を使ってもらえるようにすればいいのでしょうか?――この問いをユーザーの立場に置き換えてみると――

 ユーザーは、『効率的』に『高品質(=刺さる)』な時間を過ごしたい。

――となりそうです。



 つまり、ユーザーの立場に立って考えると、ユーザーは、心に刺さる体験には時間を惜しまないのは当然として、そのような『高品質』な時間を効率的に体験したいのだと考えられます。

 記事などから、その為の施策の例を挙げてみると――

▶ユーザーの求める『コト消費』の例

(1)『スピンオフ・コンテンツ(同時放映型)』・・・ドラマなどの
  本編と同時進行でスピンオフ(番外編)も流すことで、ドラマの
  広がり・深さを紡ぎ出し、ドラマ視聴の体験価値を高め、コアファン
  を獲得する。

(2)『スピンオフ・コンテンツ(往年のヒット作型)』・・・情報過多の
  時代に、ユーザーの心にすんなり入っていける往年のヒット作で、
  スピンオフを制作する。脇役・敵役を主人公にする事で新鮮さが出る。

(3)『時短』・・・その体験をするための操作・手続き・準備・アクセス
  などが効率的なシステムになっており、時短が実現して、体験そのもの
  に時間をかけられる。

(4)『時産』・・・特定の作業を人や機械に任せてしまい(=アウト
  ソーシング)、その分の時間を丸ごと自由に過ごす。



 第4次産業革命の時代の企業が『コト消費』ビジネスを勝ち抜くには、『スピンオフ』や『時産』など、様々な斬新な施策で、コンテンツの品質と効率を追求していく必要がありそうです。


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