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2024年10月の記事一覧
「ぼくとパパ、約束の終末」
映画『ぼくとパパ、約束の週末』 https://bokupapa-movie.com/ 100人に一人が自閉症とのこと。 作品最後のクレジットで知った。 映画でも自閉症を題材にした作品は多いように感じていた。 僕が試写する映画が年間200本弱だから その1%である2作品ぐらいあっても、と思ったら 実際2~3作はある。 今月最初に紹介した「青いライオン」もそうだったし。 もちろん、こうした%と作品化する題材の%を比較するのも意味ないかなとは思う。 ただ、「そおかぁ、思いのほか多くの人がいるんだな」と改めて自覚した。 それはそれとして本作。 自閉症の息子を持った父親が 息子のために国中(ドイツ)のサッカーチームの試合を直にすべて見て 彼のお気に入りのチームを決めていく という事実をもとにした物語。 ストーリーはこの一点での展開なので少々単調感はある。 しかも、サッカーは全く部外漢の僕としては そのチームがどれだけ凄い?すごくない?が全く分からないので。。。 ただ、自閉症の一つの特徴として ある一点にこだわる、それも尋常ではないこだわりを持つことが多いという。 作品内では 彼と家族との間で数々のルール(こだわり)が取り決められる。 肉を食べるのは週に二回、食べ物は破棄しない、飛行機には乗らない、等々。 そしてその多くが所謂SDGSに則していることが多い。 もちろん全くそうでないことも多いが。 実際、自閉症だからの色々なこだわりやルールに 周りを巻き込むその姿は、見ている僕としては「めんどくさいなぁ」と思ったのも事実だ。 が そして僕は思った。 この姿ってどこかで見たことある??? そうだ!あのスウェーデンの環境活動家 グレタ・トゥーンベリ。 彼女もアスペルガーであることを公言している。 彼女の発言と本作主人公の発言は重なるところが本当に多い。 偶然なのだろうか? 本国ドイツでは100万人を動員した大ヒット作とのことだ。 僕としては「感動の作品」とシンプルに流してしまうのか、 いまひとつ考えてしまう。 そして一つ。 この難しい自閉症の少年役をこなした セシリオ・アンドレセン 探しても資料が無くて全く不明だが その演技力は 凄い。いったいどういう子なんだろう。 2024年11月15日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した作品: 「新居浜ひかり物語 青いライオン」 映画 新居浜ひかり物語「青いライオン」|RSK山陽放送 岡山・香川 https://www.rsk.co.jp/cinema/ 2024年11月から 順次公開 「ノーヴィス」 「THE NOVICE ノーヴィス」公式サイト https://www.novice-movie.com/ 2024年11月8日 公開 「ロボット・ドリームス」 映画『ロボット・ドリームズ』オフィシャルサイト https://klockworx-v.com/robotdreams/ 2024年11月8日 公開 「ベルナデット 最強のファーストレディ」 映画『ベルナデット 最強のファーストレディ』公式サイト https://bernadette-movie.com/ 2024年11月8日 公開 「イル・ポスティーノ/4K」 映画『イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版』公式サイトhttps://ilpostino4k.jp/ 2024年11月8日 公開 「カーリングの神様」 映画『カーリングの神様』オフィシャルサイト https://curlingnokamisama.com/ 2024年11月8日 公開 「ネネ-エトワールに憧れて-」 映画「ネネ -エトワールに憧れて-」公式 https://neneh-cinema.com/ 2024年11月8日 公開 「ぼくとパパ、約束の終末」 映画『ぼくとパパ、約束の週末』 https://bokupapa-movie.com/ 2024年11月15日 公開 「カッティ 刃物と水道管」 映画『カッティ 刃物と水道管』公式サイト https://spaceboxjapan.jp/kaththi/ 2024年11月1日 公開 「チネチッタで会いましょう」 『チネチッタで会いましょう』公式 https://child-film.com/cinecitta/ 2024年11月22日 公開 「アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師」 『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』公式サイト https://angrysquad.jp/ 2024年11月22日 公開 「コール・ミー・ダンサー」 映画『コール・ミー・ダンサー』公式サイト https://callmedancer-movie.com/ 2024年11月29日 公開 「山逢いのホテルで」 映画『山逢いのホテルで』公式サイト https://mimosafilms.com/letmego/ 2024年11月29日 公開 「ココでのはなし」 映画「ココでのはなし」公式HP https://www.cocohana-film.com/ 2024年11月8日 公開
「ココでのはなし」
映画「ココでのはなし」公式HP https://www.cocohana-film.com/ 若い監督の映像作品としてよく見られるストーリ【だが】。。。 本作も 心癒される場に集う若者達を淡々と描く作品、 では何故こうした作品が多いんだろう。 東京の下町にある古い民家を改装したゲストハウス。 そこに一人だけ年老いた吉行和子と若者たちが行き交うゲストハウスでの 観る側にほんのりとした時間を提供してくれる静かな作品。 それだけ、とも言えなくはないが ただし何とも心静まることも確か。 配役としては 吉行和子が良いキーになっているし主演の山本奈衣瑠は演じている。 他の出演者は演じているというよりほぼ素の状態のようで、これも狙ったの事か。 だいたい先の二人以外僕は全く初めての顔ぶれだった(単に僕の邦画知識不足)。 見始めて(この監督きっと若いな)とすぐに思ったし (多分ミュージックビデオを作っていたりしたのでは)とも。 資料見たら当たってた。 監督の「こささりょうま」は 「1993 年生まれの神奈川県出⾝で本作で⻑編映画監督デビュー、 MV やテレビドラマなど活動の場を広げる」とある。 その手法は別として 気が付いた、気になった点がある。 今までのこうしたストーリ、テーマの作品では 主人公をはじめ登場人物がそれぞれに「普段の喧騒とした世界に疲れ逃れて集まってくる」というのが常套だ。 しかし本作では、このゲストハウスに集うほぼすべての人物が もともと緩い仕事や生活で時間を過ごしていた。 主人公であっても、ここに至るバックグランドのストーリはあるがそれも決して喧騒から逃れるのではなく そもそも時間の流れの緩い「田舎」、それは逆に人付き合いの濃い「田舎」から逃れてきた。 緩い人がより緩い環境を求めて集う、 そしてそれが恒常的な場ではなくひと時を過ごすゲストハウス という点に 今の若者の姿が見て取れる気がした。 ・・・そんなんでよいのかな、若者よ、、、とかも。 僕の時代は 真夜中のカーボーイが都会の喧騒の中で刺激を受けつつ 心の安らぎを求めてたんだけどな。 時代は変わるね。 【この監督 やはり若いし映画経験も浅い。 淡々と流れる映像とストーリの中に監督の思いを込めて描いていこうとする姿勢は見て取れる。 それが決して本作自体が「青い」とか「浅い」ということは意味していない。 ただし、それは実は難しい。 今後ここから昇華していくことを期待したい。 荻上直子の世界やはたまた小津安二郎の世界(は、言い過ぎかな)まで、目指してほしい。】 2024年11月8日 公開
「イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版」
映画『イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版』公式サイト https://ilpostino4k.jp/ 4Kリマスター化の価値がある。 昨今、旧作を4Kリマスターして再上映ということがよくある。 なんでもかんでもということではなく、皆、それぞれの思惑があっての事だろうが どうして?と思う事も少なくない。 と、まあ、それはそれとして 本作は30年前の大ヒット作。 そして作品のオープニングを見た瞬間に「4Kリマスター化ありがとう」と言いたくなった。 原題の「Il postinoイル・ポスティーノ」はその通り「郵便屋さん」 1995年度のアカデミー賞で作品賞を含む5部門にノミネートされ、 日本公開は1996年でロングラン大ヒットを記録。 イタリアにチリの詩人パブロ・ネルーダが亡命して一時期を過ごす。 この事実をもとにこの物語は生まれた。 郵便配達としてこの詩人への手紙を届けるだけにやとわれた青年マリオ。 詩に目覚める若者マリオ、彼が恋をすると、詩人ネルーダはその思いの表し方、詩の指南を、と 二人の交流が深まる。 舞台はイタリア、ナポリ沖合いの小島、この島の美しさ、 青年と詩人、恋人の表情 そのすべてが改めて4K化することで見事に昇華されている。 詩人役のフィリップ・ノワレといえば 名作『ニュー・シネマ・パラダイス』(88)の映写技師としてのあの姿が目に浮かぶだろう。 そして何よりも 青年役のマッシモ・トロイージ。 彼自身がネルーダをモデルにした小説に感銘を受け自ら企画を立ち上げ主役も演じた。 実は心臓の病を抱え撮影時には既に日に数時間しか演じることができなかったとのこと、 だからだろうか、その演技には何とも言い表しようのない影と優しさが加わった。 しかし、病のためクランクアップ12時間後に41歳という若さでこの世を去った。アカデミー賞男優賞にノミネートを知ることなしに。 「”言葉”が、人生に愛を運ぶ」 本作宣伝のキャッチコピー、いいじゃありませんか。 もしかして、これは原文がイタリア語であるのかな?知りたい。 と思って勝手に翻訳してみた。 Le “parole” portano l’amore nella tua vita (レ パローネ ポルタノ ラモーレ ネラ トゥァビータ) と言うらしい、素敵な音だ。。 2024年11月8日 公開
「ベルナデット 最強のファーストレディ」
映画『ベルナデット 最強のファーストレディ』公式サイト https://bernadette-movie.com/ シラク大統領夫人として親しまれた(ということだが僕は知らなかった)元政治家ベルナデット・シラクを フランスの女優カトリーヌ・ドヌーブが務めて描いたドラマ。 シラクの不倫や後任のサルコジの裏切りなどにも正視し、その姿勢が国民の支持を得た(という事実に) ユーモアを交えながらのストーリー展開が心地よい。 カトリーヌ・ドヌーブ ぼくらには1964年のミュージカル映画『シェルブールの雨傘』で有名だけれど かつて見た時は曲は良いのですが、なんだかよくわからなかったなぁ。 そうそう あのブロンドの髪が象徴的だけれど たしか実は黒髪でイメージUPのためにデビュー間もないころに染めた と聞いたことがある。 だから何でもないですが。 2024年11月8日 公開
「ロボット・ドリームズ」
映画『ロボット・ドリームズ』オフィシャルサイト https://klockworx-v.com/robotdreams/ ロボットと犬のかわゆく切ない物語 AIだなんだと言われている昨今 こうした物語に出合うと またひときわ感慨深い。 物語は 場所はニューヨークだがそこは人ではなく 犬をはじめ動物たちがごく普通の社会生活をしている世界という設定。 そしてある孤独な犬が一人の生活に寂しさを感じ 購入したロボットとの友情を描いたアニメ。 もともとロボットという言葉はチェコ(当時はチェコスロバキア)の ヨゼフ・チャペック、カレル・チャペック兄弟、ノーベル賞にも何度もノミネートされた、 彼らが 戯曲『ロボット』で「労働」を意味するチェコ語「robotaロボタ」から ロボット という言葉を作ったと言われる。 彼らの活躍した時代はナチスドイツがヨーロッパを席巻していた。 そうした世相でも彼ら兄弟は児童書をはじめ多くの名作を残した。 僕も彼らの功績をたどって現地を訪れたこともある。 本人たちは無機質なロボット(という言葉を)を作り上げたことに 少々悲観的ではあったようだが 100年近く経た今、この言葉を持つ作品が このような暖かいものになって作られたことには きっと満足しているのでは。。。 スペイン人監督のパブロ・ベルヘル 初のアニメ-ションである本作で 第96回アカデミー賞長編アニメーション映画賞ノミネート、 アニー賞、ヨーロッパ映画賞、ゴヤ賞ほか名だたる映画賞を受賞。 2024年11月8日 公開
「カッティ 刃物と水道管」
映画『カッティ 刃物と水道管』公式サイト https://spaceboxjapan.jp/kaththi/#:~:text=%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%80%8E%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%86 いやぁもう 荒唐無稽というか何というか、 でもこれがインド映画!爆裂!!! アクション、涙、笑い そして定番の、踊り、歌 全部そろったてんこ盛り。 ストーリー展開はありえない荒唐無稽の展開 「バカらしい」と一笑に付せてはてはいけない。 しかも定石通りに作品時間が時間長い。 飽きる時間を瞬間を与えず とはいえ単に意味のない刺激を並べるのではなく 重ねあげられた台本のもと 作り上げられた これぞザッツ・エンタテインメント。 しかもそれだけで終わらせるのではなく ちゃんとそこには 社会、環境、貧富、カースト制度の諸問題を内包して表現された 侮れないストーリー。 もう本当に 「呆れて」しまいました。 何に?って、かっ? そうだ「感心してしまいました」だな。 これだけでは紹介になっていないので簡単に、、、 脱獄囚がひょんなことから社会的活動家に間違えられ 貧しい農民たちと巨大環境破壊企業に立ち向かう そういう話。 主演は南インド・タミル語映画界のスター:ヴィジャイ 監督・脚本はそのヴィジャイと組んだ作品で好評の:A・R・ムルガダース と書かれても、わかりませんよね、僕も。。。 2014年製作。 だからなんでしょうね、昨今のインド映画は 踊りも無くなるのが多く 尺も短くなっていると聞くから、 でも時間を忘れさせる、こういうのって好きだな。 すみません、今回は内容が無くて。 劇場で満喫ください。 2024年11月1日 公開
「新居浜ひかり物語 青いライオン」
映画 新居浜ひかり物語「青いライオン」|RSK山陽放送 岡山・香川 https://www.rsk.co.jp/cinema/ 思わず最後の方での主人公の涙と共に僕もウルっときてしまった。 再現ドラマとドキュメンタリーの二段構造。 自閉症として育ち画家として希な才能を開花させた 主人公と家族、教師たち そして彼が作り上げた素晴らしい絵画作品とその展示会 その中心には青いライオンの絵が。 何故青なのかとの問いに彼は 「かっこいいから、強いから」と。 もうそこには凡人の僕たちには何の言葉もありません。 また 檀ふみと竹下景子がプロの役者として場面を締めてくれているところもポイントです。 さて この作品の紹介に関しては なんだか僕が変に書くするより 当事者自身の手による資料を紹介した方が良いと思ったので。 以下は資料から: @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 石村嘉成さんは愛媛県新居浜市に生まれ、育ちました。 自閉症と診断されたのは2歳のとき。 「人間の尊厳を保てるよう知識を身に付けさせ、社会性を育み、人から愛される子に育てたい」 嘉成さんの将来を案じ、身を粉にして療育に取り組んだのが母・有希子さんでした。 泣いて抵抗する嘉成さんに、それでも教えが行き届くようにと、心を鬼にして療育の手を止めることはありませんでした。 そこには母の無垢の愛がありました。 三歩進んで二歩下がり、二歩進んでは三歩下がり、一進一退を繰り返しながら母と子の二人三脚は続きました。 しかし―― 療育の成果が少しずつ感じられ始めた矢先、石村家を悲劇が襲います。 有希子さんが病に倒れ、40歳の若さで亡くなってしまったのです。 残された嘉成さんはまだ小学5年生。療育は道半ばでした。 「有希子の願いを叶えたい」 療育のバトンは夫の和徳さんが引き継ぎました。 やがて、嘉成さんの奥底に眠っていた絵の才能が目を覚ましたのです。 RSK山陽放送が石村嘉成さんの取材をスタートさせたのは2019年。彼が25歳のときでした。 それから現在に至る彼の活躍は目覚ましいものでした。 画家としての成長はもちろんのこと、当初は「物静かな絵描き」の印象が強かった彼が、会場のファンとふれあうことで磨かれ、 人懐っこい、気配りの行き届いた、笑顔を絶やさない、「人から愛されるアーティスト」に変貌してゆきました。 そんな嘉成さんが、ある日泣きました。 会場を埋め尽くしたファンから送られた万雷の拍手に、感極まったのです。 感覚はあっても感情の表現は難しいとされる自閉症。 ファンの熱い思いが嘉成さんの感情を閉じ込めてきた氷の塊を溶かし、解放したのです。 眠っていた「青いライオン」が走り出しました @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 極楽映画大賞 美術部門ノミネート 2024年11月から 順次公開