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抑うつの治療に伴って自尊感情は変化するか
抑うつ傾向と自尊感情との関連を考えてみれば,両者の間にマイナスの関連が生じるのは当然だと思うのではないでしょうか。自尊感情は自分自身を評価の対象としたときに,どれくらい自分を肯定することができるかを表す心理特性です。ということは,抑うつ傾向との間にマイナスの関連があるはずです。
ただし,何をもって「マイナスの関連だ」と言うのかも,なかなか複雑な事情がそこにはありそうです。
たとえば,質問紙への評定というのは,自分をどれくらい正しく把握するかという問題に密接に関連しています。もしも,自分自身への見方がゆがんでいることが背景にあるのであれば,抑うつ傾向をもつ人の自尊感情を正しく測定することができないということにもなりかねません。
潜在的自尊感情
では,質問紙を使わない方法で自尊感情を測定してみたらどうなるでしょうね。そして,抑うつとの関連を検討したら,どんな結果になるでしょうか。ちょっと結果が気になります。
そこで,実際に「うつ病」だと診断された患者さんたちに,質問紙調査とともに潜在連合検査(Implicit Association Test; IAT)やネームレター課題を用いた潜在的自尊感情を実施したらどうなるかを検討した研究があります。この論文の結果を確認してみましょう(Changes of explicitly and implicitly measured self-esteem in the treatment of major depression: Evidence for implicit self-esteem compensation)。
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