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日々是好日・心理学ノート

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2020年7月の記事一覧

韓国でもナルシストは自分の仕事に満足しない

職場で一緒に働きづらい,という人はいるかもしれません。たとえば,一緒に何か作業をしようとしても,どうもやりづらいとか。また,アドバイスをしているのに素直に受け取ってくれないとか。 まあ,そんなに問題がない範囲であれば大丈夫なのですが,なんでも度を超えると問題が大きくなってしまうものです。 職場の困った人のパターンというのも,あれこれ本に書かれているようです。そして,そういった人の対策本も売られています。どれくらい本当に効果があるのかはわかりませんが,売れている冊数からする

2020年7月のまとめ

noteを書き始めて2年が経過したのが今月でした。更新してもう3年目に入ったということになります。早いものですね。 ちなみにこの記事が,756日目なのだそうです。記念に画像を残しておきます。 では今月も,記録を残しておこうと思います。 本が出ますそうそう,8月に新しい本が出ます。 性格の発達,国による違いや県民性のような国内の違い,時代による平均的な性格の変化,男女の違い,恋愛や結婚に関係する性格,身の回りのことがらと性格との関連,役に立つことにつながる性格など,いろ

空耳の曲

ザ・チェインスモーカーズのとある曲を,ぜひ聴いてみてください。 こちらの曲です。特にサビの部分。 どう聞こえましたか?初めて聴いたとき,どうしても… ◎「かかわらない」 に聞こえてしまって,どうしようもありません。そう聞こえなかったでしょうか。歌詞がわかった後でも,どうしても英語で聴き取れないのです。 でも,曲のタイトルを見れば分かるのですが,このサビの部分は…… ◎"like a waterbed" と歌っています。うーん,ちょっとそのようにはどうしても聞こえ

研究者が陥りやすいバイアスとトラブル

心理学の論文も,著者が1名の単著で発表されるものというのは本当に少なくなってきた印象があります。 研究も,多くの場合は共同作業です。アイデアを話し合い,協同でデータをとり,執筆を分担する……ということもあれば,さまざまな役割のなかで1本の論文が完成することもあります。なかなか,「これは必ずこういうものだ」というルールがすべてに当てはまるわけではありません。また,研究分野によっても,ずいぶんしきたりは違うのですよね。 なかなか厄介な話です。 貢献の捉え方複数の研究者で研究

乱暴なサッカーファンはサディストか

そういえば日韓合同開催のワールドカップの時,「イギリスからフーリガンがやってくる」と話題になっていたように記憶をしています。 これは過激なサッカーファンのことを指す言葉で,酒に酔い,時に暴れたり暴力を振るったりすることで知られています。 Wikipediaにも項目が立てられているのですが,集団で行動し,試合の結果によらず暴力行為をし,武器を携帯して乱闘騒ぎを起こし,破壊活動を行い,外国人や宗教的信条に基づく差別行為に加担する,といった特徴が書かれています。 実はサッカー

「自分は賢い」と主張する人

「自分の人生はうまくいっている」と感じる背景にも,いろいろな面があるように思います。 たとえば,「さまざまな歯車がうまくかみ合っているからうまくいっている」と感じる人もいれば,「周りにいる人たちのおかげでうまくいっている」と感じる人もいることでしょう。また「あのことがあったからうまくいっている」と,過去の出来事を原因にとらえる人もいるでしょうし,「自分が有能だからうまくいっている」と自分自身の優秀さに原因を求める人もいそうです。 一口に「自分の人生はうまくいっている」と感

研究者はどんな研究人生を歩むのか

個人で研究活動を行う研究分野と,共同研究が当たり前の研究分野,いろいろな研究の形態があります。世界中の研究者と連携しながら数十人,時には数百人と連携するような研究のスタイルをとる研究分野もあります。 心理学でも研究のスタイルはさまざまです。一人で論文を書くこともありますし,数十人の著者のなかの一人となることもあります。 でも,なんとなく,「偉くなると著者の順番の後ろのほうに名前が連なることが多いんじゃないかな?」という印象を抱くのではないでしょうか。でも,もちろんこれも研

南アフリカで開催された国際心理学会の発表内容を振り返る報告

コロナウィルス感染症(COVID-19)のおかげで,今年海外で開催される予定だった国際会議が軒並みキャンセルや延期となっています。 心理学では4年に1度,世界規模の大きな学会が開催されます。ICP (International Congress of Psychology)と呼ばれる学会です。   2016年の大会は横浜で開催されて,2020年はチェコのプラハで開催される予定でした。 ところがコロナウィルス感染症によって中止になってしまいまして,どうなったかというと,1

ミケランジェロ効果:カップルが互いに理想を投影すること

新型コロナウィルス感染症で一時期,大変な様子が報道されていたのがイタリアです。 それにしても,それまで問題なく行くことができていた場所に行けないという世の中になったというのも,それ以前には予想していませんでした。世界は以前とは変わってしまった部分があるのではないかと思うのですが,私たちはそれが当たり前だということになりつつあります。 ミケランジェロ広場以前,学会でフィレンツェを訪れたことがあります。フィレンツェを一望できる公園があって,その名前もミケランジェロ広場といいま

「それで食っていけるのか」というよくある意見について考えてみる

今回の新型コロナウィルス感染症が広まるなかで,芸術や演劇,音楽活動を仕事にしている人たちは大きな影響を受けているようです。 自粛を行った個人に対して,最大20万円の支援金が支払われるということもニュースになっていました。 こういうニュースを見ると,「やはり普通の会社員になるのが安全」「公務員がいちばん」,さらには「安定した仕事に就かないのは自己責任」のような意見が出てきがちかもしれないなと思います。検索するともうすでに,そういう意見があるかもしれません。 夢の諦め子ども

マニア型とルダス型の恋愛スタイル

恋愛のタイプを6つに分けるという話を聞いたことはあるでしょうか。 「ルダス(Ludus)」「プラグマ(Pragma)」「ストルゲ(Storge)」「アガペ(Agape)」「エロス(Eros)」「マニア(Mania)」という6つの類型です。これは,John Alan Leeの『The Colors of Love』という本で示された類型です。 古今東西いろいろな恋愛の話を集めて,6つの類型にまとめたそうです。ただし,それぞれの類型の日本語の読み方は,いくつかあってはっきりと

どういう人が似た人とつき合うのか

「好きなタイプ」という言い方がありますが,本当にそれぞれの人には,その人独自の「好きなタイプ」というものがあるのでしょうか。 もしも「好きなタイプ」というものがあるのであれば,つき合う相手が変わっても,結局は同じような人とつきあっている,という現象が起きると言えるのではないでしょうか。「なんだかんだいっても,あの人って同じような人とつきあっているよね」ということがあり得るかどうか,ですね。 果たしてどうなのでしょうか。 自分と似ている,という類似性の要素は,つき合うきっ

踊る男性を見て魅力を感じるのは?

国内でも国外でも,学会に出席すると懇親会(パーティ)が開かれるものです。研究者が顔を合わせて自由に会話をすることができる,貴重な場所ではあるのですが,あまり外向的ではない私にとってはたまに居心地が悪くなることもあります。 以前,とあるヨーロッパの学会に参加したときには,ディナーの開始がずいぶん遅い時間帯でした。会場に着くと円卓があって,好きな席に着きます。これもまた,どこに着席するかという微妙な駆け引きに疲れてしまうのですが……。 そして食事が一段落したところで,始まった

痴漢外来

今日のおすすめ本は,『痴漢外来』です(原田隆之 (2019). 痴漢外来:性犯罪と闘う科学 筑摩書房)。 興味深い事例も載っていますし,実際に認知行動療法に効果があることが示されていて,それも興味深いのですが,前半に書かれている内容も,とても示唆深いものでした。 痴漢は日本特有たとえば,こんな一節です。痴漢は日本に特有の犯罪なのだそうです。 痴漢はほぼわが国特有の犯罪と言っても過言ではない。海外の論文では「日本にはchikanという犯罪があり,毎年数千人が逮捕されている