心が風邪をひきまして
数日前から落ち込む回数が増えていき
その深さと重さが日に日に増していく気がする。
僕は、この感覚を知っている。
これは心が風邪をひいた時の症状である。
ウイルス性ではないが移りはする風邪のようなモノ。
繰り返される抑鬱状態と閉塞感が主な症状で
感覚的には鼻水や悪寒のようなモノと似ている。
頭痛や吐き気を伴うのは感冒性の風邪と同じだ。
僕は人生の中で何度か、この風邪をひき
きっと無自覚な程軽度な場合はきっと何百回もあっただろうと思う。
そんな時は文章を書くのも読むのもそれなりに効果的なので
今日はそれを初めてみようと思う。
まず医者に行くのが大事
メンヘラ、という言葉があるので
精神科や心療内科にかかった事のない人は随分と抵抗がある。
僕は世話になった事はあるものの、正直抵抗ある勢である。
メンヘラという言葉に対する嫌悪や精神病患者ではないという強がり故ではなく、薬のコントロールが苦手なのだ。
頭が痛い時に痛み止めを飲んで効かなかった時、痛み止めの種類を変えてみるのは有効手段である。
バファリンは効かなくてもリンクルアイビーは効く場合がある。
しかし精神向けの薬はそうはいかない。
薬局での品揃えは以前に比べて随分と増えたが、それでも自分自身の状態にフィットする薬をそう簡単に複数見つけられるものではない。
そう言った場合、替えの頭痛薬を購入出来ない場合も同じだが、容量を無視して摂取してしまう。
歯痛の時や頭痛の場合の痛み止めと同じく飲む量を勝手に増やしてしまう。
それに精神処方薬は正直、気の持ちようの部分も大きいから、もっと落ち着きたいと思って飲む量を増やしてしまった事がある。
実際何も困った事は起こらなかったのだが、そうゆう自分の薬との向き合い方は嫌いだった。
そんな事を考えて気軽に、精神科や心療内科には行かないスタンスを取っていたのだが、それは前時代的だと今は思う。
薬を貰う事、飲む事は別に特別な事じゃない。
タイソウな医者にかかっていると思うから処方薬で成果を得なければならないと思うだけで、町医者に出してもらった解熱薬が効かなくても、効かないと諦めて寝るだけだ。
そんな様に気軽に考えればいい。
花粉症の鼻水を止める為に耳鼻科に行くように。
歯石を取りに歯医者に行くように。
抑鬱状態を和らげる為に心療内科に行けばいい。
日本以外の先進国では別に特別な事ではない。
定期検診の様な感覚でカウンセリングを受ける人も沢山いる。
そもそも日本人の産婦人科と精神科の受診頻度の少なさは異常だと思う。
医者に行く時間がない
大体の心療内科や精神科は予約制だ。
今は歯医者や眼科、内科、耳鼻科ですら予約制で正直、整形外科と皮膚科以外は殆ど医療を受けるのに予約がいる。
風邪を引くのも、関節痛になるのも似ているが、よく使うからこそ、調子が悪くなる。
極端な話を言えば食べ物を食べなければ歯医者に行く事もない。
そして、心療内科や精神科にかかる様な症状が出るのは心を良く使っている場合に多い。
これは何もアーティストだとか、また精神をすり減らす様な危険で繊細な取り組みをしているだとかではない。
現代人は皆、結局何をするにも心を使わざるを得ない。
一人で黙々と藁を編む様な仕事は現代にはほぼない。
在宅勤務であっても多くの人との関わりがあり、心は使うモノだし、完全孤立の環境を作っても結局は孤独が心を消耗させるので、何かに取り組んで生きているという事はそれだけで心を使う行為である。
体が疲れれば風邪を引く確率が高まるように
心が疲れれば心の風邪を引く確率は高まる。
そして疲れる様な状態にある人は実は結構忙しい。
その生活の中で空いた時間の有効活用ではなく医者に行くというのは案外難しい。
正直、歯医者の予約だって上手い事行かないのに、行きなれない精神系の医療の予約スケジュールなど立てようもない程に勝手がわからない。
なので永遠に先送りしてしまう。
正直、風邪程度であれば、放っておけば治る事だって多々あるし、大半の人が大半の場合そうしてしまう。
しかし、問題は、この病はうつるのである。
それも潜伏期間が異常に長かったり、場合によってはうつった人によって妙に重症化したり、酷いと死に至る。
少なくともQOLは駄々下がってしまう。
個人的には新型コロナの感染拡大よりも、心の風邪の感染拡大の方が人類にとって重大な伝染病であるとも思える。
慣れてしまえば本人は意外と耐えられてしまう。
しかし、周りの人々、新規感染者になる人々は陰鬱な世界に引き込まれる犠牲者となり、キャリアとなってしまった自分は災厄の源と言える状態になってしまう。
つまり、心の風邪は自分だけの問題ではないので
優先的に治療する必要のある大事な用事だと定義づけるべきだと考える。
軽い気持ちで医者選び
いざ、心療内科に罹ろうとするとネットで検索をかける事になるのだが、ここがまた大変面倒くさい。
特に医院の特徴的に面倒なのはレビューを書いているのが、精神を病んだ人々だという事である。
正直、相当危険に感じてしまうのでレビューは無視する。
そもそも精神を病んだ時に自分自身は弱いだとか、かわいそうだとか、周りから変な目で見られるだとかのせいで大変な事になっているだけで、根本的には誰にでも起こる風邪の様なモノだ。
新型コロナのせいで、最早体の風邪の方ももれなく世間から冷たい目で見られる様になってしまったが
体の風邪も心の風邪も、確率的な問題で誰でもかかる。
それを責められる社会的風潮の方がどうかしている状態だと思うのだが、メンタルに問題を抱えた人=メンヘラという形でレッテルを貼られてしまうと、最早風邪では済まなくなってしまう。
そういう人々がレビューを書くので、精神系医療機関のハードルは更に上がってしまう。
良い医者にかかる必要はない。
風邪の治療に名医はいらない。
熱覚ましと痛み止めと咳止め、鼻水の薬、なんの為にあるのかわからない抗生物質を出してくれるだけでいい。
診断もいらない。
「風邪ですね」知ってる。。
そんなくらいの感覚でいい。
ただ陰鬱な気分が続いておりまして…という症状を話す事ができる種類の医者がいるだけの事だ。
陰部の悩みや肛門の悩みを一般の町医者に話しても仕方がないように
心の悩みは専門の医者がいるだけ。
コンタクトレンズが欲しい時は眼医者に行くが名医でなくていい。
寧ろ、余計な見解など要らないから早く処方箋を書いてくれ、と思うだけだ。
それくらいのテンションで構わない。
気軽に見つけて気軽に行って、気軽に対処薬をもらう。
心の風邪なら、それで十分だ。
それ以外でも医者に行く
精神が疲弊してきた時は実は他の部分も調子が悪い場合が多い。
何が心因性で、何がそうでないかなどは素人判断に任せるべきではない。
腹痛や頭痛の薬は心療内科でも処方してくれるが心因性だと確定していない症状の対処薬は心療内科でなくてもいい。
町医者で腹痛や頭痛の薬を貰っても、心療内科で貰っても話は一緒だ。
それで治らなければ心因性かもしれないくらいの感じでいい。
体の不調が心の不調を引き起こしているのか、心の不調が体の不調を引き起こしているのか、僕達には判断出来ない。
病は気からというが、神経症を取り扱かっていない医学関係の本で、そのような科学的根拠を見た事はない。
病は病因からくるのであって、その病因が心因性である場合があるだけである。
なので、色々な部分を医者に診てもらう。
心療内科にも行けていなくて疲弊した人は最後に歯医者に通ったのがいつか、思い出してみる。
きっと、ずっと昔の事だろうと思う。
眼医者に行くのもありだ。
気分が晴れないのは、視界が晴れないからかもしれない。
皮膚科に行くのもありだ。
肌のトラブルと心のトラブルは関係性が高いから心が元気がない時は肌も元気がない事が多いし、肌のトラブルは心を暗くする。
肌から治すアプローチを心療内科ではプロデュースしてくれない。
自分で皮膚科に行こう。
そっちの方がハードルも低くていい。
終わりに
身近な人に最近笑わなくなった、と言われて、自分が心の風邪をひいているのではないか、と思い始めた。
ストレスは色々とある。
それは誰だってそうだし、体の風邪と同じで寒いのは原因になり得る。
これは鼻水垂れてるよ、と教えてもらった様なものだ。
大人なのだから自分で自覚したい。
色々な事を重く考えて精神が疲弊してしまったのかも知れないから、敢えて、心の風邪は重く考えない努力をしようと思う。
心の風邪は老化を早め、生産性を低下させ、人間関係のトラブルを招くが、それはどんな病気だって同じである。
現代では咳をするだけでトラブルになりかねない。
コロナになったら生産性は地に落ちるし、腸内環境が乱れているだけで、老けるのだ。
だから健康でいる事が大切だ、というだけであって、軽度の病であれば、その病気自体を深刻に捉えてもしょうがない。
今年は自身の健康に投資しようと思っていたので良い機会だと思った。
トイレで中本哲史の本を読んで抑鬱加減が低下したので、バババッと書いてみた次第。
writen by
ぽん太@HAM
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