木曜日はモグモグ食べること・フランス家庭の食卓から【冬はドライフルーツ、デ-ツがいいね】
「デ-ツ」との出会いは、パリのメトロの中。
それは今から25年も前の話。
デ-ツ(date)とは、ナツメヤシの実のドライフルーツのことで、フランス語では
ダット(datte)という。
そのころ「ダット」を知らなかった私を目の前にして、メトロの車内で私の隣に座っていたおじさんが、ムシャムシャと食べていたのだ。紙袋に入った「ソレ」は最初はよく見えず、またよく見ようとしなかった。
そのおじさん、いくつもいくつも「ソレ」を紙袋から出しながら食べていた。
そのうち、おじさんが急に前の人に話しかけた。
「おひとつ、いかがですか」と。
おじさんの前に座っている人、たまたまそこに乗り合わせた人のようで
「え、あ、え、いいんですかぁ」と言いながら「ソレ」をひとつ指でつかんで口に運んでいった。
そのとき、その「ソレ」がチラッと見えた。
茶色の実みたいなのが向かいのおじさんの口に入る。
モグモグした後で、
「いや、お、美味しいですな、ありがとうございます」と丁寧におじさんに話しかける。
え、何が美味しかったの?
ソレは何?
知りたい、おじさん!!!と
心の中で叫ぶ。
でも その場ではどうしても言えなかった、このひとことが。
「ケスクセ?」
ケスクセ…。
それは、フランス語で「それなあに?」ってこと。
Qu' est- ce que c'est ?と綴る。
いや、だって、これを言ったら、まるで「私にもソレひとつくださいっ」って言うようなものでしょう。
若かりし頃、まだ恥じらいもある乙女のあっしゅは、言えませんでしたよ。
その後、何がきっかけは忘れてしまったけれど、あの時の「ソレ」が「ダット」であることがわかった。
今では、この「ダット」をス-パ-で買って食べる。
冬はフル-ツの種類がなんとなく少なくなり、輸入物の果物が多くなる時になんとなく食べたくなるのが、この「ダット」
栄養価が高いことでも知られる。
「ダット」には鉄分、ミネラル、カルシウム、繊維が多く含まれているという。
そのため、貧血防止や、目にいい、お通じによかったりで女子には嬉しいドライフルーツ。
でも、ひとつ注意点が。
それは、「ダット」を食べるようになり、人からよく聞くこと。
「ダット」を食べるのは、
1日に3個までにしてね!
ということ。
この「ダット」すごく甘いんです。だから糖分が多い。
それゆえ「肥満の方や、糖尿病のある方は摂取量を注意してください」ということらしい。1ダ-ス以上食べると、効きすぎてお腹が緩くなりすぎるらしい…。
でもね、美味しいから、結構な量を知らないうちに食べてる…。
この1キロ入りのを買ってきて
食べちゃう。
枝だけになっているところは食べた後です。
「ダット」は、この写真のように枝についたままで売っているタイプと、実だけが袋や容器に入って売っている2種類があります。
そして、お値段もお手頃なものから超高級品まで、まちまちです。
この「ダット」はチュニジアからの輸入。品種は「deglet nour」
りんごや洋梨と同じようにいろいろな品種があります。
ここで、美味しい「ダット」の見分け方を。
見た目がぷっくりしていて大きめで艶があってちょっとベタベタしていそうなのが美味しい
「ダット」
でもこれってすごく高いんですよね。
パリのマルシェ(青空市場)では、ドライフルーツ専門店のスタンドや野菜売り場の一角で、超高級な「ダット」をみかけます。
量り売りをしてくれるので、3つだけとか、買うことができます。
「トワ・ダット・シルブプレ」
これで通じます。
あぁ、田舎のスーパーの手ごろな「ダット」ではなく、
高級な「ダット」をいつの日か食べてみたいなぁ。
近頃は、「ダット」が輸入食材を扱うお店で日本でも買えるようになったと風の便りで聞きました。
どんなお味がするのでしょうね。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。
感謝です。
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それではまた来週の木曜日はモグモグでお会いしましょう。
あとりえ・あっしゅ