食品安全、規格と文化② ~文化は規格の前提条件!~
こんにちは! あたたけ です。
前回から食品安全規格と食品安全文化がどのように関係しているのかをまとめています。
食品安全、規格と文化 ~2つの関係性を考える!?~|あたたけ (note.com)
ざっくりまとめると『文化がないと規格の維持に繋がらない』ですね。
今回はその続きです。
4.食品安全文化は食品安全規格の要求事項の1つ?
『文化がないと規格の維持に繋がらない』というのは今現在のあたたけの考えですね。
食品業界内を時系列で振り返ると、『規格を作って運用開始⇒実践がイマイチ⇒実践には文化が重要』という流れではないかなぁと思います。
で、この流れもあり『食品安全文化は食品安全規格の要求事項の1つ』という勘違い?をしている方もいるような。。。。
まぁ、実際に規格要求事項に入ってるのでその1つではあるんですが。。。。
あたたけはこのような認識に大きな違和感があります。
そもそも『文化は誰かに言われて、文書に書かれて作られるものなのか?』という疑問があるんですよね。
誰かに押し付けられてできる組織の価値観が文化なわけがないのです!
組織の文化というものは、組織のあらゆる取り組み(規格運用含む)の土台であり前提のはずなんですよね。
『規格があるから文化を作る』ではなく『文化をもとに規格を活用する』の順番なんじゃないのかなぁと。
まぁ、食品安全文化というものが今までなかった組織にそれを根付かせていくため、一歩目となるガイドライン的な文書は必要なんでしょうけど。。。
ちょっと文書だけが独り歩きしてるよなぁと、あたたけは感じるのです。
てゆーか、『文化は規格の一部』と考えている人って、結局のところ、規格の活用って考えてない気がします。
ちょっと考えれば気づくような話ですから。
『文書に書いてある表面上のことを盲目的に取り組む』ってスタンスになってないのかなぁと思います。
ちなみに、この『規格が先か、文化が先か』問題って、昔流行った?『PRPが先か、HACCPが先か』問題と同じ構図な気がします。
PRP・HACCP問題のあたたけなりの結論は、『ハザード分析を踏まえ、同時に考えていく』なのですが、初めてハザード分析を行う時(≒組織が初めてHACCPに取り組む時)は既存のPRPをもとに行わないと実践に繋がらないんですよね。
参考までに、あたたけ的ハザード分析の流れは、以下のようなものです。
日本でHACCPが本格的に広がる前って、5S中心の管理(≒環境の管理)だったのですが、『それじゃ世界についていけない』って雰囲気でのHACCP重視が、結果としてその土台となる5S、つまりPRP軽視に繋がった気がします。
同じような雰囲気で、『規格の運用⇒安全性確保』が重視され、その前提となる土台(文化)が軽く考えられたらイヤですね。
5.(余談)食品安全規格認証は必要なのか?
前回記事でも書きましたが、『認証をスタートとする』のであれば、認証取得はとても有意義なコトだと思います。
ただ、この辺りを強い意志を持って取り組むのって、現実的には難しいよなぁと思ったり思わなかったり。
理由は『企業にとって目に見える成果が認証取得』ってコトですね。
企業(≒営利組織)で認証を取る場合、やっぱり評価に繋がるので目に見える成果としての『認証』を求めてしまうのはよくわかります。
ですが、その結果として認証制度自体が、企業にとってはどうしても『認証を取得するのが最優先』『審査員の目を気にする』という後ろ向きな発想に繋がりやすいのかなぁと思うわけです。
この辺りは規格を作る側、審査する側の方も気づいておられるでしょうから、何かと苦心されているんだろうなぁと他人事のように思うあたたけです。
もしかしたら、食品安全文化を普及させることで、『規格認証はゴールではなくスタート』という認識を広め、結果、『認証なんて当たり前。だから取ることに抵抗はない!』と世の中を変え、認証数も増やしたいのかもしれませんね。
ちなみにあたたけは、規格の目的が活用(≒製品の安全性確保)とすれば、認証はべつに必須なことではないと考えています。
食品安全文化を『日々の自律的な行動≒誰かに言われてするのではなく自主的に安全性を確保する共有認識』とすれば、ここに内部監査(組織内での客観的な検証)でも組み合わされば、外部機関による認証がなくても安全性は確保できるんですよね。
ということで、『規格は使うけど認証には興味が薄い』という審査機関にとっては許しがたい?発想に至ったあたたけです。
(まぁ、実際には組織内だけでは気づかないことも多いので、審査を通して外部の目線を取り入れるのって大事なんですけどね)
ではでは。今回はこの辺りで!