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読書のススメ ~正義の教室~

こんにちは! あたたけ です。

いつもは食の安全、最近はフードロスの話をまとめていますが、
今回は少し趣向を変え、読書感想文です。

正義の教室

2年くらい前に一度読んだのですが、再読したのでまとめてみようかと。

再読のきっかけは『新型コロナ』です。
少し前に新型コロナについて、あたたけの思うところをまとめました。

その中で、コロナ禍であたたけが学んだことを以下のようにまとめました。
分断は不寛容から起こる。考え方の違う人を繋ぐことが大切。

で、分断について、引き続き色々と調べていた際、
価値観、正義感の違い』という言葉が出てきて、
『正義感の違いって、昔、読んだ気がする!』と読み返したわけです。


さて、皆さん、
言っていることは正しいけど、話が全く合わない人』っていませんか?

あたたけのような『品質管理担当者』は
『清濁併せ吞むこと』が大切だと、個人的には思います。
キレイごと、型にハマったことだけでは新しい価値は産まれず、
組織の成長には繋がりませんので。

『清』は、誰でも呑めますね。だって、正しいことですから。
大事なのは『濁を良い感じに呑む(呑む覚悟、呑みすぎない判断)こと』
だと思います。

でも、(自称)正義感が強いって人は
『濁は少しでもダメって考える』ので相手をするのがメンドーで
あたたけは付き合いを敬遠しがちなのですが、
仕事で関わる方の場合、そうも言えませんので。。。。。
ということで、そもそも『正義感が強い』ってどういうことなの?
という疑問から本書を手に取ったわけです。

本書の舞台は、ある高校、
『見守り君』と呼ばれる監視システムが導入されている高校
生徒会を舞台に正義とは何かを考えています。

『正義』というものの解説をざっくりまとめると以下な感じでしょうか。

 ①正義とは『正しい行為をする』こと。
  誰もが(自分なりの)正しさを求め、正しさを基準に考えている。
 ②正義には平等・自由・宗教(=人としての倫理観)の3種類がある。
  ◇平等の正義:功利主義 全員の幸福度を計算し、合計値を最大にする
              個人の幸福が犠牲となることもある
  ◇自由の正義:自由主義 みんなの自由を守る
              他人の自由を奪わなければ何をしても良い
  ◇宗教の正義:直観主義 理屈ではなく良心に従う
              良心を働かせれば正しいことは自明
 ③どの正義も良い点もあれば悪い点もある。
  どれも突き詰めると危険な思想に繋がる。

あたたけの場合、
『正義=濁は少しでもダメとする』くらいに考えていました。
上で言うところの『宗教の正義』が近いのでしょうか。
知識としては『宗教の正義』を正義と思っていたのですが、
あたたけにとっては、『正義=清濁併せ吞むべき』ってこと、
誰もが自分の正義に基づいて考えているってことなんですね。
(あたたけの場合は、平等の正義が近い???)

『正義感の違い』をいかに乗り越えていくか、
それが分断の解決に繋がると考えると、
3つの正義感を元にすれば、『相手の正義感』を理解しやすい、
理解できれば、(少しは)相手を受け入れることに近づく
のかなぁ、
とか思います。

さて、あたたけが本書で印象に残った言葉を借りてみましょう。

・正義は、答えを出したらいけないんだ!
・何をすれば正義、正しい行為をしたと言えるだろうか。
 そんなのはっきり言って、『わかるわけがない!』だ。
・何が正しいかわからない世界の中でも、
 それでも「正しくありたい」と願い、自分の正しさに不安を覚えながらも
 「善いこと」を目指して生きていくことはできる。
 ~中略~
 それこそが人間にとって唯一可能な正義なんじゃないだろうか。

この辺りで主人公&(あたたけ的)メインヒロインが涙を流すのですが、
なんか、つられて泣きかけてしまいますね。
『分断』に限らず、
コロナ禍で『人の、社会のイヤな面』が目につく気がしますが、
人もそこまで捨てたものではないなぁと改めて思います。

ただし、それぞれの人が、
『自分だけでなく、自分を含む人(あるいは社会)全体に善いこと』を
考え続けることができれば、という
なかなかに難しい条件が前提になるような気もします。
『自分のことだけ善ければOK。
 自分の幸福、自由のためには、他人の幸福、自由が侵害さて良い』
という人が多いと、『正義なんてない』って終わりそう
です。。。。。

それぞれの人がそれぞれの正義を目指していけば、『分断』だけでなく、
SDGsに代表される、『今の社会問題全般』も解決できそうですけどね。

自分の正しさに不安を覚えながらも「善いこと」を目指して生きていく、
これこそが正義
ですね。忘れないようにしたいものです。


さて、次回はフードロスの続きです(予定)。
それでは今回はこの辺りで。

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