フードディフェンスを考える⑤ ~監視というもの~
こんにちは! あたたけ です。
引き続き『フードディフェンス』の話です。
前回は『フードディフェンスは防犯で考える』という話でした。
今回は『監視カメラの矛盾』『監視というもののあり方』について
まとめていきます。
防犯というものを踏まえ『監視』の目的を考えてみると、
『不審な行動の監視(受動的防犯)』と
『犯行計画者への牽制(能動的防犯)』があるのかなと思います。
あと、『事故(犯行)発生後の調査』というものもありますが、
これは『防』ではありませんね。
さて、監視カメラの目的を『不審な行動の監視(受動的防犯)』とすると、
次の2つの要件が必要だと考えられます。
①設置箇所を明かしてはダメ
⇒わざわざカメラがある場所で犯行を侵す人はいない
⇒さらには、監視カメラの存在を伏せておく事が望ましい
②常にモニターを見張ることが必要
⇒モニターを見ていないときに犯行を侵されたら意味がない
※②はAIとかでの代用も出来るかもしれないが、
人が見張るにしろ、機械に任せるにしろ、それなりの費用がかかる。
一方、『牽制』を監視カメラの目的とした場合には、
常に見張る必要はありませんが、
『カメラがあること』は示す必要があります。
うーん、受動的防犯で挙げた
『①設置場所を明かしてはダメ』とは反する要件ですね。。。。。
『監視カメラで受動的防犯と能動的防犯は両立できない』ってことですね。
モニターを見張る負担を考えると、
フードディフェンスでの監視カメラの目的は
『犯行計画者への牽制(能動的防犯)』が妥当なのかなと思います。
さて、ここまで能動的防犯の目的を『牽制』と書いてきましたが、
実際には『矯正』と言っても良いでしょう。
『見張っているんだから、悪いことをするな』ってことですから。
これって、刑務所と同じ発想なんですよね。
※この辺りの考え方は、以前紹介した『正義の教室』を読んでいただくと
理解が深まると思います。
フードディフェンスの最重要事項として、
『従業員の不満解消』『従業員の繋がり』みたいなことを挙げている会社が
『監視カメラ』を設置するのは、なかなかに矛盾だと思います。
それを見越してか、名前を『品質カメラ』とか『安全・安心カメラ』とかに
している会社もありますが、名前を変えても結局は同じですからねぇ。
という感じで、あたたけは『監視カメラ』を毛嫌いしているのですが、
『監視』自体は防犯(フードディフェンス)に有効だろうなとも思います。
じゃあ、どんな『監視』が望ましいのか?
もうね、これは『(複数の)人の目』に限ると思います。
あたたけの愛読書に『スカーレット・ウィザード』シリーズがあります。
(続編もだいぶあるので、何が正しいシリーズ名か判断に迷いますが)
そこに出てくる、どんな機械も騙すことができるダイアナ・イレブンス嬢も
『人の目はごまかせない』みたいな話をしていましたから。どこかで。。。
密告が推奨されるような会社では、
人の監視もカメラと変わらず不満のタネになってしまいますが、
『不満解消』さらには『自分の会社を守ろうという風土』が出来れば
『従業員によるゆるやかな(相互)監視』というものは
内部犯に対しても、外部犯に対しても、
監視および牽制、つまり受動的防犯と能動的防犯の両立が
出来るのではないかなぁと、あたたけは思います。
やっぱり、フードディフェンスのためには
従業員を大切にすることが最良&全てなんだなぁと思います。
ちなみに、『人を管理の中心にする』というのは、
以前まとめた『(Food)Safety-Ⅱ』や『食品安全文化』に繋がります。
『フードディフェンス』『食品安全文化』さらには『SDGs』なんかも
結局のところ、
『人を大切にし、会社への愛着を持ってもらう。
その結果として、会社を大切にする文化を育んでいく、
当たり前のことを当たり前にする善性の高い会社にしていく。』
ということが王道であり、唯一の道なのかなと思います。
それでは今回はこの辺りで。
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