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国会で議論するのではなく、国民に選択肢を示せ

現在、国会は各党が出し合った政治資金規正法の改正案で盛り上がっています。

そもそも、日本においては国会のあるべき姿はどのような姿なのでしょうか。

今回は日本の政治制度を踏まえ、私の考えを述べていきます。



日本は議院内閣制を採る国

まずは、前提として日本の政治の制度をおさらいしておきます。

日本はアメリカのような大統領制ではなく、イギリスをお手本にした議院内閣制を採用しています。


国民が国会議員を選び、国会議員が総理大臣を選ぶ


これと違う仕組みなのが大統領制で、議員も大統領も国民が選ぶため、議会の多数派と大統領の政党が必ずしも一致しません。

多数派が一致しないということは、選挙の時に約束した公約を実現するためには対立党派とも議論をしないといけない可能性が高まります。

言ってしまえば、大統領制は議論を深めるために、政策実現のスピードを落としているとも言えます。

翻って、議員内閣制は基本的には議会の多数派と総理大臣の政党が一致するため、公約を実現しやすいと言えます。

与党(国会の多数派)は内閣を通して法案を国会に提出し、国会議員が議論しますが、国会の過半数と内閣を構成する政党は同じ与党です。仲間が提出した法案に反対するということは原則ありません。

賛成も反対も個人の自由と思われるかもしれませんが、議員内閣制であれば、党議拘束と言って、党として賛成か反対の立場が決まれば、議員個人はそれに従う義務があります。

実際に内閣法制局のサイトで確認すると、ほぼ全ての内閣提出法案は成立していることがわかります。


成立することが分かっているのになぜ多数決をとるのか

では、仲間が裏切らない限り、ほぼ100%の確率で成立する法案に対して、なぜ議論しているのでしょうか。結果が分かっているのならば、議論する時間が無駄ではないかと思いませんか?

私の考えになりますが、この答えは国会は国民に説明するために開かれているのだと思います。

与党(内閣)が国会に法案を提出し、野党がそれに対して質問することで国民が理解を深めるためにあるのだと考えています。

しかし、それだけだと現与党に政権を任せられなくなったとき、私たちはどうすればいいのかという問題が発生します。


野党は選択肢をわかりやすく説明すべき

そこで、野党は内閣や与党への質問を通して、自分達ならどうするのかを説明するべきだと考えます。

今回は本題ではないので詳しく取り上げませんが、衆議院で採用されている小選挙区制は、本来であれば政権交代を起きやすくし、政治に緊張感を持たせられる制度です。

しかし、これだけ政治資金の話で岸田政権の支持率を落としているのにも関わらず、自民党を超える支持率の政党はありません。


これは国民が野党に対して有力な選択肢であると感じていないのではないでしょうか。

明確なライバルがいないのであれば、与党から緊張感が失われても不思議はありません。

政治は国民の生活に直結しますから、適当に済ましていい問題ではありません。

野党がしっかりとした選択肢とならなければ、政治は良くならないのです。

そのためにも国会はただ議論することに時間を費やすだけではなく、政権を取ったらどうするかという選択肢を明確にわかりやすく説明するべきです。


国民の意識も大事


今回話題にあがっている政治資金規正法の改正案はまさにそのような状況に見えます。

政党によって、政治資金の完全公開や政務活動費の廃止、企業団体献金の廃止など、各党の特色が出ています。

それを投票する側である私達国民も関心を持って調べ、次の選挙に備える必要があります。

今の社会情報は調べればすぐにわかりますから、少しの手間を惜しんで、政治が変わらないより変わる方向に少しづつ動いていくといいですね。





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