【読書感想文】『対岸の彼女』アラサーにはリアルなストーリー?
こんにちは、小谷りなです。
もう何か月ぶりかというような読書感想文。ネタバレはないです。
(・・・というか1回しかnoteには投稿していない)
そんなわけで、なんとなく久しぶりに違う世界を見たいな~と思って、本屋に立ち寄り、購入しました。
角田光代さんの『対岸の彼女』、WOWOWでドラマ化もされていた作品のようですね。そのあたり死ぬほど疎くて全く知りませんでしたが、原作のこちらは直木賞も受賞されているそうです。
で、まあ超絶簡単なあらすじをいってしまえば、
独身女社長と子育て真っ盛り主婦のストーリーで、女社長の過去が物語と並行して描かれているような感じです(雑)。
女社長の高校での苦い思い出や、友達関係、誰もが見て経験したスクールカーストが描かれていたり、
でも、だからといって、結局大人になっても、やってることは変わらない社会存在していて、
なんか、リアルでした。
腹立つ登場人物が痛い目にあうこともなく、古い友人との感動の再開を果たすでもなく、結末も完全にスッキリするわけじゃないです。
でも、どうにもならない人間関係や、出来事に、目を背けることを、ほんの少しだけ勇気を出してやめてみる、
それだけでなんとなく、前に進めたり、なんとなく嫌いな人がちょっと嫌いじゃなくなったりするよね、と、読み終わった時に思える作品でした。
そして、環境の変化から変わる感覚の違いにも、あ~、あるよね~と、大きく頷きました(笑)
アラサー世代の私なんてもうほんと、みんなそれぞれ環境も違って、SNSも、かわいい子ども、旦那さんとおうちごはん、結婚式の華やかな写真が随分増えてきました。かと思えば、仕事で全国各地を飛び回る人や、海外留学真っ最中の芸大時代の同級生もたくさんいるし、毎日のようにおしゃれなカフェに出向く人もいれば、山を登る人だっている。
こういった、属性というか、立場が違う相手とのわかりあえなさみたいなのも、よく描かれてたように思います。
女社長と子育て主婦が、作品内でぶつかってたみたいに、現実でもそういうぶつかり方ってたくさんあるし、最近になって私もヒシヒシと感じるようになりました。
普通の会社勤めのしんどさは想像しかできないし
彼氏がいない時の気持ちもだいぶ忘れたし
子育てしてる人は尊敬することしかできないし
婚活の大変さなんて未知の世界やし
人の苦労なんて、想像だけで測れるもんじゃないけど、想像してみたところで、結局私にはわからないんですよね。
でも、想像してくれたってだけで、救われるところはあるというか、
とはいえ、なんでも想像力と歩み寄りなんやろうけど、余裕がなくなると難しい。
いかなる時も完璧に、なんて難しいから、できる時に、少し勇気を出して行動してみる、ってことを、私も大切にしていけたらな、とぼんやり思いました。
必要なときに必要な人があらわれる、というか、
この女社長と主婦のように、まったく違う生き方でも、歩み寄れるような関係を、私も大事な人たちと築いていきたいです。
おわり。
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