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月にまつわるあれこれ  もりたからす

月、といわれて思い浮かぶことを、アトランダムに記していく。

1.竹取物語について

・何らかの方法で地球の竹の中に小児を入れる技術が確立されてるのに、帰りはシンプルに大軍お迎えシステムなの不思議。

・結婚条件アイテムの中で「燕の子安貝」だけ「燕」部分が実在していてやや難易度が低そうなことから、石上麻呂足が求婚者5人の中でダントツイケメンだった可能性が浮上する。

・ポケモンのクレセリアちゃんが可愛すぎて、捕まえたら「かぐや」と名付けて主力にしがち。

2.大江千里について

・月見ればちぢにものこそかなしけれ我が身ひとつの秋にはあらねど

・照りもせず曇りも果てぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき

・上記の二首から分かる通り、この人は確実に夜間、屋外で恋人に振られた経験がある。その上で「いやいや、漢詩のオマージュだから!月の句題多くて辛いわー」でやり過ごした人生だったのだと思う。

・源氏物語で一番好きな女性はもちろん朧月夜ちゃん!「安易に女に手を出すと社会的ダメージに繋がる」という当然の事実を源氏に叩き込んだ上、作中ほとんど唯一、自らの意思で源氏から離れることができた最高の女。

3.夏目漱石について

・漱石で月といえば『虞美人草』の小夜子。

『色白く、傾く月の影に生れて小夜という。』

美しすぎる。絶対に声とか小さいし、小坂菜緒感が強くてとても良い。

・そもそも私は『虞美人草』が好きだ。最も多く読み返している漱石作品だろう。装飾過多のコチコチ美文、内面からっぽキャラ造形、その他失敗作要素てんこ盛りだけれど、なぜだか愛おしい。

・文学史上類を見ない死因、「ラブホに行く約束を彼氏にすっぽかされて憤死」を達成する藤尾からも目が離せない。

・ちなみに『漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した』というのは大嘘。出典がないだけでなく、センスの欠片もないフェイクなのだから救いようがない。

・明治という時代背景を前提とするならば、そもそも月が綺麗に見える時間帯に二人で出歩いている男女を信じてはならない。そいつらは不良だし、もう抱擁も接吻もしまくっている。

ここまで文学ばかりを扱ってきたが、実は私は秋になるとマクドナルドの月見バーガーのことしか考えられなくなる。あれは月を模した卵黄を覆い隠す構造をしているので、よく考えると全然月見ではないのだけれど、『実存は本質に先立つ』とフランスの偉い人も言っていた気がする。

食事の話題中にサルトルを連想させる表現をしたことをお詫びしつつ、この記事を終える。


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