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私の好きなもの①煎茶道

自他ともに認める「三日坊主」の私が唯一、続けているお稽古が「煎茶道」である。「煎茶道」とは簡単にいうと、茶道の一種であり、急須で煎茶、玉露、番茶を入れるお手前のこと。茶道=抹茶(薄茶・濃茶)だとすると、煎茶道=緑茶(煎茶、玉露、番茶)がわかりやすいかもしれない。

春のお菓子と煎茶(お茶会にて)

私がお稽古に通い始めたのは、27,8歳のこと。もちろん、出版社に勤務していた時、著者と雑談していると「実はこれから茶道のお稽古なの」と言うので、「いつか茶道を習いたいんですよね〜」とふと口にした。すると、自分の師匠は90歳を超えててもう、弟子は取れないけれど、師匠の友人は精力的にお稽古していて、私のマネージャーがお稽古に通っているから、すぐに連絡してみて!という流れで、あれよあれよという間に通うことに。

いざ、体験でお稽古に行ってみると、茶道ではなく煎茶道であったが、「先生は100歳まで生きるから。仕事が忙しいでしょう?<煎茶道→お抹茶(茶道)→華道>と順番にお稽古していけばいいわ〜」と熱心に勧めてくるので、日本人の嗜みとして、恥ずかしくないレベルが身につけばいいというつもりから、かれこれ十数年ほどの月日が経っている。

私のお師匠さん、和(しずか)先生は100歳まで長生きをすると豪語していたのに、私が通い始めて数年後のある日、突然、天に召された。お稽古場であった自宅で倒れてそのまま……。それから数ヶ月後、娘の恭子先生が継いで、今もお稽古が続いている。

お茶会でお手前をしている私

グローバル社会の中、海外を訪れた際に、お茶の一服でもたてられたらいいな、という漠然とした気持ちで始めた「煎茶道」だったけれど、今でも続いているということは、それだけの魅力があるということ。煎茶道は禅宗に由来があり、(長くなるので、別の機会に)、お稽古している時は、瞑想とまではいかないが、余計なことはほぼ考えないという、一種の「無」や「空」の世界を感じられる。私が勝手に感じているだけかもしれないけれど、私の中では「瞑想」と同じ効果があると思う。いつまで続けられるのか、わからないが、一生をかけて続けていきたい「お稽古」だ。

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