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軽症なはずの子ども達に与える重大ダメージ 後編

コロナ禍の子ども達に何が起きているのか?
二人の子どもと子どもと親に関わる仕事から考えてみました。
良かったらお付き合いください。


前編はこちら


前回からの引き続き

オカンの心

不登校の娘は心が疲れていて、学校に行ってほしい。
などは全く思わないのですが、
自分に自信がなくなってしまった事。
何もやる気が起こらなくなってしまっている事。
そして、一番気にかかっているのがこの現状を打破するのは本人しかできない。
という事。
前回のコロナ禍における思春期のこどもとその保護者のこころの実態報告書
から見て、誰かに相談する。事が適切だと感じる一方、
抑うつ状態が重度になる程に相談しない子が増える。
それはそうよね。とは思うが、そこを何とかしたいのが親心である。
一人で考える事でどんどん深みにハマって沼状態を経験済みの私としては、
その先に待っている、もう、疲れたな。
とプツっと切れる瞬間までにどうにか、何か良い方法はないものか?
と思うのである。
けど、これで私まで心が疲れても仕方ないので、
明るいだけが取り柄のオカンは、色々自分なりに娘と話しつつ、息子と面白い事考えて日々過ごすしかないよねー。と笑っておく。

一応、四十年以上生きてきた者として、我が子含め大人が子どもに出来る事を日々考えなければと思う。
こちらは、とても興味を惹かれた内容だった。

コロナ禍における子どもの心理的影響の一考察

コロナ禍においての生活の変化を、ライフイベントの観点から数値化して考えてゆくという資料だ。
この中で、表2社会的再適応評価尺度 というのがある。
変化による危機を克服し再適応する為に必要とする努力を数字にしてくれている。
例えば
配偶者の死 は 【100】
離婚 は 【73】
等わかりやすく数字にしてくれていて、色々なライフイベントごとに分けられている。
へぇーー。と思ったのが、
親密な家族の死亡 は 【63】
に対して、
自分の病気あるいは傷害 は 【53】
何だか、ほっとするというか、人は自分に起きる不幸よりも
どうしようもない現実、他者の死からの気持ちの回復の方が努力を必要とするのだ。

他者に起こった死は、自らではどうしようもない現実だが、その悲しみや不安は自分の心だからどうにかできそうな感じもするのだが、それには63パワー必要。
一方、自らに起こった不幸は自分の気持ち次第で変化させられる。ということで53パワーで妥当なんだろうか?

と、色々な考えを巡らせる事ができる内容となっている。
ちなみに一番低く設定のあるライフイベントは
ちょっとした違反行為 【11】
だった。信号の少ない道での横断歩道なしで渡る。とかかな?w

そして、これらのライフイベントの中でコロナ禍で子ども達が経験したと推測されるものは、平均の半分以下のものが多いけれど、
複数になる。という事。
小さなストレスがたくさん降り積もっているという事だった。
そして、その中でまた、別の数字の高い
親密な家族の死
なども併発している場合もあるという現実だ。
けれど、そのような数字の高い子達は適切にメンタルケアを受ける機会も多くあるが、
降り積もった子達にはそのような支援が行き届かない、もしくは、本人も気づいていない場合もあるという問題があるという事を知っておいた方がいい。

次に、対象消失についてのところは、不登校に悩む親に是非みてほしい内容だった。
内容はかなり深いものなので簡単に記載するが、
コロナ禍で色々な制限があった中での生活が環境の喪失(学校休校・部活や習い事の自粛など)になり人間関係の関わりの希薄で寂しさを抱く。
卒業などの気持ちがわかりやすいだろうか。
これは親から見てもわかりやすい。
一方で、自己イメージの喪失は目に見えるものではなく、
個々のこころの中で起こっている事なので非常にわかりにくい。というものだ。
青年期のアイデンティティの確立が課題となる時期に、親以外の友達関係から得られる心理的居場所や集団の中での自己イメージの確立から離れてしまった後の孤独感。
達成感を得る前に、全ての機会を失うという現実。
これらの、自己の確立過程での急激な変化が自己イメージの喪失になり、
ストレスになってゆく。
これは、娘に対してとても参考になった。
大人達はこれらをいつも頭に入れて、子どもと接することが必要だと思った。
私の解釈が間違っているかもしれないので是非資料を読んでみて欲しい。

最後に、人間にはレジリエンスと呼ばれる心の回復が備わっている。
レジリエンスには二つの側面がある
1,一時的に落ち込んでも短期間で回復する側面(復元力)
2,何らかのストレスに直面しても不具合を起こしにくい側面(抵抗力)
このコロナ禍を経験した今
日常時にこのレジリエンスを高めストレスに備えることが大切だ。
という事だった。
息子はレジリエンスが高い気がする。
それは、何故そうなったのか?を考えてみたが、全くわからない。
ただ、私の思考と違った経路で答えに行き着く事が多く、
その度に一緒に色々話をしてきた。
すると、そっちだともっといいね。
や、それだとしんどくなっちゃうね。
等、気持ちと行動の連動を表現する事が多かった気がする。
こっちにしたら 53パワーでちょっとしんどくなるけど
こっちにしたら 30パワーくらいで大丈夫だね。
という感じだ。

その人その人の性質もあるので、一概には言えないけれど、
大人は、親は、色々試して正解を求めるのではなく。
最適を探してゆくことが大切だと思った。

長くなりましたが、読んでいただいてありがとうございました。

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