【38話】総額6200万円をライバーに投げたオッサンの末路 推しは10代ばかり
【はじめに】
とあるライブ配信アプリで見かけた爆投げオジサンについて記す。いわゆる石油王と呼ばれる輩のひとりだ。ライブ配信で神のように扱われる一方で、リアルでは全く正反対の自分にコンプレックスを抱いているようだ。自身の生い立ちをnoteに書いていたので読んでみた。
長文だったが、若い頃にライターをやっていたようで比較的読みやすかった。彼の悩みの元凶は「こうあるべき」と、考えが固執しているところだ。
高学歴かつ、超一流企業で高収入だったにも関わらず、精神疾患を患い、お金をライブ配信に「熔かす」日々を送っている。
ライブ配信アプリのアカウントを調べると掲示板には、「是非!うちの枠にも来てください❤️」と、若い女性ライバーに蠅🪰のようにたかられる書き込みで溢れていた。
最も投げているライバーには1400万円以上投げていて、その他にも100万円を超える推しが何人もいた。これまでの課金額を推計したところ、6200万円投げているようだ。(ChatGPTの予測演算に感動😳AIってすげ〜)
50歳を超える寂しいおっさんだが、推しのライバーは10代ばかりだ。アニメオタクだったようだ。なんとなくどんな人かは想像できる。そしてnoteには金が尽きたら命も尽きるようなことを書いており、その末路は無敵状態だ。正直言って怖い。
はたしてあの時、彼はライブ配信アプリの世界と出会い、結果幸せになれたのだろうか?以下に記した彼の生い立ちから、現在に至るまでの人生を想像し、あなたは何を思うだろうか?
【概要】
橋下剛(仮名)は、バブル時代に思春期を過ごし、人生を通じてさまざまな困難と孤独に直面してきた。彼の人生は、特定の時代背景や家庭環境、そして個人的な課題が複雑に絡み合い、彼の抱える苦悩や社会との疎外感が一貫したテーマとして浮かび上がる。バブル期の派手な消費文化や社交性の重視に適応できなかった剛は、周囲との疎外感を深め、内向的な性格がその孤立感を助長した。家庭では、名家の期待に応えられないというプレッシャーがあり、父の死後さらに孤立を深めた。発達障害と診断されたことで、自身の孤独感に理由がついたものの、社会の無理解に苦しむ。
大学時代に一時的に解放感を得たものの、社会に出てから再び男性中心の文化に馴染めず、孤立感を抱えたまま日々を送った。コロナ禍でライブ配信に救いを見出したものの、ネットでの攻撃に遭い、精神的に追い詰められる経験をした。剛はその孤独と向き合いながら、自身の人生を見つめ続けている。
【1,バブル期の思春期:浮かれた社会との疎外感】
剛が思春期を過ごしたのは1980年代後半から1990年代初頭、いわゆるバブル期の日本である。この時代は、経済が非常に好調で、人々は派手な消費や贅沢なライフスタイルに溺れていた。しかし、剛はその時代に全く馴染めなかった。バブル期の華やかで享楽的な雰囲気とは対照的に、内向的で、他者との関わりを避けがちな性格だった。この時代、多くの若者は「陽キャ」として社交的であることが求められ、内面的な悩みや孤独感を表に出すことは「かっこ悪い」とされていた。剛はそんな風潮の中で、「陰キャ」や「根暗」として扱われ、自分の居場所を見つけられずにいた。
バブル期に特徴的だったのは、表面的な明るさや派手さに価値が置かれる一方で、内面の悩みや文化的な趣味を持つ人々が疎外される風潮が強かったことだ。この時代、特に男性は社交的であることや、女性との交際経験を積むことがステータスとされ、剛が通っていた男子校でもそれが顕著だった。生徒たちが酒やタバコ、さらにはドラッグを楽しみ、アイドルやモデルとの派手な交際を誇示していたが、剛はそうした文化に全く馴染めなかった。そればかりか、クラスの中で「橋下くん」と敬称付きで呼ばれ、あたかも同級生たちからは仲間外れにされているかのような扱いを受けていた。このような経験は、剛の中に「自分はこの社会に属していない」という疎外感を強く植え付けた。
【2,家庭環境:名家の息子としてのプレッシャーと父の死】
剛は名家の生まれであるが「失敗作」と呼ばれており、幼少期から家族の期待に応えられないことへのプレッシャーを感じていた。また、幼少期には人間関係をうまく築けず、運動や生活面でも他の子供たちに比べて不器用だった。その結果、小学校時代にいじめを経験し、男子にも女子にも恐怖を感じるようになる。このような環境の中で育った剛は、自信を持つことができず、自己評価も低いまま成長した。
さらに、人生において重要な転機となったのが、中学1年の時に父親を亡くしたことである。父は剛にとって唯一の味方であり、父の死後は家族の中でさらに孤立していった。母親は剛を「まとも」にするために厳しく叱咤したが、それが逆に剛にとっては重荷となり、精神的な苦痛を増す結果となった。また、弟は自分とは対照的に「陽キャ」として振る舞い、母親の死後には自分と絶縁することになる。弟との絶縁は、親族との断絶を意味し、これによって剛は完全に孤独な状況に追い込まれた。
【3,社会との関係:大学での解放とその後の社会人生活】
大学に進学した剛は、有名大学に集まる個性的な学生たちの中で、初めて自分の居場所を見つけることができた。それまでの男子校での抑圧的な環境から解放され、変わり者たちが集まる自由な空間でやっと心の安らぎを感じることができた。しかし、女性恐怖症を抱えていた剛は、最初の1年間、ほとんど女性と話すことができなかった。それでも、周囲の女性たちが積極的に話しかけてくれたことで徐々に打ち解け、2年生の短期留学時には性別や国籍を超えて多くの女性と交流するようになる。この経験は剛にとって大きな転機となり、女性との関係において少しずつ自信を取り戻していく。
しかし、その後の社会人生活では再び厳しい現実に直面することになる。剛が最初に就職したのは超大手のコンピュータメーカーだったが、そこでの職場環境は極めて男性中心的であり、若い社員たちは仕事の後にナンパや風俗に出かけ、性的な関係を誇示し合うような文化が蔓延していた。彼らは「今週何人と寝たか」をグラフにして競い合い、剛はそうした環境に全く適応できず、再び孤立感を深めていった。
【4,恋愛経験:孤独な愛と他者とのすれ違い】
剛は恋愛経験が少なく、異世界の出来事のように思っている。大学時代に特に親しくしていた佳奈美(仮名)は、剛に懐き、同じサークルやバイト、ゼミに入るなどして積極的に関係を深めていったが、彼女には常に恋人がいた。剛が告白した際、彼女は「先輩としてしか見られない」と言って断り、それでも剛の周辺から離れることはなかった。この経験が、剛にとって恋愛というものが理解し難いものになった。
剛は人生で2度、恋人らしき人物と関係を持ったが、どちらも満たされるものではなかった。最初の恋人は自分の学歴や芸術活動にしか興味を持たなかった。それどころか自分の友人に次々と手を出していった。最後の恋人は、彼女がヒステリックで問題が多くすぐに破局してしまった。このような恋愛経験から剛はすっかり恋愛に対する自信を失い51歳になった現在、もう恋愛をすることはないと断言した。
【5,孤独との向き合い方:発達障害と人間関係の断絶】
剛の人生において最大のテーマは、孤独である。45歳の時に発達障害と診断され、それによって自身の生きづらさに名前がついたが、それまでの人生で人間関係において常に困難を感じてきた。大学時代の友人たちも次第に去っていき、今現在、精神科の医療関係者や福祉関係者、そして飼い犬以外に話し相手がいない状況にある。剛の孤独感は深く根付いており、特にかつて親しかった女性たちが幸せに過ごしている様子を見るたびに、自分の人生と比較してさらに苦しんでいる。
剛は「愛されて育った人々」に対して強い羨望と嫉妬を感じつつ、自分の小さな頃から抱えてきた孤独感や疎外感が、自分自身の欠陥や他者との決定的な違いによるものだという感覚を強く持っている。剛が何度も強調するのは、「自分は愛されるべき存在ではない」という根深い自己否定であり、それは家族関係や恋愛、友人関係においても一貫して現れている。
剛の人生において、発達障害という診断は一種の解放でもあったが、同時にそれは、自分がなぜ他者と同じように生きられなかったのか、なぜ自分の人間関係がいつもうまくいかなかったのかということへの痛烈な確認でもあった。その診断を受けて以降、ますます自分の孤独に向き合わざるを得なくなったが、それでもその孤独を完全に克服することができないままでいる。
【6,芸術との関わり:自己表現の場としての救い】
剛の救いとなったものの一つが、芸術活動である。大学時代から文学や音楽、絵画などの芸術に強い関心を持っており、これらの表現活動は、自分自身の感情や思いを形にする手段であり、現実の人間関係ではうまく伝えられない内面的な苦悩を吐き出す場となった。剛が感じてきた孤独感や疎外感は、芸術の中でのみ真に表現され、それが剛自身のアイデンティティを形作っている。
しかし、その芸術活動もまた、完全な癒しをもたらすものではなかった。特に、かつて深く関わっていたバンド仲間たちも、剛の失敗や挫折の後には次第に自分のもとを去っていき、その結果、またしても孤立を深めることになった。バンドを通じて一時的に解放感を得ることができたとしても、それは長続きせず、結局のところ、剛は常に「他者に受け入れられない」という感覚とともに生きている。
【7,社会的な役割と疎外感:変わらない社会の風潮】
剛の人生には、常に社会とのギャップが存在していた。思春期にはバブル期の表面的な派手さや社交性を強要され、社会人になってからも男性中心の職場文化や性に対する過剰な期待に圧倒され続けた。そのような社会の風潮に適応できず、常に「異物」であり続けた。
これは単なる性格の問題ではなく、剛の発達障害による特性や、自己表現の手段として芸術を選んだことが、それに対する社会の理解不足にも起因しているという、他責の念が強い。
特に現代の社会においては、SNSやデジタル技術の発展により、他者とのつながりが以前よりも重要視されるようになったが、剛にとってそのような「常につながっている」社会はさらに苦痛である。他者とのつながりに恐怖を感じる一方で、孤独感に苛まれ続けている。これは、剛が他者との関係を欲しているにもかかわらず、それがうまくいかないという矛盾した状況に直面していることを示している。
【8,剛にとってのライブ配信とは:コロナ感染で入院中に出会ったライバー】
2020年冬にコロナ感染で危篤状態になり、孤独と不安に苦しんでいた際、深夜に偶然見つけたライブ配信に救われた。隔離されたコロナ病棟で主治医にも会えず、人と接する機会がほぼなかった中、配信者とのやり取りを通じて人の温もりを感じ、大きな支えとなった。この経験がきっかけで、退院後に本格的にライバーを応援するようになった。
しかし、応援活動を続ける中で、ライブ配信の課金システムやオーディション形式に対して次第に疑問を抱くようになる。芸能の評価基準が課金や根回しの上手さに偏り、ライバーの本来の才能や将来性が十分に評価されていないと感じ、オーディション形式のライブ配信のあり方に違和感を覚えるようになった。また、無課金でコンテンツを楽しむ風潮や、応援の在り方にも不安があり、ライブ配信ビジネスの仕組み自体を根本的に見直す必要性を感じている。
剛は多額の課金でライバーを応援しているが、その資金源について「遺産で遊びほうけている」といった誤解や悪意ある噂に悩まされている。実際には、両親や祖父母を早くに亡くし、相続した遺産で生活しているが、それは病気のため働けなくなった生活費や応援資金に充てられているに過ぎない。精神疾患によって働くことが難しい状況にあるため、将来的に資金が尽きることも覚悟している。それでも、応援を続けることで自分が生まれてきた理由を見出そうとしている。応援活動は、自身の人生観や生き方が強く反映されているといえる。
【9,剛を攻撃する者達:ライブ配信で集団リンチにあう】
剛は精神病棟への入退院を繰り返している。そんな中とあるネット配信で大きな精神的ダメージを受けた。配信者が「コロナウイルスに感染してみたい」と発言したことに対し、剛は自身の辛いコロナ闘病経験を伝えた。しかし、配信者は嘲笑し、リスナーも集団で攻撃を加え、剛をを追い詰めた。結果として剛は2日間何も食べられず、体調は急速に悪化。恐怖や絶望、希死念慮に襲われ、動けなくなり、オムツをせざるを得ない状態にまで追い込まれた。
配信者の無知と無神経さに強い憤りを覚え、人間には「想像力」が必要であり、経験せずとも他者の痛みや苦しみを理解しようとする力があると主張した。しかし、精神障害者に対する社会的な無知や偏見は深刻で、特に日本ではその傾向が強いと言う。TikTokで「モラハラ」を軽視した音源がバズる現象にも驚きを隠せない。自身も精神障害を抱え、これまで数多くの侮辱や偏見に晒されてきた経験がある。病気に対する無理解はネットだけでなく、身近な家族や友人の間でも顕著であり、「甘え」や「気の持ちよう」として軽んじられることが多い。
【10,孤独の中での自己肯定と未来への希望】
剛は、こうした厳しい人生の中で時折、自己肯定感を持とうと努めている。特に愛犬との関わりが癒しとなっている。愛犬は無条件に剛を受け入れ、孤独な自分に寄り添う存在であり、それが心に一時的な安らぎをもたらしている。しかし、孤独感や自己否定の根は非常に深いため、たとえ動物との関係が剛を救っても、人間関係における孤立感は依然として残り続けている。
剛は今後も大きな変化を望んではいない。これ以上の恋愛や新しい人間関係を追い求めることはないという。しかし、その一方で、剛は自分がどのように孤独と向き合い、これからの人生をどう生きていくかについて慎重に考え続けている。過去の失敗や挫折を繰り返すことを避けるために、自分自身を守りながら生きる道を選んでいる。
【まとめ:剛の複雑な人生とその価値観】
剛の人物像は、バブル期の派手な時代背景、家庭内の複雑な関係、そして自身が抱える発達障害という側面から成り立っている。剛の人生は、一見すると苦痛と孤立の連続のように見えるが、その中で自己を探求し続け、芸術や動物との関わりの中で僅かながらも救いを見出している。剛の自己認識は非常に深く、常に自己否定と孤独との葛藤を続けているが、その一方で、自分自身の生き方を冷静に見つめ、これからも自分に合ったペースで生きていこうと決意している。
剛の人生は「普通」とは異なる軌跡をたどってきたが、それでも剛はその人生の中で自分なりの価値を見出そうとしている。最終的に求めているのは、他者に認められることではなく、自分自身を受け入れること、そしてその中で孤独を伴いながらも安定した生活を送ることである。その過程において、過去の失敗や人間関係の断絶を乗り越えつつ、自分自身の人生の意味を模索し続けている。
さあ、あなたはどう思っただろうか?
替え歌にしてみた👇
39話に続く、、、👇
注意)上記内容はフィクションである。登場する人物、出来事は全て架空で創造物である。
【次回以降の内容キーワードのメモ】
・高学歴・高収入・高身長(3K)のための結婚女性の選び方
・ビックマム(One Piece)に魂を売ったライバーM君
・ママライバーの賛否。子供放ったらかし配信を見て
・SNSアルゴリズムによる思想の分断
・アヘン戦争とSNS依存症
・ライブ配信アプリをやっていて感じるマイノリティー(社会的少数者)
・開運!占いライバー撲滅運動
・応援する人の心理「伸び代が見えるから応援する」
・あなたは有料?無料コンテンツ?価格設定の難しさ
・信用スコア、SNSのアルゴリズム。
・アイデアはいくらでもある、、、
・インスタにイケメン加工あげてみた
・『超高音ボーカル』て、、、コイツ「イタイ奴」やなと思われてる?
・著作権ガン無視のライバー達(DJ配信て、原曲流してるだけやん)