孤独じゃなかった芥川龍之介
芥川龍之介「河童」
山手線の田端駅周辺は、地形が独特だ。細長い台地の縁で坂道だらけ。北口を出たところの駅前通りは切り通しになっていて、見上げるような高い場所に橋がかかっている。それを2つほどくぐって、折り返すようにして急な階段を上ると、芥川龍之介(1892〜1927年)の旧居跡はすぐそこだ。
もともとの敷地の3分の1ほどがいま、更地になっている。北区が取得していて記念館を作るのだそうだ。大正3年に田端に引っ越してきた芥川は、一時期鎌倉などにも住んだが、昭和2年に自死す