子どもに身に付けさせるべきことNo.2
ウサギ仙人(ウ仙)から子育てに身に付けさせること1位を学んだ亀子であったが、
『読書習慣が社会的地位を決める』と言っても過言ではない
亀子「子育てで生活習慣の次に大切なことって何ですか?」
ウ仙「こんな話があるんじゃよ」
亀子「わたしも石を拾っておけばよかったと思うタイプです」
ウ仙「石を拾って、その石が時間が経ってダイヤモンドに変わるというのは、『地味だけれどコツコツと続けることで将来役に立つ努力』の例え話で、その代表的なものが読書習慣なんじゃよ」
亀子「高校の時の校長先生にも入学式の式辞で『3年間読書を頑張ってください』と言われましたが、1冊も読みませんでした」
ウ仙「3年間読書を続けていた生徒とはずいぶん差が開くじゃろ」
亀子「大人になってから読むようになりましたけどね」
ウ仙「
子育てで大切なことの二つ目は、子どもに読書習慣を身に付けさせること
なんじゃよ。なぜなら世界中で将来の社会的地位を決める一番の要素は、母国語の語彙の数の多さだからなんじゃ。子どもが乳幼児の時は親の語りかけで語彙の数が決まるんじゃが、大人になるにつれて、読書習慣によって語彙の数が決まってくるからな」
亀子「そういうことなんですね」
ウ仙「子どもに読書習慣を身に付けさせようと思ったら、子どもの発達に合わせて関わり方を変えんといかんのじゃ」
亀子「発達に合わせて?」
ウ仙「そうじゃ。子どもが言葉を口にするのは、生後1歳を過ぎてからじゃが、言葉そのものを獲得しようとする行為は生後すぐに始まっておるんじゃよ。口から発することはできんけど、理解している言葉のことを内言語というんじゃな」
亀子「内言語というのは?」
ウ仙「たとえばまだ言葉の話せない赤ちゃんがいるとするじゃろ。その子に『ママのところに行っておいで』と指示を出すと、母親のほうに向かってハイハイしたら、その子は『ママ』という言葉を理解はしてるんじゃな。これを内言語というんじゃよ」
亀子「わかりました」
ウ仙「内言語の獲得は、社会に対応しようと生まれてすぐに始まるんで、生後3カ月から読み聞かせをすれば、内言語獲得に効果を発揮するんじゃよ。この時に読む絵本は、同じ言葉の繰り返しが多い『リズムのいい』絵本がお勧めじゃな」
亀子「今からでも間に合うかな・・・」
ウ仙「1歳を過ぎると、覚えた言葉を口にするようになってきて、多くの単語や短い文章を獲得しようとするんじゃ。だから1歳半から3歳くらいまでの間は、短い文章で構成された絵本がお勧めじゃな」
亀子「うちの子はこの話くらいかな」
ウ仙「2歳の終わりから3歳くらいになると、ストーリーが理解できるようになるんじゃ。だからストーリー性のある昔話やおとぎ話の絵本がお勧めじゃな。とくに2歳から4歳までは、獲得言語の数がたったの2年間で200から1000と5倍になることから、言語爆発期と呼ばれているとても重要な言語成長期なんじゃ。子どもが気に入った絵本を何度も何度も繰り返し読むことで、たくさんの言語を獲得して感情豊かな子どもになっていくんじゃよ」
亀子「早くやらないと手遅れになりそう」
ウ仙「5歳を過ぎると、簡単な文章の絵本なら自分で読むことができるようになるんじゃ。読み聞かせだけでなく、今度は子どもが読むのを親が聴くということを始めてもらうことがお勧めじゃ。子どもが小学校低学年の間くらいまで子どもが文章を読むのを親が聴くということを繰り返してもらうと、大人になってからの読書習慣が定着するんじゃな」
亀子「たかが読書習慣一つとっても、細かく考えるんですね」
ウ仙「そうなんじゃ。結局、
世の中の一流の人たちや夢・志を実現している人たちは物事を具体的かつ詳細に考えているだけ
なんじゃよ」
亀子「なるほど」
ウ仙「イギリスのブレア元首相がかつて『7歳の子どもの読書量が20年後のイギリスの存在価値を決める』と言ったそうじゃが、
大人になってからの読書習慣は7歳までの親のかかわりで決まってしまう
んじゃな」
こうして亀子はレベルが上がった。
①読書習慣が将来の社会的地位を決める
②読書習慣を身に付けさせること
③世の中の一流の人や夢・志を実現している人たちは物事を具体的かつ詳細に考えているだけであること
④大人になってからの読書習慣は7歳までの親のかかわりで決まってしまう
ということを学んだ。(つづく)