運のよさも3種類ある(地運)①
ウサギ仙人(ウ仙)から子育てについて伝授してもらっていた亀子であったが、
亀子「運のよさって人生にとって本当に重要なんですかね?」
ウ仙「そりゃ、そうじゃ。世の中でいわゆる成功している人の要因は『運のよさ』が9割なんじゃよ」
亀子「ドラクエ3で『遊び人』だけが運のよさが上がっていくので、運がいいと遊び人になってしまいそうで・・・」
ウ仙「ドラクエ3の運のよさは、敵を倒して宝箱を落として行ってくれる確率が上がるだけで、人生のステータスとは無関係じゃからな。運のよさについては、前にも話したことあったじゃろ」
亀子「もちろん、この話は覚えていますよ」
3種類の運とは人運・地運・天運
ウ仙「実は運には3種類あるんじゃよ」
亀子「3種類もですか?」
ウ仙「強いて言えば、人運・地運・天運の3つじゃな」
亀子「直江兼続の大河ドラマのタイトルみたいになってますね」
ウ仙「前に話した松下幸之助が面接で『あんさん、運がよろしいでっか?』と訊ねて、『はい、運がいいです』と答えた人を採用したのは、人運のことじゃな」
亀子「人運?」
人運はいい人と巡り合う運
ウ仙「『運のいい人と付き合っていると、さらに運のいい人が集まってくる』という言い方をするが、他人の長所を見ることができる人運がある人の下には、なぜか同じような人運のある人が集まってくるんじゃよ」
亀子「『類は友を呼ぶ』ってやつですね」
地運は努力して成功に近づく運
ウ仙「前に栗山監督が講演で質問された話をしたじゃろ?」
亀子「それも覚えてますよ」
ウ仙「実はこの時に他の聴講者から『どんな選手をレギュラーにしたいですか?』という質問も来たんじゃよ」
亀子「栗山監督はなんて答えたんですか?」
ウ仙「『凡打だったとしても一塁まで全力疾走する選手』という答えじゃった」
亀子「どういうことですか?」
ウ仙「たとえ凡打だったとしても、相手がエラーをするかもしれんじゃろ?本人が納得できないからって、手を抜いて走らないと一塁でセーフになるチャンスをミスミスと手放してしまうんじゃよ」
亀子「なるほど」
松下幸之助の地運
ウ仙「松下幸之助は地運も大切にしたんじゃ」
亀子「人運の話だけではなかったんですね」
ウ仙「今から松下電器(現・パナソニック)が創業してから中企業に成長してきた時、社長であった松下幸之助は毎朝会社の入り口に立っておったんじゃ」
亀子「小学校の挨拶運動みたいですね」
ウ仙「当時は、社員になっても出勤してこない者もおったり、突然連絡なしに会社を辞める者もいる世の中だったそうじゃ」
亀子「今みたいにSNSなんてないですもんね」
ウ仙「『出勤してきてくれるだけありがたい』という思いで、出勤してきた社員に『今日もありがとう』と挨拶しておったんじゃ」
亀子「経営者の鑑ですね」
ウ仙「ところがな、松下幸之助は朝の7時から7時半までしか入口に立たんのじゃよ」
亀子「どうしてですか?」
ウ仙「朝早く出勤する社員を把握するためじゃ」
亀子「それを知って、どうするんですか?」
ウ仙「人事の時に、課長や部長に昇格させるのはこの中からだったそうじゃ」
亀子「遅く出勤したら、能力があっても出世のチャンスはないということですか?」
ウ仙「そういうことなんじゃよ。松下幸之助は『チャンスは平等だが、それを手にするには自分でつかまないといけない』という旨の発言もしておるんじゃよ」
亀子「なんか似たような話を聞いたことがありますね」
チャンスをつかむには日頃から努力して、そのチャンスを手にできる場所にいること
ウ仙「これがまさに地運の正体ということじゃな」
こうして亀子はレベルが上がった。
地運のよさが少し上がった。(つづく)