エンジニア・技術職 留学生内定者座談会をお届けします
こんにちは! 留学生の就職支援・サポートをしております、ASIA Linkです。
就職活動中の留学生の皆さんはもちろんのこと、就職活動の支援をされている先生方も、どのような留学生が採用されているのか興味をお持ちかと思います。
今回は2022年11月2日に行った、23卒の理系留学生の内定者3名の座談会の様子をお届けします。Zoomウェビナーで、これから就職活動を始める後輩留学生に向けて、貴重な就活体験談を語ってくれました。
(弊社ブログの2022年11月2日の記事から転載しております。)
パネリスト
Kさん(中国):大学院・機械工学専攻 自動車メーカーの技術職に内定
Nさん(モンゴル):大学院・建築工学専攻 建設会社の施工管理職に内定
Sさん(中国):大学院・ロボティクス専攻 電気装置メーカーの技術職に内定
司会はASIA Linkのスタッフです。
司会:みなさん、おはようございます! 今日は、ご参加ありがとうございます。就職活動をして内定を取った留学生のみなさんに、今日はお話しを伺います。貴重な体験談なので、みんなにシェアしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
パネリスト:よろしくお願いします!
就活前に不安だったことは?
司会:就活を始める前はいろいろ不安がありましたか?
Kさん:私は、日本で就職が決まったらうれしいけれど、就職が決まらなかったら中国に帰ればいい、という気持ちで就活を始めたので、不安は30%くらいしかありませんでした。でも、最初に学校推薦で受けた企業の面接で不合格になり、日本語力が足りないとのフィードバックをもらったので、最初30%だった不安は50%になりました(笑)。そこから日本語の勉強をがんばりました。
Sさん:就活前からいろいろな企業を調べましたが、その企業が本当に自分に合っているのかがわからず、そこが一番心配でした。企業の情報は、セミナーに参加したり、研究室の先生や先輩からのお勧めを聞いたりして集めました。一番役に立ったのはASIA Linkです。情報の多くは、様々な専攻や職種を対象にした説明だったのでわかりにくかったですが、ASIA Linkは自分の専攻や職種に合わせて説明してくれるので良かったと思います。
Nさん:私が探している会社が、私を望むかどうかが一番心配でした。私の場合、子どもがいて育児をしながらの就活だったので、条件が合うかどうかも心配でしたし、育児と就活の両立も大変でした。たくさんのESを書く時間も取りにくかったです。ASIA Linkのような留学生と企業をつなぐエージェントがあったからこそ、スムーズに就職活動を進めることができました。
自分のやりたい仕事、入りたい会社はどうやって決めた?
Nさん:直接会社に行けるインターンシップは、その会社の雰囲気がわかるので役に立ちました。この雰囲気の中で本当に自分がずっと働いていけるのか、それを知るためにインターンシップは役立ちました。
Kさん:私は、自動車メーカーで働きたいという希望が就活の早い段階から決まっていました。職種は、自分の専攻がロボティクス分野なので、自動運転と研究開発のエンジニアに志望を絞りました。その上で、自分の能力・希望条件・好みなどに合う企業を探していきました。
Sさん:私の就活の軸は2つありました。一つは、日本のメーカーで技術者として働くこと。もう一つは、自分が勉強しているロボット技術の知識を活かして、ハードウェアとソフトウェアの両方に関わっていける会社を選ぶことです。この就活軸は、最初から決まっていたのではなく、最初は幅広く業界を見ていました。就活を進めるうちに、面接官から「専攻分野が違うのにどうしてうちの会社に来るのか?」と聞かれたりして、自分の専門に合う仕事がいいんだ、ということがだんだんわかってきました。
Nさん:私はもともと、建築の設計者になりたいという意思がとても強かったんです。ただ、就活の過程の中で、自分は設計者には向いていないかもしれない、ということに気づきました。企業の説明会などで、設計職と施工管理職それぞれについて、新入社員、3年後の社員、5年後の社員の一日の仕事の内容やキャリアパスなどを調べるうちに、自分には施工管理職のほうが向いていると思うようになりました。この就活軸で企業に応募して、最終的には勤務地や子育てとの両立といった福利厚生も重視して内定先に決めました。
司会:なるほど、就職活動をしながら、自分に合う仕事・会社がどれかを探して、現在の内定先に決まっていったのですね。ただ、内定をもらっても、本当にこの会社でいいのだろうか? と悩む人もいると思います。この内定先企業に就職しよう!と考えた決め手は何でしょうか? Kさんいかがですか?
Kさん:内定先は自分の希望業界である自動車メーカーで、職種も希望の技術職です。勤務地も希望の場所でした。その他に決め手となった理由としては、会社の価値観や雰囲気が自分に合っていると感じたことです。面接のとき、面接官のエンジニアから「あなたの強みは?」と聞かれ、私は「自分は中国人なのではっきり言うことが強みだ」と正直に答えました。
その時の面接官の嬉しそうな表情を見た瞬間、この会社は自分に合うかもしれないと感じました。また、この会社の面接はオンラインではなく対面で行ったので、会社の雰囲気を知ることができました。みんな明るくて、この環境は好きだと感じました。ホームページではこの雰囲気はわかりません。対面面接は大事だと思います。
面接で難しかったことは? 面接で大切なことは?
司会:オンライン面接は、移動時間や交通費が節約できたり、緊張しにくいというメリットもありますが、会社の雰囲気がわかるのはやはり対面面接ということですね。Sさんは、対面面接がありましたか?
Sさん:はい、ありました。対面面接では、その会社の社員の就業環境や会社の雰囲気がそのままわかります。会社の社長さんや社員の方々と直接コミュニケーションが取れるのも良いと思います。内定先の最終面接のとき、職場を見て、自分に合いそうだと思いました。大学の研究室と同じ雰囲気で様々な設備もありました。私の研究室よりきれいでした(笑)。仕事をしている社員の方々がまじめにがんばっている雰囲気もわかりました。
司会:社長さんとの面接はどうでしたか?
Sさん:とても緊張しました。社長さんからは、本当にうちの会社に来るかどうか、これから一緒に進んでいけるかを確認する、直球の質問がきました。私は、会社の将来の中に自分の道を探す感じで、どのように両者を合わせて一緒に進めるかというコミュニケーションを行いました。
司会:自分の進む方向と会社がめざす方向が一致しているか、それをお互いに確認するコミュニケーションだったのですね。両者が一致しているかを確認するのはとても大事ですね。具体的にどうやって確認しましたか?
Sさん:逆質問をしました。会社のこれからの発展について、そして製品の方向についてなどを聞きました。この会社の顧客である自動車メーカーは、バッテリーの開発市場が今後高まるので、外国人社員の力も活用しながら海外への発展もしていきたいという社長の言葉がありました。
司会:逆質問で自分の知りたいことをしっかり聞くのは大事ですね。面接で難しかったことも聞いていきましょうか。Nさんはいかがでしたか?
Nさん:日本での今後の自分の人生が100%どうなるか、というのは留学生にはわかりません。私自身、現在も100%の断言はできません。そこを、面接の中で会社の求めにどう合わせて伝えていくか、5年後10年後のキャリアプランについてどう伝えていくか。これは、留学生に共通の難しさだと思います。
私は、面接で5年後10年後のプランを聞かれたときは、100%とは言えない「可能性」を話すのではなく、「こういう働き方をしたいという意思が強くあります」と伝えました。
司会:なるほど。現在自分がどう考えているか、という意思を伝えることが大事ですね。Kさんは、面接についてはいかがでしたか? 難しい質問はありましたか?
Kさん:準備していない質問をされたときが難しかったです。面接官から「研究室で同じ内容の研究をしているメンバーがいるか。いる場合どのような協力をしているか。問題が起こったときどのように協力しながら解決していくか。」という質問をされました。会社としては、エンジニアがチームの中で協力していくことが大事であるため、このような質問をしたのだと思います。
私は、研究室に同じ研究をしているメンバーがいましたが、実際に協力することはあまりなく、この質問に対する準備もしていなかったので困りました。嘘は言いたくない。でも、「協力していない」とも言えない。そこで私は、「メンバーは各自の能力の範囲内でそれぞれに自分のことに取り組んでいる」「問題が起こったときは、問題点を検討・確認して、先生に報告する」と答えました。結果的には協力していないのですが、伝え方が重要だと思います。
日本語で苦労したことは?
司会:みなさんは、就活のいろいろな場面で日本語を使ってきたと思いますが、日本語の面で何が一番大変でしたか?
Sさん:「書くこと」が一番大変でした。研究室では、普段丁寧語を使わないので、いきなり「です・ます」で文章を書くのは難しかったです。企業とのメールのやり取りも難しかった。就活をしながら覚えていきました。
Nさん:ESなど「書く」ものについては、先輩・友人・先生に直してもらうことができたので、私の場合は大丈夫でした。一番難しかったのは、会話のキャッチボールです。面接では、話が終わってしまわないように、面接官から次の質問がちゃんと来るように答える工夫が必要です。これが難しかった。一つの質問にすごく長く答えてしまうと、相手が内容を覚えられず、会話が続きません。一つ一つの文章を会話のキャッチボールのようにすることを心がけました。
司会:けっこう面接練習もしたのですか?
Nさん:はい、一次面接はたくさん受けました。一次面接は慣れましたね(笑)。同じ内容をいろいろいな人と話すと、だんだん上手になります。できれば、まったく知らない人に自分のことを伝える練習がおすすめです。それで相手が自分のことを理解してくれれば、大丈夫だから。
Kさん:私は、「聞くこと」「話すこと」が一番難しかったです。面接の中で、相手の話を正確に把握できず、質問と答えがずれていたことがありました。就活中はANNニュースを聞き、日本語を理解する練習をしました。
Sさん:私の研究室は、ほとんどが日本人学生なので、日本人学生と面接の練習をしました。
司会:ふだんから日本人と話すことも、日本語能力の向上には大切ですね。
Nさん:私の場合は、書くと覚えることができるので、面接で話したいことはとにかく書きました。内容さえ覚えていれば、面接の中で自分の伝えたいことを伝えることができると思います。私たちは留学生なので、面接での日本語を完璧にするよりも、伝えたいことを伝えることが大事だと思います。
司会:なるほど、そうですね。大切なのは中身ですね。みなさん、あっという間にお時間となりました。今日は、お忙しい中集まってくださり、本当に貴重なお話しをありがとうございました。社会人になってからのご活躍も応援しています。
視聴してくださった留学生のみなさん、これからの就職活動にぜひ役立ててくださいね。本日は、ありがとうございました!
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