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国語の教員免許&司書資格保持者が伝えたい!! 読書感想文攻略法(選書の基準)
先日、選書に関する記事を掲載したところ、想像以上にスキを付けてくださる方が多くて、驚いている。それと同時に、読書感想文において本の選び方は大事かつ難しい問題なのだと改めて実感した。
今回から3回に分けて、以前に掲載した内容をもう少し深くする。参考になれば幸いだ。
※ここからは、対話しているイメージで書くため、敬語で書きます。
前回の記事で、選書の際に大切にしていただきたいポイント3点を挙げました。
①超有名な文豪の作品はおすすめ
②課題図書は避ける
③子どもが選んだ本を尊重する
今回は、なぜこの3点が大切になるのか、根幹の部分を説明します。その上で、具体的な作品と書く上でのヒントをいくつかピックアップしているので、参考になれば幸いです。最後には、テーマの傾向や個人的な意見をまとめました。
前回の記事で①~③のポイントを挙げたのは、私の体験から来ています。面白いと思った作品ほど読書感想文として書きづらく、面白くないと思った作品ほど書きやすかったのです。読書中もワクワクして、文章を書くときも楽しいのが理想ですが、それができる人は子どもでも大人でもかなりの読書通です。多分、読書感想文に悩まない稀有なタイプの人だと思います。
では、それ以外の人はどうしたら良いでしょうか。凄く言葉が難しいのですが、「そこそこ面白くて、そこそこ書きやすい」作品を探すのがおすすめです。図で表すと、下記のイメージです。
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例えば、最初から最後まで面白くて夢中になれる本はとても素敵ですが、何が良かったかと問われたら言葉に困ると思います。きっと「全部がいいんだよ!」と言いたくなるのではないでしょうか。それでは読書感想文としては、困ってしまいます。それよりは、途中は普通だけどクライマックスが最高、と思えた作品の方が書きやすいはずです。その意味で、気に入ったポイントは明白な方がいいのです。「そこそこ面白い」は、印象に残ったポイントの明確さだと思ってください。
では、「そこそこ書きやすい」とは何でしょうか。先ほど私の場合、つまらないと感じた作品の方が書きやすかったということを書きました。教訓めいた話はつまらない反面、作者や選者の意図が明確だからです。ただ、面白いと感じられないため、当然ながら読書が楽しくありません。
ここは、主人公や語り手に感情移入できる作品を選ぶことで、回避します。以前の記事でも書いたように、読書感想文は我田引水が出来たら勝ちです。主人公と自分を重ね合わせたり、合わない部分を見つけたりして、個々人が持つ体験と照らし合わせることができたらそれで良いのです。