あしの

いくら好きになったところで、わたしはあの時代には生きていませんでした。

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最近の記事

【フォーク・ソング】ドリンキン・グァード②【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

▼はじめに・南部から逃げ出す黒人奴隷 前回の記事では、アメリカに奴隷として連れて来られた 「アフリカ系アメリカ人」に触れました。 アフリカの黒人を奴隷貿易船に乗せてアメリカに輸出された歴史は古く、17世紀にまで遡ります。 それが19世紀中期、アメリカには「南北戦争」という大規模な内戦が起きまして、エイブラハム・リンカーンの時代ですね。 南北戦争は、まさしく奴隷問題が争点の一つになった争いです。 北部が掲げた奴隷解放宣言に対し、 南部は黒人の奴隷化を続けようと反抗しま

    • 【フォーク・ソング】ドリンキン・グァード①【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

      はじめに第一次ザ・フォーク・クルセイダーズが残した唯一のアルバム。 ハレンチ・ザ・フォーク・クルセイダーズ(以下、ハレンチ)。 ザ・フォーク・クルセ(イ)ダーズはフォーク・ソングというジャンルの中でも、”カレッジ・フォーク”と言われるカテゴリに属されます。 「民謡をもう一度若者の手に」というアメリカ中心の――フォーク・リバイバルという運動がありました。 日本でもこの理念は、若者=大学生に広がります。 大学生の間で流行ったから「カレッジ・フォーク」というわけです。 「カレ

      • 【イムジン河】アルバム”ハレンチ”解剖【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

        第一次ザ・フォーク・クルセイダーズが残した唯一のアルバム。 ハレンチ・ザ・フォーク・クルセイダーズ(以下、ハレンチ)。 ザ・フォーク・クルセ(イ)ダーズはフォーク・ソングというジャンルの中でも、”カレッジ・フォーク”と言われるカテゴリに属されます。 「民謡をもう一度若者の手に」というアメリカ中心の――フォーク・リバイバルという運動がありました。 日本でもこの理念は、若者=大学生に広がります。 大学生の間で流行ったから「カレッジ・フォーク」というわけです。 「カレッジ・フォ

        • 【ザ・フォーク・クルセイダーズ】アルバム”ハレンチ”解剖【ソーラン節】

          第一次ザ・フォーク・クルセイダーズが残した唯一のアルバム。 ハレンチ・ザ・フォーク・クルセイダーズ(以下、ハレンチ)。 ザ・フォーク・クルセ(イ)ダーズはフォーク・ソングというジャンルの中でも、”カレッジ・フォーク”と言われるカテゴリに属されます。 「民謡をもう一度若者の手に」というアメリカ合衆国での――フォーク・リバイバルという運動がありました。 日本でもこの思想は若者=大学生に広がります。 大学生の間で流行ったから「カレッジ・フォーク」というわけです。 なので、ジャン

        【フォーク・ソング】ドリンキン・グァード②【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

        • 【フォーク・ソング】ドリンキン・グァード①【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

        • 【イムジン河】アルバム”ハレンチ”解剖【ザ・フォーク・クルセイダーズ】

        • 【ザ・フォーク・クルセイダーズ】アルバム”ハレンチ”解剖【ソーラン節】

          悲しくてやりきれないへと至る道③Last

          前回のあらすじ 解散を目前とした1967年10月。 借金してまで作った卒業記念アルバム「ハレンチ・ザ・フォーク・クルセイダーズ」は、300枚のうち100枚しか売れなかった。 ところが、あるラジオ番組で「帰って来たヨッパライ」が放送されたところ、近畿地方を中心にブームが起きる。リクエストが鳴りやまず、毎日「帰って来たヨッパライ」が放送される事態に。 そこに東京の音楽業界が目を付けた。 パシフィック音楽出版の朝妻と東芝EMIの高嶋はすぐに大阪に飛び、 フォークルのメンバーと契

          悲しくてやりきれないへと至る道③Last

          悲しくてやりきれないへと至る道②

          前回のおさらい 1965年、大学生の間では、民謡や海外で流行りのフォーク・ソングをコピーして歌う、カレッジ・フォークが流行っていた。 京都の龍谷大学に通う学生、加藤和彦は、雑誌の読者投稿欄で「フォーク・コーラス」を作ろうと呼びかける。 集まったのはきたやまおさむ・平沼義男・芦田雅喜・井村幹夫。 5人で活動を開始した第一次ザ・フォーク・クルセイダーズだったけれど、井村は早々に抜けてしまう。 残った4人はコンサートやラジオに出演し、精力的に活動していた。 とはいえ、多くのカ

          悲しくてやりきれないへと至る道②

          悲しくてやりきれないへと至る道①

          左から、きたやまおさむ・はしだのりひこ・加藤和彦 アニメーション映画・この世界の片隅に。 主人公のすずさんはオープニングで、広島の中島本町のお店に、家業で作っている海苔を届けに行く。 たくさんの人が楽し気に行き交い、そんな町の雑踏の中で、すずさんは一人ベンチに腰掛けていた。 そこに、コトリンゴ氏の声が、静かにフェードインしてくる。 画面は空を流れる雲に切り変わり、タンポポが蒼空に綿毛を飛ばしている……。 後に原爆で滅びる街中をして、その雑踏の中でこの曲を流したのはとても

          悲しくてやりきれないへと至る道①

          思い出から経験へ。

          若者が識る「経験」のフォーク・ソングわたしたちは現代に生きていて、四六時中音楽が耳に入る生活の中にある。 テレビ番組もそう、Youtubeもそう。 Instagramも、TikTokも、映画でも、ポッドキャストやSpotify。 スマートフォンで、タブレットで、PCで、駅のホームで、街中で。 洞窟で暮らしでもしない限り、音楽が耳に入らない日なんかないだろう。 フォーク・ソングというジャンルがある。 耳馴染みのあるだろうものを挙げてみよう。 2016年の映画「この世界の片

          思い出から経験へ。