『両生類』 (中高生たちの超短編小説 005)
2016年9月24日、山椒 鵜尾(サンショウ ウオ)は月に一度のドライブに出かけていた。
「今月は、一度も行ったことのない場所へ行こう。」
そう決意して出かけたものの、結局いつもの神社へ来ていた。
しかし様子がおかしい…
いつもなら平日の朝ラッシュくらいの人がいるはずなのに、今日はカエルの仮装をした人が300人程しかいない。
「たまたま少ないだけだよね…」
そう思いいつもの賽銭箱に1円玉3千枚を投げ入れる。
そして帰り道、いつも違う道を使おうとしたのが間違いだった。
街灯ひとつも無い道に行ってしまい、そこには人間の仮装をしたカエル
500匹、車の前にも、横にも、後ろにも立っている。
「やっと、迎えが来たんだね…」
エラが少し動いた…