[推し本]夜明けを待つ(佐々涼子)/死ぬまで生きてバトンをつないで
佐々涼子さんは、一昨年の暮れに希少がんを患っていることがわかり、Twitterで体調や入退院の様子も時折発信され、最近はお墓を買ったことも投稿されています。
佐々さんならではの粘り強い取材で、社会の片隅にライトを当てるような仕事をまだまだやっていただきたいですが、それはとても難しいことなのかもしれません。
そんな中出た本作は、これまでの寄稿などを集めたものです。
改めて佐々涼子さんのテーマは、身近なご家族から看取り看護士の話まで、死ぬことに関するものが非常に多く、死にゆく者、残された者、それぞれの想いを受け止め、ある種悟りのような境地にまでたどり着きます。
そしてどんな形であれ、死ぬまで生きるということ自体が、何かのバトンを受け持つことなのだろうと、なんだか清々しくさえ思えてしまいます。
あとがきは、著者からの最後のメッセージとも思えます。佐々さん、これまでありがとうございますとお伝えしたいです。
これまでの全著作について、よろしければ以前「推し」ているこちらもどうぞ。佐々さんがこれまでに書いたものが、少しでも多くの人に読まれて続け、バトンが受け渡されますように。