街とつながるワークショップ実施レポート
2021年12月4-5日に行われた「カレーなる戦いin杉並」というイベントにて
工作ワークショップを行いました。
自分で主催するイベントや児童館内での活動など以外で、大きなイベント内で行うのは初めての試みだったので開催までドタバタでした!
前回ワークショップについてこう思う〜なんて記事を書いていたら思いもよらぬ方向から活動の機会ができてびっくり。
今回は開催に至るまでの経緯と準備、実施内容と振り返りをまとめました。
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開催の経緯
こちらは最近趣味で創作活動を細々と再開した「はこ型」のPOP-UPカードのinstaアカウント。
https://www.instagram.com/tiny_tiny_box/
コロナ禍での自粛期間にふと、好きだけどやめてしまった事をまたやってみようというマインドになった。
住んでいる街で好きな街、高円寺の建物を手のひらサイズのミニチュアにして、その建物の前で写真を撮りinstaにUPしていくという創作活動を始めた。
また、私の本業はエディトリアルデザインメインだったがコロナ禍でエディトリアルの仕事が減り、何かページもののデザインがしたいという思いから地域のフリーマガジンのライター募集にデザインスタッフを募集していないかと連絡してみる。
一見関係ないこのふたつの「行動」が今回の開催に結びついた。
フリーマガジン発行元の会社さんとの打ち合わせに伺ったところ、せっかくなら企画から持ち込みでやってみたらとご提案いただいたのだった。
企画や編集の経験はあったもののかなりブランクもあり、気分転換にちょっとお手伝いできれば・・・くらいのレベル感だったのがいきなり企画から!という話になり、こちらもてんやわんやだったがその話はまたいつかできたら。
そんな流れで、ファッションスナップや高円寺にちなんだ企画をいくつか出した。その中のひとつに「手のひら高円寺工作」があった。
建物の正面外観の写真を使って、高円寺の街の商店のペーパークラフトが作れる企画を提案していたところ
誌面でやるのは難しいが、高円寺の商店を紹介できる機会になり、企画としてはとても面白いので、イベントでワークショプとしてやってみないかというお話をいただいたのだった。
確かに展開図のようなものを作ってキットにした、写真を使った街のミニチュアが作れたら面白いなぁ、と漠然と考えてはいたもののなかなか行動に移すきっかけがなかったのでこれはありがたいおはなし、自分にとっては結構チャレンジになるかもしれないけれどまずはやってみよう、と思った。
そのイベント「カレーなる戦いin杉並」はもともと同社主催の高円寺フェスというイベントと同日開催予定だったが、選挙と開催日が重なり、会場利用の関係で延期になったイベントだった。
ワークショップは、カレーを購入したお客様のフリー飲食スペースとなる体育館の一角。ワークショップやくじ引きなどの4ブースあるコーナーのうちのひとつ、そのため参加者も年齢もバラバラ、流動的という内容だった。
やんわりとお話をいただいたのが11月頭、具体的に担当者と打ち合わせで内容を詰めることができたのは11月17日・・・!
平日は仕事があるので、当日までの準備に充てられる時間は土日祝日の実質5日ほどしかない!というかなりタイトなスケジュールの中で行った。
概要と目的
・単なる手先のものづくりの枠を超えて、街を知るきっかけづくりになるような提案、街とのつながりを感じるような提案
・お店がどこにあるのかを一緒に学んでいく
・子どもたちと共に作る街づくりにつながるような内容
という依頼で話し合った。
【試作物】
実施したこと
大まかに言うと超短期スケジュール(丸々使える日は約5日!)で以下の企画〜編集〜制作〜告知〜実施までを単独で行った。
・工作キットと高円寺商店街MAPをデザイン
・商店への取材と撮影
・ワークショップ告知ビジュアルの作成
・制作時間やレベル感の検討
・当日会場に設置するボードの作成
・道具類、除菌類などの用意
コロナ禍でのワークショップは除菌周りが必須アイテムだなあとしみじみ。
環境構成では机に模造紙を巻くか迷ったが、テーブルを拭いたり、はみ出すのりの受け皿とする事を考えると机に画用紙をデスクマットのように敷く方が衛生的と考えそのように実施した。
以下にそれぞれの詳細を書いていく。
工作キットと高円寺商店街MAPをデザイン
今回のワークショップでは、実際のお店を撮影させてもらい、一部イラストを交えた「はこ型」のPOP-UPカードの型紙をキットとして用意、A4の高円寺商店街MAPもデザインし、商店街を象徴するイラストをちりばめた。
親しみが持てるように柔らかいタッチのイラストと商店街名も書き文字で仕上げた。
【高円寺商店街MAP】
実際の商店にアポをとり撮影と取材
お店の選定は、子どもに人気のお店という軸も検討したが、今回は商店街と共に長年歩んできたお店という軸で快諾いただけた2店舗とした。
どちらのお店も創業から80年以上。親子三代で続けている老舗。今回の企画趣旨を伝えると快諾いただき、お忙しい中撮影と取材に応じてくださった。
個人の趣味レベルの制作では、こんな機会なかなか頂けないと思う。イベント主催の会社さんと地域との信頼関係のおかげで今回、取材させてもらって写真を使った制作物を作ることができたのはとてもありがたい経験だった。
【型紙制作過程】
【試作品たち】
参加者は、キットの型紙を切って、折り線をつけ、のりで貼って制作
↓
完成したらお店がどこにあるかMAPのイラストのヒントを頼りに探してみる
↓
街を歩いて実際にお店に行き作品と一緒に写真をとってみる
という提案までを一連の活動として提案する活動とした。
【カレーイベントサイト内での告知文】
高円寺の街のミニチュアをペーパークラフトで作ってみよう!
はさみで切って、のりで貼る。完成品を地図に置いたり、実際にお店がある場所に行って写真を撮れば街とのつながりを体感できる大人も子どもも楽しめるワークショップです。
「街とのつながりを感じる」を今回のワークショップのテーマとしたので、制作するお店の歴史だったり大変さや楽しさやなどを取材。
制作しながら参加者とお話しできるようにネタを収集。どちらも職人技の光るお店でとても勉強になるお話が聞けた。この魅力を作品やワークショップを通して伝えたい!と思い休日はとにかく制作に没頭した。
デザイン面では、全面を写真にすると、ミニチュアでは魅力がうまく伝わらないため、写真だけでなく自身の制作のメインとなる切り絵やイラストを交えてミニチュアとしてかわいくなるようにデフォルメしたのがポイント。
写真はあまり得意ではなく、1店舗はこのnoteのTOP画像でも使用している「走る銭湯」の活動で知り合った友人にお力添えいただいた。感謝!!こちらも高円寺のご縁なのでまさに私自身も街とのつながりを感じるワークショップ!
制作時間やレベル感の検討
そもそも参加者はカレーを食べに来るイベントなので、子どもだけに限定せず、大人も楽しめるようになればという思いがあったため、instagramストーリーやtwitterでも宣伝した。
【告知ビジュアル】
【インスタグラム「ストーリー】
「これを作れます。楽しかったね〜」で終わるワークショップも悪くはないが疑問を持っている、という投稿を前回もしたが
参加することで街を知る、街とのつながりを感じるという点は特に意識した。
試作を重ね、制作レベルは小学校中学年以上〜でできるくらいの大きさと線の太さに仕上げた。
取材させていただく中で知った商店街の道の色が違うという豆知識も、キットの中にコラムとして入れ、なんだか小学校の社会の教科書や教材でも作っているような気分だった。作り方部分にはルビをふり、子どもでも読めるよう配慮した。
当日会場に設置するボードの作成
先ほどの告知ビジュアルをA3パネルで出力したほか、参加料金案内のパネルも作成した。こういうのは時間のないなか、ついこだわってしまい、準備段階でヘトヘト・・・!
準備関係で言うと、おつりの用意も必須。
参加費が300円ということもあり、来場人数も参加人数も読めずかなり多めにおつりの小銭を用意した。両替って銀行ですると手数料かかるんですね。その辺りもどのくらい用意すれば良いか加減が難しかったので次回の参考私したい。
当日について
そんなわけでなんとか形にして迎えた当日。
直前にキットを印刷し、色が若干沈むなどの妥協点はあったが、時間や予算も限られていたのでできる範囲で。紙の吟味や印刷の割れ具合、発色のテストまでは行えなかったので、次があるとすればそこまで検討できたらよいと思った。
環境構成は長机2台を向かい合わせて5人がけにし、制作スペースに。
仕上がりの見本と、普段制作している作品の一部を展示し、カレーイベントの飲食スペース(体育館)に訪れたお客さんが通りすがりでも何のブースか伝わるようにした。
【自身のinstaとミニ作品展】
良かった点
・参加者も地元の方が多く、作ったお店を知っている、利用しているというお声を多く聞くことができた
・後日、お店にご挨拶に行くと、実際にお店の前で写真を撮ってくれている人がいらっしゃったとのことで、提案内容を実行してもらえて良かった
・展示作品に興味を持って見てもらえた
・大人も子どもも幅広く参加してくれた
・特にSNSで興味を持って参加してくれたのは嬉しかった
気づき
・メイン講師は私のみだったため、4人参加者がいると子どもの場合は説明におわれてしまい、初めのうちはせっかく取材してきたお店の歴史などを話す余裕がなかった
・声をかけると手を止めて話を聞いてくださる場合もあり、制作の妨げになってしまうのでバランスが難しかった
→キットをもっとシンプルにし、説明不要な構造にするのか、講座として構造自体に興味を持ってくれる大人を対象にするのかが課題。活動環境によって検討が必要そうである
・対象年齢を絞りにくい状況だったため、細かい部分を切るのが難しい子どももいた
・山折りと谷折りについて線種で分けていたが、特に谷折りは折ってしまうと印刷面が見えなくなるので伝えるのが難しかった
また、折り線に歪みがあると完成時うまく組み立たないことがあり、2日目はトランサーという道具を使ってあらかじめ折り線に筋を手作業で入れたものを用意することで対応した
・初日は黒の画用紙を制作スペースにマットとして敷いていたが、楽しげ感に欠けると気づき2日目はカラフルな画用紙に変更した
・参加者の完成品と見本がごっちゃになりやすかったので2日目は見本に丸シールの目印を貼り対応した
【道具系】
細かい部分が塗りやすいようにと、もともと家にあったもの以外にこちらを追加で購入して使用したが、お洒落なデザインすぎてフタの開封がわかりにくい&固いため、マスキングテープを巻いたりあらかじめ蓋をあけておくという対応が必要だった。
参加者の内訳
・大人と子どもトータルでの男女比率が初日と2日目を合わせると綺麗に半々
・大人と子どもで比較すると初日やや子どもの参加率が高かった
・子どもだけに絞っても男女比率が半々
大人の男性参加者が想定外に多かったのが興味深かった。
「写真を使ったペーパークラフトのミニチュア」、「POP-UPカードにしては結構マニアックな構造」のワークショップだったので、
子どもよりも大人が興味を持ちやすかったのかもしれない。
私自身も子ども向けだけでやるなら別のテーマ(とびだすカードだったり、しかけ絵本だったり)のネタはあるのでそれをやることもできたが、今回お話をいただいたのが上述のような経緯もあったので
それでは私がやる意味があまりない?しかし、難易度が上がり過ぎてしまう…?と、とにかくいろいろ悩みながらの開催だった。
まずは今回のイベントの一角で開催させていただいた感謝と、無事に終わった安堵感でいっぱいだ。
頑張りすぎたがやり切った!!という心地よい疲労感もあるが。
私自身のペースでできる制作は引き続きマイペースに続けて、無理のない範囲でまた開催させてもらえる場があれば良いなと思った。
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お仕事ご依頼お待ちしています!
以上ざーっと振り返りレポートでした。誤字があったらご容赦下さい。
今回型ができたので、高円寺に限らずいろいろな地域や店舗に流用できると思います。
印刷データ作成、MAPのデザイン制作もできますので、
まちのイベントだったり、商店街や新店舗のPRなど、地域の魅力を伝えるきっかけ、教材としていかがでしょうか?
出張工作ワークショップやキット制作など、お仕事としてのご依頼お待ちしております!!