ネガティブフィードバックは「主観」で伝える
”現役人事のコーチング”をやっています。アサマルです。
このnoteでは、マネジャーやチームリーダーの方向けに
部下との関係構築や組織活性化のヒントになる情報をお届けしています。
12月は、ボーナスが支給される企業も多いのではないでしょうか?
会社によっては、賞与の支給のタイミングに合わせて、
上司から部下へ、前期の業績評価の結果をフィードバックしている
職場もあるかもしれません。
今日は、そんな部下へのフィードバック、
特にネガティブフィードバックに関するお話です。
ネガティブフィードバックを躊躇う部下はいますか?
フィードバック面談の場では、部下の成長を促進するために、
ネガティブな内容を部下に伝えなければいけない場面もありますよね。
部下に目指してもらいたい理想的な状態と現状のギャップを
認識してもらうためにも、大切なポイントだと思います。
ただ、中には単刀直入な伝え方をすると、
落ち込みすぎる性格の部下もいますね。
そういう部下に対しては、マネジャーの方も
かえって本人のモチベーションを下げてしまうのではないかと、
否定的なことを伝えるのを躊躇してしまうマネジャーの方も
いらっしゃるようです。
そんな部下も、よりフィードバックの内容を受け取りやすく、
かつ成長の糧につなげるためにできるコツをひとつ
ご紹介してみたいと思います。
躊躇のワケは何だろう?
ネガティブフィードバックを部下へ伝えるのを躊躇する理由として、
多く挙げられるのは、せっかく頑張っている部下のやる気を
下げてしまうのではないか、ということではないでしょうか。
ですが、部下自身が、マネジャーからのフィードバックを
自分の成長の糧にできるものとして受け取ることができれば、
やる気を下げることにはならないと思います。
マネジャーの視点からどう映っているかを知ることは、
部下にとっても貴重な機会です。
では、部下が受け取りやすい形で、必要なフィードバックを返すには
どんな方法があるでしょうか?
「Iメッセージ」で伝えてみる
ここでご紹介するのはYouメッセージとIメッセージの使い分けです。
Youメッセージとは、「あなた」を主語にして伝える方法です。
これは「客観的事実」として伝える言い方になります。
例:
あなたは、未経験の仕事に消極的で、新しい挑戦ができていませんでした。
一方、Iメッセージとは、「わたし」を主語にして伝える方法です。
これは「主観的事実」として伝える言い方です。
例:
わたしには、あなたが未経験の仕事に消極的で、新しい挑戦が
できていないように見えました。
あなたが言われる立場だったら、どちらを受け取りやすいと
感じるでしょうか?
実は、人によっても受け取り方は違うのですが、どちらかと言えば、
Youメッセージで、できていないことを伝えられた場合、
受け手の部下からすると、「客観的事実」を突きつけられる格好になり、
逃げ場がなくなるような感覚に陥ります。
ネガティブフィードバックで、Iメッセージを使うと、
理想の状態と現実にギャップがあるように、「わたしは」感じる、
とマネジャー自身の主観として伝えるニュアンスになります。
Iメッセージで伝えられた場合、マネジャーの主観自体は事実なので
否定できないものの、あくまでも個人の主観なので、
部下自身の言い分が許される余地があるニュアンスが出ます。
フィードバックを受けた部下の言い分を許す
この「部下の言い分も許容される感覚」というのが、
実は大事なポイントです。
なぜなら、フィードバックは「部下のために」
成長のヒントとして伝えるのが目的であって、フィードバックされた内容をどう扱うかは、部下に選択権が与えられている必要があるからです。
マネジャーから
「私からは~~のように見えるよ」
「私には~~のように感じるよ」と伝えた後は、
「自分では、このフィードバックを聞いてどう思う?」
と、部下の言い分を聞いてあげることも効果的です。
ネガティブなフィードバックを受けた、というショックで終わらせず、
成長への糧にするために、本人の考えを言語化してもらうことで、
内省を促すことができます。
ネガティブな内容でも、部下に成長してもらうために
効果的に伝えたいと考えているマネジャーの方、
ぜひ試してみてください。
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