水田皮膚病を知ってるかい(1)
去年5月末、私が訪れたのは「目黒寄生虫館」。
何がなんでもこの展示期間中に訪れなければならない理由が、私にはありました。
2018年5月3日(木)~9月30日(日)に開催されていたのは「藤浪艦(ふじなみあきら)資料で見る100年前の日本住血吸虫研究」。一般の人はピンと来ないかもしれませんが、飲食店をされている方や調理師免許の勉強をした人など、他にも保健衛生に関わる方はご存知と思います。
私もこの「日本住血吸虫」を知ったのは。調理師免許を取ろうと思った時でした。平成29年度の調理師免許の試験問題にも出ています。
さて、寄生虫で有名なのはサナダムシ。この寄生虫館の呼び物展示はなんと言っても全長8.8mのサナダムシです。サナダムシは人の腸の内部にいます。そこが居心地いいんでしょうね。腸にやってきた栄養分を横取りすることから、わざわざサナダムシを体内に入れるダイエットがあると、ベストセラー、「笑うカイチュウ」を著された藤田紘一郎先生がおっしゃっています。
このように、人と親和性のある寄生虫もいる一方で、人の体に入ったものの、宿主(人)と共生できない寄生虫もいます。つまり、宿主を病気にして殺してしまう。というものですね。
寄生する、というからにははじめから体内にいるわけではない。そうです。どこからか入ってくるのです。例えば、サナダムシは口から入ります。虫そものや卵が付着しているような食物を食べることで寄生虫が体の内部に入る。通常、目に見えるようなものではありませんけど、まあ、インドのガンジス川のような状況で暮らしていない限り、あまり心配はいりません。
では、日本住血吸虫はどこから侵入してくるのか。実はこれ、ちゃんと勉強してたんです、私。それで「水関係」ということだけは知っていました。つまり、キレイじゃない水、汚染された水に入ることで住血吸虫が体内に入る。そう学んだ覚えはありました。汚染された水に入る、なんてにわかに想像ができません。子供の頃は川で泳いだりしたけど、キレイに流れていたし、上流からへんな物質が流れてくるわけじゃないし、沼のようなところでもない。そもそも日本のどこに、汚染された水辺があると言うのでしょう。
そう、そのときはまさか、その「汚染された水」が「田んぼの水」だとは、まったく、想像もしていなかったのです。
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