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【お米について考える】寄稿/ごはんを食べずに太る人、山盛りごはんで痩せる人~食べ方でこんなに変わる心と身体~(日本健康食育協会 代表:柏原ゆきよ)


皆さんこんにちは、
アサヒパック広報の小林です!

米袋べいたいの専門メーカーである弊社では「お米」という作物の価値を改めて伝えるべく「ごはん食推進活動」を積極的に行っており、関心を持つ企業・団体様との関係強化に取り組んでいます。

今回は縁あって「日本健康食育協会」様より寄稿を賜りました。2回に分けて掲載をさせていただきます!



ごはん食が守るあなたのカラダ、地球のミライ
~知らないと損する糖質との付き合い方~


一般社団法人日本健康食育協会と公益財団法人日本ヘルスケア協会が主催する「お米で日本を元気にするプロジェクト」の第1回フォーラム・シンポジウムが7月7日(日)に日比谷図書文化館・大ホールで開催されました。

写真提供:ヘルスケアワークスデザイン(株)


主催者セッションを日本健康食育協会 代表 柏原ゆきよ氏が担当しました。
その講演内容についてレポートします。

柏原 ゆきよ(かしわばら ゆきよ)
管理栄養士。公益財団法人日本ヘルスケア協会 お米で健康推進部会 部会長。日本健康食育協会 代表理事。大学卒業後、食品流通・製造・医療・介護・美容・スポーツなどの現場を経験し、2007年に起業。女優やモデル、経営者、アスリートなど幅広い分野で食生活のアドバイスを実施。10万人以上のサポート経験から「健康食育」理論を構築し、指導者として「健康食育シニアマスター」の育成に力を注いでいる。『お腹からやせる食べ方』(三笠書房)『疲れない体をつくる疲れない食べ方』(PHP研究所)などの著書の他、YouTube「お米チャンネル/人生が変わる食べ方」にて、しっかり食べて元氣とスッキリを手に入れるコツを配信中。

ごはんを食べずに太る人、山盛りごはんで痩せる人
~食べ方でこんなに変わる心と身体~

写真提供:ヘルスケアワークスデザイン(株)


柏原氏は冒頭で『ごはんは太る、というのは誤解で、むしろ太りにくく病気になりにくい体を作る上で欠かせない主食です』と断言。

『注意すべきは「お米の食べ方」で、筋肉と骨の維持・体力の維持・体温アップ・腸内環境改善のすべてに大きな影響を与えていることをもっとよく知っていただきたい』と続けます。

柏原氏 実はお米は炭水化物・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維を含むマルチ食材と言えます。お米がベストな理由は7つあります。
①余分な脂質を含まないことから食事のカロリーバランスが整う②加工が少なく、余分な調味料・油・添加物が入りにくい③腹持ちが良く、過食を防ぐ④アミノ酸スコアで小麦が35に対し、お米は倍近くの65であり、含まれるたんぱく質が優秀である⑤食物繊維が豊富⑥レジスタントスターチ(※)など機能性をもっている⑦調理が簡便であることです。

レジスタントスターチ:難消化性デンプン。お通じを良くしたり、有用菌の増殖を促したりする機能がある。また、食後の血糖値の上昇を穏やかにし、満腹感を持続させる作用があることも分かってきている。


お米の価値を改めて確認したところで「ごはんの力で痩せ体質」を目指す、おすすめの食べ方が紹介されました。キーワードは「日常はシンプル/非日常は多様性」。

日常食は、少な目おかずと具沢山味噌汁を活用して「ごはん(6)おかず(4)のバランス」の一汁一菜で。非日常の場面では、6:4のバランスをあまり考えずに「食材の多様性」を意識するなど食を楽しむ献立でOKだそうです。

柏原氏は『ごはんはしっかり食べることで燃料になり、具沢山の味噌汁は燃焼を促す着火剤の役割を果たします。そして、少な目のおかずに含まれたたんぱく質が筋肉などの身体の材料としてしっかり機能してくれます。』とそれぞれの役割を説明しました。

※日本食品標準成分表(八訂)/農林水産省農産局資料


また、ごはん主体の食事が日本人の体質に合っていて、体力がついて疲れにくくなるうえ、太りにくい体質を作り出す食だ、ということを示し『とりわけ朝ごはんにお米を摂ることがとても重要です』と付け加えました。

「ごはん」の本当のチカラ


近年、「糖質制限」という言葉のイメージによりお米が悪者のように語られていますが、『実は、炭水化物と糖質はイコールではない』こと、そして『どんな食材からどのように摂るかで大きな違いが生じる』ことも説明されました。炭水化物は糖質に食物繊維が加わったものなので、その炭水化物を摂らなければ、同時に食物繊維量も減り、腸内環境の悪化に繋がりかねません。

加えて、厚生労働省により定められている「日本人の食事摂取基準」では現在、摂取カロリーの内訳を「炭水化物から約60%/脂質から約25%」というバランスが推奨されています。


この事から、『例えばパンよりも脂質が少ないお米を主食にしっかり食べることで、カロリーバランスが整いやすくなる』という話に留まらず、『食べる事(食事)は、カロリーを摂る行為だけではなく、実は消化吸収のために体内が活発に動く運動にあたる』ことも示されました。

食事量を減らさずしっかり食べて体を活性化させるためにも、改めてお米の持つ力と魅力について考える機会となりました。

写真提供:ヘルスケアワークスデザイン(株)

お米で日本を元気にするプロジェクト始動!


「お米で日本を元気にするプロジェクト」がスタートしました。

「ごはん食」を中心とした日常的な和食の価値が世界的に改めて注目されています。近年の研究で日本人の健康長寿に「米食を基本とした日常的な和食」が大きな役割をはたしていることが明らかになってきました。

また、日本で発達した水田稲作は土壌劣化を起こしにくいサステナブルな農法として、そのSDGs的価値・持続可能性があらためて評価されています。加えて、日本の食料安全保障の観点からも「ごはん食」を守ることが不可欠です。

5月 千葉県匝瑳市でプロジェクトのメンバーが田植えを行いました


しかし一方で、米の消費の減少傾向には歯止めがかかっていません。行き過ぎた糖質制限ブームなどにより、米を忌避する傾向さえ生まれています。
 
本プロジェクトの活動を通じて「ごはん食」が持っている健康価値、サステナビリティなど、多面的な価値を世界に向けて発信し、同時に日本人の健康を「ごはん食」を通じて推進してく活動や、稲作を基盤とした地域の活性化・保全活動を展開していきます。



※本記事は弊社発行「こめすけ 51」並びに「産経新聞北関東版(2024年8月29日号)」に掲載の内容を加筆修正し、再構成したものです

※もっと詳しく知りたい方は「一般社団法人日本健康食育協会」公式ホームページまでお問い合わせください