私たちのターニングポイント From社内報 #3「リードマイセルフ〜自分で自分を導く~」
本記事では、アサヒ飲料社内報コンテンツとして制作している「ターニングポイント」を一部編集してお送りいたします。「ターニングポイント」では当社役員・事業場長の転機となった経験に迫り、人生や仕事の軸となっていることを紹介しています。社員から人気が高い「ターニングポイント」を通して、当社の歩みを少しでもお伝えできればうれしいです。
今回は、東日本大震災直後に品質に関わる情報開示に向けて奔走した社員のターニングポイントです。
※本記事は2022年7月に社内報として執筆した内容です。
【プロフィール】
※N/L社員:当社の人事制度の転勤区分でNは全国転勤あり、Lはエリア限定(転居なし)の社員のこと。
ステップアップのきっかけとなったN社員への再転換と管理職登用
――ターニングポイントとなったキャリア上のエピソードを教えてください。
2011年にN社員に再転換し、管理職に登用されたことが私のターニングポイントです。
出産や育児のため2001年にL社員に転換し、10年間お客様相談室で相談業務や品質保証ホームページ(現在の安全・安心に関するページhttps://www.asahiinryo.co.jp/safety/)の新規立ち上げ、エスカレーション対応(電話を取った社員が対応しきれない内容や、判断を必要とする問題が発生した際、応対を引き継ぐこと)などの業務を担当しました。責任を持って仕事をしていましたが、自身の職位でできる仕事の範囲に限界を感じることもありました。そのような時、偶然同じ日に、直属の上司と当時役員だった元上司に「そろそろN社員に復帰しないか」と声をかけていただきました。それまで再転換を考えたことはなかったのですが、この偶然は何かの啓示だと思い、仕事の幅がより広がるN社員への復帰を決意しました。同時に自分を見てくれている人がいる、というのはこんなにもうれしく、人を励ます力があるのだと感じました。この時の経験から、部のメンバーにはなるべく「私はあなたを見ています」とメッセージを送るようにしています。
管理職登用直前に東日本大震災発生。使命を全うすべく、2時間かけて自転車通勤
――― 管理職登用後、最も印象に残っている出来事は何でしょうか。
登用直前に発生した東日本大震災が特に印象に残っています。当時は、管理職になる責任感も相まって「会社に行かなければお客様からの電話を受けられない」と考え、交通が混乱する中、しばらく自転車で2時間かけて会社に通いました。ここまで必死になったのは、チャンスを与えてくれた会社に恩返しがしたいという気持ちからでした。
震災発生から約2週間後に、浄水場で放射能の汚染報道が出た時には、約1週間、1日1,000件以上の水を求める電話が殺到して、商品をお届けできない悔しさを味わいました。人の生活にとってなくてはならない“水”で世の中を支えている責任を再認識し、安全・安心な商品をお届けするところまでが私たちの使命なのだと強く感じました。
また、放射線の報道で社会が混乱するのを見て、正しい情報を発信していくことに責任を感じました。実は当時、当社は他社に先駆け製造所固有記号(※)の検索システムと原料原産地の一括開示を行いました。今でこそ2015年に施行された食品表示法により、これらは義務化されていますが、これに先んじるものでした。情報開示についてはまさに業界のリーディングカンパニーであって、「社会でいちばん信頼される企業になる」ことを目指したゆえの取り組みだったと思いますし、こうした志は会社のDNAになって受け継がれていると思います。
また、当時を振り返ると、電話が殺到する中でメンバー一人ひとりが会社の顔として責任感を持ち、皆で支え合ったからこそ乗り越えられたと思っています。
※製造所固有記号: 製造工場を記号で表したもので賞味期限の近くに「+」をつけて印字している記号のこと。 食品表示法により、「製造所の所在地及び製造者の氏名又は名称」の表示が義務付けられています。
後輩に伝えたい想い
「リードマイセルフ」という言葉をお伝えしたいと思います。技術進化が激しい現代では、それまでに身に着けた知識はあっという間に陳腐化してしまいます。過去の経験だけに頼らず、置かれた場所で課題を探し、必要なスキルを習得して「自分で自分を導く」ことが大切だと思います。また、ワークライフバランスが注視される現代では、ステップアップをためらう方が少なくないと思いますが、裁量や権限が増えて「自分の思いを形に変える」チャンスだと捉え、周囲を頼りながらチャレンジしてほしいと思います。
マイアイテム!
私の宝物は2つのバッチです。品質保証部長就任直後、さまざまな対応で疲弊していた時に、次女がプレゼントしてくれたのがこの「がんばれ!自分」と書かれたバッジでした。私のことをよく見ている、と思い感動しました。負けじと長女がプレゼントしてくれたのが「負ける気しない」バッチ。二人の性格と気持ちがよく表れていて、どちらも私の宝物です。いつもカバンに入れていて、くじけそうになったときにはこのバッチを握りしめています。
―――ありがとうございました!
今回の「私たちのターニングポイント」はいかがでしたでしょうか?
次回もお楽しみに!