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次世代の研究者たちが奮闘!

こんにちは!
本日は「サイエンスキャッスル研究費 アサヒ飲料賞2023」をテーマアップ!

「サイエンスキャッスル研究費 アサヒ飲料賞」とは、未来へのギフトを創造するアサヒ飲料が、未来を切り拓く若き研究者たちのチャレンジを応援する取り組みです。中高校生から研究テーマを募集し、採択されたチームには、研究費を助成し、当社の研究員がアドバイザーとなり半年間の伴走支援を行います。5年目の実施となった昨年は5チームが研究を進め、年末には半年間のプログラムのゴールとなった成果発表会が行われました。今回はその様子をご紹介させていただきます。

「サイエンスキャッスル研究費 アサヒ飲料賞」についてはこちらの記事もご覧ください↓

成果発表会では各学校7分の持ち時間で研究内容をプレゼン後、当社社員やアサヒ飲料賞を一緒に運営する株式会社リバネス様からの質疑に対応。その後、パネルディスカッションの時間を設けて、学生同士の質問や議論も活発に行われました!

<各学校の研究テーマとコメント>

乳酸菌吸収率の効率化を図る/山形県立山形東高等学校

「研究・探究だけの時間があまりとれない中、可能な限り実験をしました。最初は実験がうまくいかず、練り直しも何度もしながら研究を進めました!」

酵母を安価に増やしたい~生ゴミのアップサイクルを目指して~/群馬県立太田女子高等学校

「うまくいかないときに、何が悪くて、どのように改善したらよいかを考えることに苦労しました。簡単かつ楽しいと思ってもらえる実験を確立していきたいという想いを大事にして研究に取り組みました!」

カスカラ(コーヒーチェリー※)ティーの開発/開智中学校

「カスカラティーの開発から商品化まで大変でしたが、今後は乾燥させたカスカラだけでなく、乾燥前の生のものの可能性についても検討していきたいです。」

※カスカラ(コーヒーチェリー):コーヒーの木(アカネ科の植物)の実の種以外の部分

乳酸菌は植物の成長にどのような影響を与えるのか/創価中学校

「菌の入手方法を考えることが難しく、廃棄物を活用するという当初の目的から外れそうになることがありましたが、こだわりポイントを追究したからこそ、乳酸菌の効果を深掘りすることができました。」

食品保存に乳酸菌は役立つのか/京都府立桃山高等学校

「トウモロコシの発酵食品をつくる過程で最初は菌が見つからない、カビが生えるなど、うまくいきませんでした。でも、トウモロコシに決めたからには!と根気強く取り組んだ先で結果が出て、とてもうれしかったです。」


各校堂々としたプレゼンテーションが行われ、自身の発表の時間以外は他校の内容を熱心にメモしたり、パネルディスカッションでもお互いに質問をし合ったりする様子が見られました!

成果発表会の最後には表彰式も実施し、開智中学校が最優秀賞に選ばれました。

表彰式の後に、開智中学校の方と開智中学校のアドバイザーとして半年間伴走を務めた当社社員にも話を聞いてきました!

<プロフィール>

右)池田 結香(いけだ ゆうか) 
開智中学校3年。夢は研究者。特技は書道(6年続けています!)
左)水政 文杜(みずまさ ふみと)
開智中学校3年。夢は研究者。
マイブームは料理・パン作り(最近はシュトレン作りにも挑戦しました!)

―――最優秀賞に選ばれた感想を教えてください。

池田 私はいままで何回か大会や発表会に参加してきましたが、そこでは賞などを取ることはできませんでした。しかし、いろいろな発表を聞き、良いところを吸収してきた中で、今回最優秀賞を取れたことはうれしい気持ちでいっぱいです。

水政 僕は中学生で、他の参加者の方には年上の方がいっぱいいる中で最優秀賞を取れたことは驚いています。また、さまざまな感想を言っていただけて、とても良い時間になりました。

―――サイエンスキャッスル研究費アサヒ飲料賞の取り組みに参加していかがでしたか。

池田 この半年間でカスカラティーの開発から商品化まで大変でしたが、アサヒ飲料のアドバイザーの方がいなかったら焙煎などによって味がどのように変わるかなども全く分からなかったと思うのでとても良い経験になりました。

水政 アサヒ飲料のお茶を開発している方に伴走していただいたので、実際に企業での開発の経験を自分たちの研究・開発にも活かしていただき、普段の学校生活では経験できないような研究ができました。

―――アドバイザーを務めた当社社員からはどのようなアドバイスがありましたか。

池田 商品開発にあたり、まずどんなものがどんな人に飲んでもらえるかを考えるところから始まりました。具体的にどのようにすれば味が変わるかを教えていただき、「焙煎方法などのやり方を変えていくなどこうやったらいいのでは?」と、アドバイスをいただきました。

水政 自分がアドバイザーの方から教えていただいたことで一番印象に残っているのは、研究の目標をしっかりと決めるということです。最初に「自分たちがどのようなカスカラティーをつくりたいのか?具体的な味やどのような人に向けたものか?といった目標をしっかりと立てた方がよい」と言っていただきました。そのように強く言っていただけたからこそ、目標に向かって研究を進めることができました。鋭い視点からのアドバイスをしてもらい、客観的な視点が自分たちにはなかったので、感謝しています。対等な立場で接してくれたので、三人で同じ方向を向いて研究に走ることができました。

―――他の学校の学生さんの発表やコミュニケーションを通して感じたことを教えてください。

池田 他の学校の生徒さんの研究と自分たちの研究がつながっていると思いました。例えば、ポリフェノールが多く含まれているもので酵母菌を除去しているという学校もあり、違うテーマでもつながりがあるのだと感じました。あまり、同世代の方の研究発表を聞く機会はないので、どんな研究をしているのかを聞いて、皆が情熱にあふれていることを知ることができて良かったです。

水政 カスカラティーだけでなく、カスカラティーをつかったケーキなども食べてもらいましたが、同世代の方からのありのままの素直な感想を聞けました。思ったより酸味がある、苦いといった課題につながることも言ってもらいました。そういった点でも同世代の方と同じように研究し、発表したことに意味があると思いました。

この日は試作品を持ち込み、カスカラティーのケーキも皆にふるまってくれました!

――-今回の経験を今後どのように活かしたいですか

池田 お茶の知識がある方にアドバイスをしていただけたので、その意見をもとに生産者の方の収入アップや消費者も健康になれるような商品を本当に開発していきたいです。

水政 生産者の方の労働環境や消費者の健康問題などを考える中で、この研究を社会に実装していき、研究を通して自分たちの手で社会を変えていきたいです。

―――ありがとうございました!

<アドバイザープロフィール>

倉田 淳代(くらた あつよ)
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 
商品開発部 商品開発第二グループ 茶飲料開発チーム所属。
お茶商品の開発を担当。マイブームは美味しいスコーンを食べる&作ること。

―――アドバイザーをやっての感想はいかがですか。

とても有意義でした。私はもともと教育に興味があり、自分のバックグラウンドを活かして中高生の研究をサポートできたらと考えてアドバイザーに応募しました。実際にやってみて、中高生の若い視点から研究に挑戦する姿を見ることができて、刺激をもらえました。また、カスカラ自体も興味深いと感じています。SDGsの意味合いでも、生産者の支援という点でも魅力的ですし、純粋においしいので、カスカラの可能性を一緒に探索できて楽しかったです。

――アドバイザーを経験して学びになったことはありますか。

情熱は研究を進めるパワーになるのだと改めて実感しましたね。さらに、二人の良さを生かして協力しながら研究に取り組んでいる様子が印象的で、チームで進める大切さを改めて感じました。

―――伴走をやってみて大変だったことや接する上で意識したことはありますか。

答えを言っても二人の学びにはならないですが、今回は短い期間ということもあり、研究を効率的に前に進めていくために気づいてほしいポイントもあります。自分が言うべきことと二人に考えてもらうことのバランスや、どのように気づいてもらうべきかを考えることは難しかったです。あとは、良いところを見つけてほめるということは伴走するうえで気を付けていました。池田さんに関しては、好きなことに没頭するところや情熱がパワーとなって追究していく感じが自分と似ている気もして、昔の私を見ているような気持ちでした。当時の自分を思い出しながら接していた部分もありましたね。

夏には学校訪問も行い、一緒に研究を進めてきました

―――今後に活かしたいと感じたことはありますか。

私はお茶が好きで、現在の商品開発の仕事も楽しく取り組んでいますが、改めてお茶への情熱を忘れずに業務にあたりたいと思いました。

―――ありがとうございました!


今年の成果発表会には2020年のアサヒ飲料賞に参加していた学生さんが
スペシャルゲストとして来てくださいました!

2020年アサヒ飲料賞にて海洋プラスチックについて研究を行ったプラガールズの皆さんと
当時アドバイザーを務めた当社社員

現在大学生になった彼女たちはそれぞれ理学部、教育学部に進学しています。そして、彼女たちの高校の後輩が研究を引き継いで続けているとのことです!アサヒ飲料賞のその先も研究が続いていくのは、とてもうれしいことですね。

今回は学生同士が質問をし合うなど、コミュニケーションをとる様子も多く見受けられました。同じ想いを持つ仲間たちとつながり、輪が広がっていくことで未来はさらに広がっていくと思います。アサヒ飲料賞がそのきっかけの一つとなればうれしいです。未来を創るホープたちをこれからも応援していきます!

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