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過去を乗り越える夢

夢には記憶を整理する役割があるという。
なので、日常生活で触れる頻度の高いもの・事象が夢に出てきやすく、
内容はライフステージごとに特徴があるらしい。
通常の夢は年代によって内容に差がある一方で、
悪夢の内容は年代による差があまりなく、しかも言語や環境が違う他国でも悪夢の内容はほとんど同じ内容だというから驚きだ。
(参考:夢は自分の記憶から作られる?悪夢の意味や良い夢を見る方法を臨床心理士に聞いてみた|LINK@TOYO|東洋大学
(「リトルナイトメア」というゲームが世界で流行るのも納得だ)
私も、夢について振り返ってみた。

ストレスフルでうつ状態の時

いわゆる悪夢を見ていた。追いかけられる。命の危機にさらされる。高い建物から落ちる。体が硬直したり、発汗していたり、泣きながら目覚める頻度が高かった。

メンタルヘルスと向き合うと決めた後

過去の場面が出てくる。この時の過去は苦しかった記憶の集合なので、悪夢といえる。上記の段階と同じように、硬直、発汗、泣きながら目覚める。

メンタルヘルスと向き合って4年後
過去の場面が出てくる。明晰夢のような感じで、自分は自由に動ける。過去を再解釈(やり直し)できる。苦しくも、達成感がある。この夢を乗り越えることにより、苦しみ続けた記憶が「現在の傷」ではなく「過去」になったと思う。
過去を乗り越える準備ができた頃、過去の場面の明晰夢を見れるようになる感じがする。これまでは起きている時も寝ている時も、過去の場面が頭によぎるだけで「うわぁああ」と感情が混沌とする状態だった。

メンタルヘルスと向き合って5年後

過去の場面が出てくる。今まで思い出せなかった快い記憶だ。
感謝、ありがたさ、懐かしさを感じて目覚める。

過去と向き合うと決めた瞬間から、無意識の中でも脳は困難を乗り越えようと働き続けていたのかな、と振り返ってみて思った。

しかし注意してほしいのだが、単なる過去の記憶とトラウマは違う
トラウマは、人間としての尊厳やアイデンティティを揺るがすような体験だ。生き物としての本能的な防衛反応によって、記憶がなかったり、身体的な影響があったりする。
私の夢に出てきたのは単なる苦しい過去であり、トラウマ治療は起きている時に慎重に行っている。
トラウマの治療に取り組む際は必ず安全を確保して行ってほしい。
重症化の恐れがある。

もう一つ、脳の無意識に関連したことで「トラウマの再演」という現象がある。脳が無意識にトラウマティックな体験を再現しようと働く場合がある、というもの。「モラハラする人を引き寄せやすい」「犯罪を受けやすい」など。(詳しく知りたい方は、この方の説明が優しくてオススメ。【再演】トラウマが引き起こす無意識の傷つき行動 | 心理カウンセラー寝子の寝言 (psychologist-neco.com)
自分の人生が望ましい方向に向かっていないと感じたら、いつもの行動・思考を振り返って無意識を自覚してみるといいかもしれない。


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