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学力ってなんだろうか

 5月も中旬を過ぎ、いよいよ6月に入ろうとしている。そんな中学校現場ではせわしなく日々変化する情報に対応することが求められている。

 6月から休校解除され、6月から本格的?に学校生活を再開しようとしている。緊急事態宣言が解除されたから学校再開というのはいかがなものかと感じる。各社報道でも1週間前ほどから6月から再開の報道が出ていたが、いよいよ現実味を帯びてきた。

 なぜ学校生活再開を急いでいるのか?きっと「学力の保証のため」という名目が大きいのではないか。特に公立中学校では学力差が顕著に表れるという。自分の勤務している公立中学校は、もともと学力が高くない生徒が多い学校である(学調の全国平均を下回っている)ので、学力の差が大きく開くことを職場でも懸念している。

 しかし、そもそも学力って何なの?と疑問を抱くものは少ないのではないのだろうか。よく学習指導要領などでは”確かな学力”という言葉で登場する。そこで、文部科学省HPで確認すると以下のようである。

Q  「確かな学力」とはどのような力ですか。

 これからの子どもたちには、基礎的・基本的な「知識や技能」はもちろんですが、これに加えて、「学ぶ意欲」や「思考力・判断力・表現力など」を含めた幅広い学力を育てることが必要です。これを「確かな学力」といいます。
 大学や企業の人事担当者も、今の子どもについて論理的思考力や問題発見力、行動力・実行力などについて課題があると指摘しています。また、全国的・国際的な学力調査では、今の日本の子どもたちは、学ぶ意欲や判断力、表現力に課題があることが指摘されています。
 各学校では、子どもたち一人一人に応じて指導するなど「わかる授業」を行い、「確かな学力」を育むことができるように努めています。

 知識・技能、思考力・判断力・表現力、意欲などを育てていくことであるということであるらしい。つまり、自分らしく生きていくために、自分の生き方を考えるために身に付けるべき最低基準であるのがこの力ということであるらしい。

 その確かな学力を保証するために学習指導要領があり、全国で一定水準の学力を身に付けられる制度を整えてきた。

Q  「学習指導要領」とはどのようなものですか。

 全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。
 「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等の目標や大まかな教育内容を定めています。また、これとは別に、学校教育法施行規則で、それぞれの教科等の年間の標準授業時数等が定められています。
 各学校では、この「学習指導要領」や年間の標準授業時数等を踏まえ、地域や学校の実態に応じて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。

 日本は学力がなかなか身につかない下部層の子どもを押し上げることで、国としての学力向上を図ってきた。アメリカなどは逆なイメージがある。


 ここでもう一度「学力」って何なの?と考える。文部科学省が立派に定義したその「学力」の測定をするためにはテストを行い、テストの点数やテストでの解答の仕方などで判断している。つまり、「学力」=「テストで測定できる」ものなのだ。

 社会に出たらテストなんてないし、今の時代にそぐわないものもあるはずだ。従順な労働者を生み出す仕組みとしてはすごくいいが...


 「学力」=「テストで測定できる」この式を現状良しとしていることで生じることは、「少しでも学力を高めるために教科書やワークを用いて学習させよう」ということである。

 学力を上げる手っ取り早い方法が教科書やワークなどの問題集を繰り返し行うことになっている。つまり、自分の思考ややりたいことがあって賢い人であっても、テストで点数を取れなければ「学力がない」と判断されるのだ。

 この状況おかしくないですか?確かに「学力」を図るのは難しいが、「学力」=「テストの点数」は違うんじゃないかなと。


 テストの点数にこだわるから、教科書にしたがって学習をする必要がある。テストの点数にこだわるから、標準授業時数にこだわる。

 本来教科書の内容を扱うことも、標準授業時数も目的ではなく、手段にすぎないのになぜか達成目標のように扱われていることに疑問がある。

 家での学習を授業時数にカウントすることや、レポート課題をだしてそれを授業時数にカウントするなど様々な案が出てきているが、本当にそれでいいのかと疑ってほしい。


 せわしなく学習を進めていくことが学力を高めるのか?家で教科書を使って答えを写してくる学習で学力を高めるのか?そもそも学校だけで学習すべきなのか?

 今の文部科学省や教育委員会の対応には疑問だらけであるが、現状そうしなければクレームが来ることは間違いないのだろう。


この現状を少しでも変えられる案のようなものがないものか探究していきたい。


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